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zoom RSS ジーコ日本代表の総括C 4年間の守備戦術の総括−ゼ・ロベルトと中田英−PART@

<<   作成日時 : 2006/07/21 21:08   >>

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■ゼ・ロベルトのインタビューで語られていることが、ジーコ日本代表の守備の問題点&W杯での敗因!?

──まず確認させてください。あなたはブラジル代表でボランチ(Volante)ですか?
 「その通り。今の私のポジションは、ボランチだよ」
──でも、本来は左ウィングですよね?
 「本当は左ウィングの方が好きだ。でも、ブラジル代表としてプレーできるのは最高の喜びなんだ。だから、どのポジションで出るかは関係ない。'98年W杯のときはメンバー入りしたけど、1試合しか出られなかったからね。そういう悔しさはもう味わいたくない。今度こそ、レギュラーとしてW杯に出たいんだ」
──守備の面で不安はない?
 「おいおい、私はブラジル人なんだぜ。日本人の視点で見ないでくれ。たとえばコンフェデ杯で中田英寿はボランチの位置でスタートしたけど、ガンガン上がってきて守備をしてなかっただろう? 彼はボランチではない。だが、私は違う。攻撃だけでなく、守備だってできる。それがブラジルと日本選手のキャパシティーの差だ」
──ついつい日本基準で考えてしまいました。
 「まあ、ヨーロッパでも誤解されることはある。『ゼ・ロベルトは攻撃しかできない』ってね。今年夏のコンフェデ杯では、そのイメージを変えることができたと思う。ブラジル人は、いろんな状況に柔軟に対応できる。悪く言えばルーズだが、良く言えばフレキシブルということ。それがブラジル流のキャラクターだ。もしスープをかき混ぜるものがなければ、木の枝だって使う」
 システム変更に伴って、ボランチにコンバートされたのがゼ・ロベルトだった。パレイラは、'94年W杯でMFのレオナルドを左サイドバックにコンバートしたことがあり、選手の潜在能力を見抜く目には定評がある。監督の期待どおり、ゼ・ロベルトはあっという間に代表に欠かせないボランチに成長した。
(中略)
──現在のセレソンでのボランチの役割を教えてください。
 「まずは守備だ。ご存知のとおり、ブラジルの攻撃陣はずば抜けている。ロナウド、アドリアーノ、ロナウジーニョ、カカの4人が前にいる。私とエメルソンの2人のボランチは、パレイラ監督から『まず守備をやれ』と指示を受けている。さらにブラジルはサイドバックも積極的にオーバーラップするから、いつも守備で忙しいんだよ」
 ゼ・ロベルトは、ペンをとってノートに布陣を書いて説明してくれた。前の4人は前へ攻め、サイドバックも前へ上がる。だからセンターバックの2人と、ボランチの2人は残って守備をしなければいけない、というのがパレイラの決まりごとだ。エメルソンがやや下がり目で、ゼ・ロベルトがやや前目に位置するが、最優先すべきは守備であることは変わらない。http://number.goo.ne.jp/2006/e/column/000230/

ブラジル代表のボランチであるゼ・ロベルトのインタビューです。このインタビュー以前に読んだ記憶があったんですが、ここ数日ジーコ日本代表の守備戦術の総括しようといろいろ考えたり調べたりしていて思い出したのがこれでした。このゼ・ロベルトのインタビューで語られていることが、ジーコ日本代表の守備の問題点&W杯での敗因であると思いました。「中田英がゼ・ロベルトになれなかった」「ジーコが中田英にゼ・ロベルトのような守備を求めなかった」のがW杯での敗因。現時点で私がたどり着いた答えです。

中田英&宮本のTV番組が放映され、「高いライン」「低いライン」の問題が噴出しているみたいですが、それを踏まえた細かい守備戦術を決めることができなかったジーコの責任は当然あると思います。攻撃と違って守備では「決まりごと」「規律」が必要だと思うんですが、そういう細かな守備戦術を最後までジーコは提示できませんでした。

