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zoom RSS ジーコ日本代表の東欧遠征「ラトビア対日本代表」雑感  必然のミスとサイドからの組み立て

<<   作成日時 : 2005/10/10 20:54   >>

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――あの時間帯で3バックにした理由は
 中盤でボールを取られる場面が見られて形成が悪かったので(中盤を)1枚増やした。センターバックについても、かなり負担が大きくなっていたので、これも1枚増やそうというのが目的だった。
――ディフェンシブにしたのに、さらに崩れてしまったが
 耐えようと思えば耐えられたと思う。ただ、ミスがらみというか、あそこでミスがなければこのスコアにはならなかった。(サッカーとは)デリケートなスポーツなので、(相手が)1点でも取ってしまうと、向こうに勢いが生まれてこっちがアップアップになってしまう。そういう非常にデリケートな状況だった。フォーメーションで崩されたのではないと思う。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200510/at00006271.html

遅くなりましたがラトビア戦について。親善試合といえども2−0から勝ちきれなかったのは残念でした。ただ、そもそもDFはベストメンバーでなかったわけですし、ある程度の失点は仕方がないと思っていたので、まぁ「想定の範囲内」の失点であった気もするわけで(笑)。なので個人的には、この2−2という結果は、よくなかったとも取れると思いますし、よくやったとも取れると思いますし、妥当だったとも取れる、評価が難しい結果だったと思ってます。所詮テストマッチと考えるか、されどテストマッチと考えるかにもよるんでしょう。

ただ、どんな試合でも「勝つ」に越したことはないわけで、そういった「結果」から判断するなら2−0というリードした状態から、最後は「ミスがらみ」での失点で追いつかれてしまったのは、テスト失敗と考えるべきなんでしょう。<p>「逃げ切り」テスト失敗の要因はいろいろ考えられると思います。DFのメンバーがベストでなかったこともありましたし、アウェイということで選手のコンディションにも問題があったようにも思います。後半、ガクッと運動量が落ちたのも、そういった影響が少なからずあったと思いますし(まぁ選手のペース配分がダメだったとか、所属クラブでの出場時間の影響もあるとは思いますが)。ですが、一番の問題はピッチ上の選手が、このまま2−1で「逃げ切るという認識が欠如」していた、もしくは「逃げ切ろうとしても、そのやり方がわからなかった」ことだと思う次第です。ジーコが言う「フォーメーションで崩されたのではない」という言葉は、個人的には同意です。4バックから3バック(5バック)にして逃げ切りを図るという戦術だったと思っているのですが、ジーコのその交代の意図(3バックにして逃げ切り)を選手がどれくらい把握していたのか?
まぁわかっていたけど、ミスしてしまったのかもしれませんが、あの時間帯であのフォーメーションならより「セイフティなプレイ」、より「確実なプレイ」をするのは言うまでもないところだと思うのですが、それは厳しすぎる意見でしょうか? この試合ではミスによって失敗に終わりました「3バックでの逃げ切り策」ですが、その方法論自体はありだと思いますし有効だとも思ってます。ただそれを行った場合の「選手の認識」つまり、「無理して攻めない&不用意なプレイを避ける」って考えの徹底はもっと必要ではないかと思う次第です。あとボランチを稲本と中田浩二という組み合わせにしないってのも重要かと。ってことでW杯を想定した「3バックに変えての逃げ切り」テストは残念ながら失敗に終わったわけですが、今後もっとテストを重ねて完成してもらいたいです。W杯の本番で「勝ち点3」を得るためには絶対に有効な戦術だと思いますから。

ラトビア戦攻撃チェック@:サイドからの攻撃とサイドバックの関係

ここからは、ラトビア戦のジーコ日本代表の攻撃について振りかってみます。この試合、特に前半と後半それぞれ「開始から15分間」くらいはすばらしい攻撃をしていたジーコ日本代表ですが、前半ではサイド攻撃、後半は中央からの攻撃が特によかったように思えました。

