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zoom RSS 【ポエム】クールの誕生

<<   作成日時 : 2010/07/15 01:54   >>

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岡ちゃんのように見えた。
少なくとも、非常に似ていた。

電車の中。眠かったけど、目が覚めた。それくらい似ていたのだ。

誰も気がついてないみたい。しまった。目があってしまった。バレたか?

すると、その岡ちゃんに似た人は、急に大声で歌いだした。

「お仕置きはどっちがいい? 冷たいのと熱いの?」って。

ビクッとした。おれだけじゃないよ、みんなビクッとしたんだ。

ただ一人だけ、岡ちゃんの隣に座っている、ひどくくたびれた女の人だけは、岡ちゃんの歌声に驚くこともなく、ずっとXperiaをいじっている。

軽快にタッチパネルを操作している。ただ動かしているだけみたいだが、外見はひどくくたびれているのに、やたらと軽快だ。

すると、今度は岡ちゃんが独り言を言い出した。

「はい、いいですか? いち、に、さん、ダー!」

一瞬にして電車の中は静かになった。

ワン、トゥ、スリー

が、その静けさにガマンできなかったんだろう。ピカチュウのTシャツを着た男の子がすぐに話し出した。

「お、お母さん。猪木の真似だよ。猪木だ。ぼくわかるんだ、あれが猪木だって」

「シー。ヒデちゃん静かになさい。失礼よ。申し訳ございません。うちの息子が失礼して」

ひどく丁寧な感じのお母さんらしき人が、物腰低そうに謝ると、岡ちゃんはちょっぴり頷いたようだ。

Xperiaの女はまだタッチパネルをいじっていた。

「長友に今野、そして森本! 行け」

いきなりまた叫んだ。猪木のままだ。さっきより声は大きい。

その叫び声を聞くと、さっきの子供は今度は泣き出してしまった。

おんおんおんおんと泣いている。

うるさかった。ちょっとイラついた。

Xperiaの女の指も止まった。何か考えているようだ。綺麗な指だった。

ワン、トゥ、スリー

愛してるって言えないなんて

愛してないのと同じだと思う

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