現チェルシーのモウリーニョ監督が通訳&アシスタントコーチからそのキャリアを始めたのは有名な話ですが、「バルセロナ時代にロブソン監督は攻撃戦術を担当し、私は守備を担当していた」とインタビューで答えてます(ワールドサッカーEXTRAだったか)。サーボビーロブソン監督とはいわずと知れたイングランド代表やバルセロナ、ニューカッスルなどのチームで指揮した名将ですが、モウリーニョの話では守備についてはあまりコーチングしてなかったみたいです。たぶんジーコも同じようなものだったんでしょう。

もともと攻撃手出身の監督というのは攻撃的采配では光るものがあっても、こうした守備面の戦術的算段について不得手な人が多い。生来のセンスとでも言うべきものなので、いまさら改善することもないだろう。守備面の補佐役を入れるべきである。
 http://blog.livedoor.jp/znet/archives/17262583.html

人気ブログランキング上位のZ-netさんがアジアW杯予選のイラン戦の後に以下のように述べられてます。ジーコは当初から守備コーチを招聘したい意向があったという噂も聞いたことがありますが、結局、最後まで守備面の補佐役を入れることはありませんでした。

■宮本論、中田英論! アジアW杯予選イラン戦の前後のプレスの位置の問題を、ドイツW杯まで引きずるということ

思えばジーコ日本代表の守備面の大きな問題が露呈したのが、この2005年3月下旬に行われたアジアW杯予選イラン戦の前後。例の「中田と福西のプレスの位置をめぐる事件」が起こっているのですが、結局、最後までこの問題を残したままジーコはドイツW杯を迎えこととなります。

ここで、時間軸をドイツW杯の直前合宿まで進めます。

●福西崇史選手(磐田)
「昨日はみんなで話し合いをした。結論には至らなかったけど、思っていることを話した。時間的には20〜30分くらいかな。トレーナーズルームにみんなで集まって。結論が出る問題でもないし、紅白戦に関してああだこうだという話をした感じ。何が正しいということもなく、一つになるためにみんなで意見を出し合って考え方を近づけていきましょうということだった。後ろの意見としてはプレスに行ってほしい、前の人はもっと前に行きたいという感じで、意見にズレがあったのも事実。やるならどちらかにあわせる必要があるし、ドイツ戦でみんなで一緒にやって形を出せればいい。とにかくバラバラにならないようにすることが肝心。自分は後ろも前も見なきゃいけない。両方の意見を考えながらプレーしたい」http://www.jsgoal.jp/news/00033000/00033727.html

W杯直前の5月30日に緊急ミーティング。プレスのやり方についての結論は出ず。福西の「とにかくバラバラにならないようにすることが肝心」という言葉が、今思えばキーワードでありました。予選のイラン戦からW杯本線までなぜに意見がまとまらなかったんでしょうか? まぁ一言で言えばジーコがまとめられなかったからですが、お馴染みスポナビの中田徹氏のコラムのように練習を通して「詳細を詰める」ことが理想でした。

――監督は経験を積んでいるし、理論もあるので答えは分かっている。選手が間違った答えを出したらどうする?「(選手の答えた方法で)やらせるんですよ。必ず何らかの結果が出てくる。1回成功しても3回ボールを取られた。失敗。『お前ら、今こうやったよな。どう?』。自分の引き出しはまだ出さない。『組み立てのリスクは低いか、高いか?』。リスクは高い。『じゃあ、もっといい方法はあるか?』と聞く。こうして良くなる=向上=練習の目的達成。そこがコーチングです。トップのコーチは誘導、聞くだけ。でもそれは戦術的にマニアックで自分の引き出しを十分持ってないとできない。それができたらトップコーチ。ファン・ハール(現AZ監督)がそうです。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/0506/holland/column/200606/at00009290.html

中田英と福西、宮本が「ラインの高さ」で揉めたこと自体はじつはそれほど問題ではなく、それをこういうコーチングをしながら1つのまとめて答えを導き出すことが必要でしたが…その役目をする人がジーコ日本代表には残念ながらいませんでした。ジーコなり守備コーチ(がいたなら)がこれを行うのが理想でしたが、私はこの役目を宮本が行って「一応の形にするのだろう」と期待してました。で、その基本路線は中田英の主張でなく宮本の主張で終わるだろうと思ってました。その理由はこちらのエントリーの通り。「1人余る守備」というお題目の上では、理論的に宮本のやり方が理にかなっていると思っていたからです。ですが、宮本は残念ながらまとめられませんでした。そこまでの権力がなかったんでしょう。今思えば、宮本はもっと強気で意見を押し通すべきだった気がします。