カフーを世界最高の右サイドバックたらしめている最大の強みのひとつが良質のスマルカメント、すなわちマークを外してパスを呼び込むオフ座ボールの動きである。カフーのスマルカメントは足元でパスを受けることが前提となっており、スペースにパスを要求する動きはあまりない。パスを受けるとそのままドリブルで攻めあがるか、FWやトップ下にパスを出す。ワールドサッカーダイジェストNo205「ロベルトカルロス&カフーを完全解剖」より

レジスタのピルロとともに、ACミランの攻撃の基点となっているのが右サイドのカフーと言われてます。右サイドの高い位置でパスを足元に受けて、そこで攻撃の基点となってからFW、中盤、DFへパスを展開するカフー。その役割は「ミランのポゼッションサッカー」では非常に重要な役目を果たしているわけですが、ラトビア戦の右サイドバックで出場した駒野のプレイにも、その「カフー」のような「基点」となるプレイが何度か見られました。前半開始早々の7分。左サイドでボールを持った@稲本から逆サイドの駒野へサイドチェンジ。パスを受けたA駒野が中央のB高原へクサビのパスを出し、そのままワンツーの形で右サイド前のスペースを駒野が使い中央へセンタリング。



          ●ラトビアCB ●ラトビアCB 
 ●ラトビアSB                 ●ラトビアSB
   ○中田  ○柳沢     ↓       ←○松井 
               B高原 

          ●ラトビアMF  ●ラトビアMF       A駒野
        

         @稲本

得点には結びつきませんでしたが、このシーンで右サイドバックの駒野が高い位置で攻撃の基点となって中央の高原へクサビのパスを出してチャンスを演出したのは評価したいです。このようなサイドバックが攻撃の組み立てに参加することはミラン同様に「ポゼッションサッカー」を掲げるジーコ日本代表にとっては非常に重要な要素だと思うんですよね。中田英や中村といった中盤からの「FWへのクサビ」は有効であるのは間違いないですが、それに加えて両サイドバックから「FWへクサビ」を打てるようになれば攻撃の幅が広がりますし、バイタルエリアをうまく使えることにもなるわけです。まぁこの試合のラトビアの守備陣は、前半と後半の立ち上がりでそれぞれプレスが甘く、バイタルエリアも大解放であり攻撃しやすかったということはあったと思いますが、駒野のプレイはよかったと思います。このプレイの他にも中央へ切れ込んでロングシュートとか、中田と柳沢とのコンビからペナルティエリアへ進入を図ったりだとか、柳沢へスルーパスを出したりだとかいいいプレイをしていました。まぁ欲を言えば、もっとクロスの精度をあげてほしいとか、もっとサイドをエグるようなドリブル突破をしてほしいとかありますが、とりあえず「サイドで攻撃の基点となる」プレイはよかったかと。

ちなみに駒野と逆サイドの左サイドバックで先発した中田浩二について。守備では一度、又抜きされたシーンがありましたが、それ以外はうまく対応していたようには思えました。攻撃では前半の14分に、稲本からのスペースへのスルーパスパスを受けてセンタリングしてチャンスを作ったシーンがありました(中村のミドルで終えたシーンです)。駒野と違って組み立てに参加するというよりも「機を見た攻撃参加」や「足元でなく、スペースで受ける突破」を試みてました。それはそれでありとは思いますが、もっとセンタリングの精度をあげるかサントスのように「中に切れ込むプレイ」ができないと、得点には繋がらないような気がしてしまうんですよね。

ラトビア戦攻撃チェックA:サイドからのセンタリングの精度と狙いの問題

サイドからの崩しで言うと、この日攻撃的なMFで先発した松井もそんなんですが、結局のところ「ラストパスをどうするか」ってのがジーコ日本代表の問題なんですよね。中田英が試合後のインタビューで決定力不足が課題と言ってましたが、課題はシュートの問題でなく「センタリング」であり、FWやMFがどういうセンタリングやパスならゴールできるかってことをもっと考えるべきだと思うんです。

