モウリーニョのサッカー③ ~バイブル①~

「私は、その“バイブル”を見る必要がない。毎日ジョゼと一緒に仕事をしているからで、そうしていると、彼がこの2シーズンに大成功を収められた理由も分かる。練習の度に、彼は非常に周到な準備を行う。選手たちはいつも、相手がどういう戦いをしてくるか、そして自分たちの戦い方についてどういう予想をしているかについて、理解した上で試合に臨んでいる。これが肝心だ」
                   (アシスタントマネージャー・スティーブ・クラーク氏のインタビュー)
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=8192/newsId=280082.html

 ポルトガルリーグのポルトで、チャンピオンズリーグ、UEFA杯にポルトガルリーグ制覇という偉業を収めその手腕を買われて、今年からプレミアリーグのチェルシーで指揮を取っているモウリーニョ監督。なぜに勝てるのか? タイトルが取れるのか? モウリーニョ監督の手腕を探る第3回。

 冒頭で現チェルシーアシステントコーチであるスティーブクラーク氏のコメントを紹介したが、まずこのコメントで出てくる「バイブル」について。Numberの記事には以下のように紹介されている。

>戦術に関する文献からトレーニングマニュアル、監督論、心理学のテキストに至るまでありとあ
>らゆる知識を吸収してきた。加えて、メモ魔としても知られるとおり、試合や練習のたびにアイデ
>ィアを書き留めている。絶えず更新されるこれらのファイルは「バイブル」とも呼ばれるもので、
>彼のキャリアの集大成となっている。
        (Number621 2/24発売号 ジョゼ・モウリーニョ「勝利はこうして導き出せ」より)

 「メモ魔」モウリーニョ。先日行われたエバートン戦。モウリーニョ監督が選手交代時に自分の書いた「メモ」を交代選手ヤロジク持たせ、ピッチ上のチアゴに渡した映像がTVに写し出されたのは記憶に新しいところ。まぁそのメモの件はこの際置いておいて、モウリーニョは「バイブル」と呼ばれる戦術書を駆使し、非常にロジカルに自分のチームを作り上げているようだ。それは選手のメンタル面や体調面に関しても同様のようだ。

 「ブレックファースト制」とモウリーニョが呼ぶ制度がある。
 朝食をみんなで食べるというなんてことない制度だが、まぁ、いわゆる選手の食事管理。選手の体調を考えた食事管理方法は、その昔、日本のプロ野球で某監督が行っていたのと同じような発想でしょう。食事についてはアーセナルのベンゲルもかなり重要視しているが、モウリーニョもしかりと言うところ。
 食事のみならずもちろん選手の生活もチェックしている。今、ユベントスのムトゥがチェルシーにいたころ、モウリーニョは素行調査の書類を提示し、ムトゥに生活の節制を訴えたと言われている。
結局ムトゥはその後、ドラッグ問題でチームを去ることになるのだが、彼がモウリーニョの元でほとんど試合に出ることがなかったのは自己管理(体調の面)の問題だったと言われている。
 最後に、体調と言えば、怪我空けの選手の実戦復帰に対しても、モウリーニョは慎重だ。
今期シーズン開始前にダフ、ロッベンが、シーズン中にドログバが怪我したが、彼らが怪我から治っても無理して試合に使うことはなかった。先週、カルバーリョが怪我から復帰したが、ロスタイムから出場させたのはいかにもモウリーニョらしい。

 こんな感じで、食事、生活、怪我などなど選手のコンディションに気を使うモウリーニョだが、それ以上に気を使っているのが選手のメンタル面、モチベーションについてだ。

>「一番大切なのはモチベーションだ。この世界には、モチベーションを高める能力があるのにあ
>えてそれを避ける人間もいるし、逆にモチベーションを高く持ちたいと思ってもどうしてもできな
>い選手もいる。チームにとって必要なのは、そのどちらでもない。モチベーションを高めることが
>でき、かつ自ら積極的にそれを行っていこうとする選手だ」
         (Number621 2/24発売号 ジョゼ・モウリーニョ「勝利はこうして導き出せ」より)

 「勝利への執念みたいなものを引き出してくれる。みんなで一丸となってね」と今月のWSDインタビューでランパードが言うように、選手の意識が変わったのは事実だろう。キャプテンであるジョンテリーを中心に、本当によくまとまっているように見えるし、実際にそうだ。
 今年のチェルシーで驚くべきは、控え選手の不平不満がほとんど聞こえないこと。
スカパー解説の東元氏がうるさいくらいに言うように、厳格なモウリーニョ体制のもとで不平不満が
外に漏れないのもチームがまとまっている証拠。
 その方法論は彼の「バイブル」の中にいろいろ書いてあるのだろう。例えば試合直前のピッチに出る前に選手全員ハドルを組み、選手一人ひとりが順に輪の中心に入りシャウト。試合に志気を高めて臨むなんてのもその1つだ。まぁこれはどこのチームでも行ってることでしょうけどね。

 最後に、モウリーニョがチェルシー就任時に選手に贈ったある言葉でこの項終了。Numberの記事によると、ポルトの時にも選手に渡したとされる手紙の最後には、こう書かれていたという。

 「モチベーション+野心+チームワーク+精神力=成功」
                                               その4へ続く  

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