(オマーンのドリブル突破について)FWとDFのラインが空いていた。個人技があるので、スペースがあるとやられてしまう。そういうときは、もっと前線が下がっていないと。(合宿での守備の練習では)市原ユースと対戦したときは、もっと前へという意識でやったけれどうまくいかなくて、鹿島ユースとやったときにはラインを下げて迎え撃つという守備ができた。(そうした方向性は)選手同士の話し合いで決めて、ジーコにも話している。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200410/at00002856.html

これは2004年の10月のオマーン戦後の宮本のコメントです。「ラインを下げて迎え撃つという守備ができた。(そうした方向性は)選手同士の話し合いで決めて、ジーコにも話している」と言ってますが、コレ読むとわかるように、この時期は完全に宮本が主導で守備構築を行ってました。私はこんなやり取りなどから考えて「宮本が守備戦術の全権をジーコから得ている」と思っていたのですが、話はそんな簡単ではなかったんですよね。

■ジーコ日本代表の「3バック」「4バック」を考察!? 中村にとっての「3−5−2」と中田英にとっての「3−5−2」の違い

ここでちょっと話を変えます。宮本主導のこのオマーン戦のシステムは「3−5−2」でしたが、ジーコが「4−4−2」と「3−5−2」を使い分けるようになったのはいつからでしたっけ? 国内組は慣れた「3−5−2」、海外組がいるときは「4−4−2」という感じでスタートさせたと思うのですが、アジアW杯予選を戦いながらその2つのシステムをうまくミックスさせるようになりました。試合の途中で「3バック」から「4バック」への戦術変更も使うようになります。コンフェデ杯ではメキシコ戦は「3バック」で戦い、その後2試合は「4バック」で戦いました。手持ちの駒や対戦相手から「3バック」「4バック」を使うようになった感じでしたが、私には「3バック=現実的・ちょい守備的」で、「4バック=バランス型・攻撃的」なように見えてました。もっと言えば「3バック=カウンターサッカー」「4バック=ポゼッションサッカー」という感覚?

それを踏まえてジーコがW杯をどちらで戦うのかには個人的に注目してました。現実的に戦うのか、それとも攻撃的に戦うのか? 要は「3−5−2」と「4−4−2」のどちらを採用するのか注目していたんですが、私はジーコが「勝つため」「負けないため」に現実的な3バックで戦うだろうとなんとなく思っていたんですが、案の定とそうなります。「3−5−2」の採用。基本は守備的に戦って、カウンターやセットプレイからゴールをもぎ取って「泥臭く勝つ」という戦い? まぁそのあたりの感覚は人それぞれだと思いますが、攻撃のキーマン中村もたぶん同様だったのでしょう。W杯直前のドイツとの親善試合の後こんなこと言ってました。

とにかく相手がでかかった。4−4−2の場合は、中盤でパスをつなぎながら攻撃できるが、3−5−2の時はこちらが引いてプレーする時間帯が多くなる。アジアカップの時がそうだった。少ないタッチでゴールに向かう、そのイメージが今日はできてよかった。 http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200605/at00009245.html

「アジアカップの時がそうだった」と中村が言ってますが、私もそう思ってました。たぶん、宮本も福西もアジアカップを経験した人は同様だったのでないでしょうか? ですが、その大会を経験してない人たちもジーコ日本代表にはいました。彼らの頭の中には「アジアカップの残像」はたぶんありませんでした。中田英の「ラインを高く案」は、そんな背景から出てきたところがあると思ってます。まぁアジアカップのことは知っていてもそれはそれ、常日頃から「高い位置でプレス案」を実践したいと思っていたというのが正しいかも知れません。ヒデメールにもそんな主張を感じられるものがあったんで、たぶんこの4年間ずっと思っていたことなんでしょう。アジアカップをイメージする中村(&宮本)、それと関係なく「ハーフカウンター」という自分の持ち味を出したい中田英。W杯直前の合宿でこの2つの戦術が浮かび上がるわけですが、それにたいしてジーコはどちらを採用することを決断したのでしょうか?