これも前から書いてますが、その昔、エルゴラッソで金田氏が言うところの「FWが主語となるパス」という問題です。柳沢なり高原が、どういうセンタリングをどの位置で求めて、どのようにシュート打てばゴールとなる確率が高くなるのかってことを考えてプレイしないと、結局はパスを出す側の「アリバイパス」に終始してしまうと思うわけです。「はい俺は兎も角センタリング上げましたんで、あとはFW決めてね!」じゃダメなんです。「俺は高さでは勝てないけど、スペースへの動き出しは負けない。だからニアサイドにピンポイントで早いクロス入れてくれ、コースをちょっと変えるシュート打つから」。こんなFWからの注文でもMFからの提案でもいいですが、要は適当にクロスを放り込んでも意味なしってことです。意味なしってのは言いすぎかもしれませんが、もっと狙いをもって最後のところを勝負してほしいってことです。まぁラトビア戦でそのようなシーンがなかったわけではありません。後半18分に左サイドで中村がボールをキープし、ニアサイドへ早いセンタリングをピンポイント上げた場面がありました。確か柳沢が走りこんでいたように記憶してますが、この狙いと意図はわかります。要はその試合に出ているFWの特性を生かした攻撃をしてほしいってことです。背の高いFWがヘッドで勝てそうなら、それを狙うべきだし、高さで勝てないならスピードなどで勝負すべきということです。まぁ当たり前ですが。

ラトビア戦攻撃チェックB:中央突破。クサビのパスと縦のポジションチェンジ

中央突破について。2点目の柳沢がPKをもらったシーンが顕著でしたが、この試合も中央からの突破は利いてました。中田や中村から縦へのクサビのパスが有効で、ここからチャンスとなることが多々ありました。PKをもらったシーンを振り返ってみますと、このシーンは中村の高原へのクサビパスから始まってます。高原がボールを受けて前を向いて中田英へパス。中田英がヒールで流して柳沢がパスを受けてドリブル突破。PKという感じでしたが、特に「中田英」がゴール前にいて数的不利にならなかったというのはポイントだったというところでしょうか? 




                       ●ラトビアDF
                           ○柳沢  ●ラトビア
                  ●ラトビアDF    ○中田英
                     ○高原




                           ↑クサビパス                 
                           ○中村

この試合、中田、中村、松井のポジションは流動的でラトビアのDFを混乱させてましたが、特に中村が下がって空けたスペースを中田と松井がうまく使う「縦のポジションチェンジ」が利いてました。もともとラトビア守備陣が、最終ラインと中盤の間のスペース(バイタルエリア)をケアしてなかったこともありましたが、中村が意識的に下がることでこのスペースを空けたということもあったわけです。で、その空いたスペースをうまく使っていたのが高原。このPKをもらったシーンでも中村からのクサビパスを受けたわけですが、その後、すぐに「前を向いて」ゴールへ向かっていたのは評価したいですね。まぁ簡単に前を向かせたラトビア守備陣がダメという噂もありますが。高原は先制点となったロングシュートも見事でしたが、それ以外にも下がってクサビパスを受けるプレイがほんと光ってました。柳沢との関係もよかったと思います。まぁもっと強引にシュートを狙ってもいい場面があったと思うので、そこはなんですが。

シュートと言えば、中村のミドルシュートはよかったですね。まぁ惜しくも入りませんでしたが枠内に飛んでましたし、狙う位置もよかった。得点の匂いがしてました。ただ中村以外の中田英、松井にももっとミドルシュートを狙ってほしかったですね。中田は1本ありましたが苦し紛れのシュートいう感じでしたし、もっと「ミドルを打つイメージをしたプレイ」をしてほしいなぁと。松井に関しても同様。確かに運動量は多かったし、チャンスメイクもしてました。すばらしかったと思いますが、2列目の選手として考えるとシュートももっと打たないと厳しい。特にこのラトビアのような引いた相手に対する時は、ミドルシュートというのはかなり重要だと思うので。

ラトビア戦守備チェック@:プレッシングとリトリート。茂庭がシガンに見えた日

最後に守備について。前半38分にこんなシーンがありました。ラトビアがカンターで中央からドリブル突破に対し茂庭が止めに行ったのですが、ヒールパスで繋がれ、簡単に中央を突破されて、左サイドのベルバコフスキに繋がれ決定的な場面を作られたシーンがありました。まぁ失点には結びつきませんでしたが、あのシーンの茂庭の対応はあまりにもお粗末でした。そこは中途半端に前に出ないで、リトリートして陣形を整えて中盤の返りを待つのが定石ではなかったかと。このような状況に応じた「プレッシングとリトリートの判断」については以前も書きましたが、もっと個&組織でそのあたりを徹底すべきではないかと思いました。まぁラトビア戦は急造DFだったわけで、そのわりによくやっていたとは思いますが。守備全般に関しましては前半はカウンター、後半は放り込みに苦戦してました。まぁ後半の放り込みに関しては、DFよりもセカンドボールに対する中盤の守備のが問題ありだったような気がしますが、やっぱ中澤のような高さに強いDFがジーコ日本代表には必要ということでしょうか? あと失点したセットプレイの守備のまずさは相変わらずでしたね。ゾーンで守るかマンマークで守るか、その併用かという選択肢があると思いますが、やっぱマンマークの徹底でしょうか?ミランでは選手が話し合って「ゾ−ン」にしたらしいですが、ジーコ日本代表でもそういった話し合いの場を作るべきでしょう。って何度も話してる?

 あと、大久保についてですが、まぁ試合に出たときの出た状況が状況だったのでなんとも言えないところもありますが、もしかしたらプレイスタイルがジーコの掲げる「ポゼッションサッカー」と合わないのかもしれないと思ったりして。まぁ玉田とか本山みたいなドリブラーは絶対に必要だと思うんですが、たとえば下がってクサビを受けるとか中盤との連携面が、どのくりあできるのかがポイントとなるのかもしれません。ジーコ日本代表がもっとカウンターとかやるなら、必要な選手だとは思うのですがね。

もひとつ最後に。ラトビア戦の中田浩二のミスパス、ホンジュラス戦の中田英のミス、その昔のコンフェデのコロンビア戦での宮本のヒールパスミス。これは個のミスではありますが、ジーコの掲げる「ポゼッションサッカー」ならではのミスでもあると思う次第です。82年のジーコがいたときのセレソンが、バックパスのミスからイタリアに負けているわけですが、それと今の日本代表のミスの関係は偶然でもなんでもないって思うんですよね。もちろん、気をつければ避けられるミスではあると思いますが。

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アレグリ
2005/10/10 23:02

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
意味があるかは今後次第であるように思える結果でしたね。両チームのがんばりからすれば妥当な結果にも思えます。警鐘が鳴っていることに気づかない評論家は「紅白戦」とか酷評してましたが。

コンビネーションはおいとくとして、個の攻撃性が国内組と海外組では雲底の差であるように見えました。本番で前線が全員海外組でも不思議はないでしょうね。センタリングにメッセージがないってのはまさにその通りです。自分も見ててなんでそんなセンタリング上げるねんっ!?と言いたくなります。中村だけは上げた瞬間に得点の匂いがぷんぷんでしたが。

ただ、上を読んで気づいたのですが、ラトビアの戦い方ってまんま昔の日本じゃ……個で劣るチームが組織プレイでしのいで疲れが出てきた後半勝負。日本が欧州の中堅国相手に個で上回る時代が来たのか。

代表だけではなく日本全体がそうだと思うのですが、前後半開始と終了5分の戦い方がまだ真の強豪国に比べてぼんやりしていると思うんですよね。そのあたり、次のウクライナ戦では鍛えれそうですので、何とかして欲しいです。
小野は見たかった……サイドチェンジが。
RR
2005/10/10 21:46
>>RRさんへ
いつもどうもです。ラトビア戦はアウェーでしたが、そもそもドイツW杯自体がアウェーみたいなものというのは、ここでもう一度認識しておきたいところですね。で、「前後半開始と終了5分の戦い方がまだ真の強豪国に比べてぼんやりしている」にも関係しているかもしれませんが、いままでのジーコ日本代表は、基本あまりアウェー&ホームという意識なしに戦ってきましたがW杯でどうするのでしょうかね? ラトビア戦はアウェーの戦いとすると得点の取り方は理想的だったと思いますが、やはり2−0からの戦い方が…ってところでしょうかね。ウクライナ戦楽しみです。
doroguba
2005/10/10 22:10
ジーコ日本代表の東欧遠征「ラトビア対日本代表」雑感  必然のミスとサイドからの組み立て doroguba*footballcolumn*/BIGLOBEウェブリブログ
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