そもそもジーコはどちらをイメージして「3−5−2」にしようとしていたんでしょうか? そのあたりの狙いはジーコの口から語られてないのでわからないんですが、たぶん「両方採用したい」が答えだったのかなぁと個人的には思ってます。というか最初はアジアカップをイメージしてたけど、ドイツとの親善試合を得て変わったというのが正解かもしれません。

強豪ドイツ相手に2−2のドローと健闘した試合で、高原が2ゴールして中田英はボランチの位置からの攻撃参加からのチャンスメイクする大活躍をすることになります。試合後の中田のコメント。

2−0から追いつかれて残念。でも今は結果よりも内容が大事。反省点も分かった。収穫のあるゲームだった。できた部分は、ゴール前で決定的なチャンスを何本も作れたこと。パス回しをきちんとやれば、強い相手であってもいいサッカーができることは自信になったと思う。
 このチームになって、最高のゲームだったと思う。反省点はやはりセットプレイ(での失点)。いくら練習しても、これでいいというものは、見いだせない。パーフェクトは無理だと思う。細かいところを修正していく必要がある。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200605/at00009245.html

「最高のゲーム」だったと中田英は言ってますが、上の中村のコメントと比較してみると納得しているのは中田英のほうであるというのは明らかに見えます。

中村の考え:「3−5−2はアジアカップ。4−4−2みたいにパスを回せないので、少ないタッチでゴールに向かう」

中田英の考え:「パス回しをきちんとやれば、強い相手であってもいいサッカーができる」

■ジーコ日本代表の3−5−2が、中村を中心としたアジアカップスタイルから変化した時

この試合を見たときは中村と中田英の2人でうまくポジションチェンジして中盤を活性化しているようにも見えましたが、よく考えれば単純にカウンターサッカーで力が発揮できるのはどちらかと考えると、それは中村でなく中田英なんですよね。極端に言えばプレイスタイルの違いとでもいいますか。で、ここでポイントだったのが、ジーコ日本代表の「3−5−2」が「中村を中心としたアジアカップスタイルから、中田英を中心としたドイツ親善試合のスタイルへの変化」の兆しを見せたということだったと思うんです。まぁこれはあくまで私の考えで、ジーコがどう感じたかわかりませんが…。PARTAへ続く。
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doroguba*footballcol...
2007/01/16 21:07

コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
今夜、WCの番組を久米宏と鈴木通訳が進行役でやってました。途中から観たのですが、クロアチア戦でジーコが「引いて守れ・ポゼッション優先で攻めろ」という指示を戦術的指示としては初めて出したらしいです。断片的で申し訳ないですが、また喧々諤々になりそうですね。それと、ジーコはやはり一般的な監督・コーチ・トレーナーというような視点・立場でやっていなかったと思います。適切な言い方ではないですが「かつて卓越したボールプレーヤーだった先輩」のようなものかなと思います。
Mario
2006/07/21 21:47
いつも楽しんで読ませてもらっています。
細かいことで恐縮ですが、当エントリー「で、その基本路線は中田英の主張でなく宮本の主張で終わるだろうと思ってました。その理由はこちらのエントリーの通り」の「こちら」はリンクがあるのでしょうか?それとも本エントリーのことでしょうか。

久米の番組観ました。クロアチア戦のジーコの指示。「ボールを奪われてもプレスに行かず、いったん帰陣して体制を立て直せ」ということですね。
puyol
2006/07/21 22:31
>ボールを奪われてもプレスに行かず、いったん帰陣して体制を立て直せ
そういうことです。体力を無駄に使うなという意味がある聞きました。
Mario
2006/07/21 23:18
「こちらのエントリー」のリンク、ありがとうございました。>dorogubaさん

大半がアレな内容でしたが、鈴木通訳によるジーコ発言の部分は興味深く、
その部分をもっと押し出してほしい内容でした。>Marioさん
puyol
2006/07/22 23:35
>Marioさんへ
久米宏の番組は見逃したんですが、いろいろな新事実がわかったみたいですね。増島さんのジーコ本で本人がいっているように、総監督的なポジションが理想なんでしょうけどね。
>puyolさん
ご指摘ありがとうございました。これからもよろしくです。
doroguba
2006/07/24 22:12
ジーコ日本代表の総括C 4年間の守備戦術の総括−ゼ・ロベルトと中田英−PART@ doroguba*footballcolumn*/BIGLOBEウェブリブログ
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