湯浅氏の「バイエルン評」から考える、ドイツサッカーへの提言

バイエルンVSチェルシー戦。
 ドイツサッカーのプロライセンスを持つ湯浅氏がこの試合をどう見ていたのか? 氏のコメントが聞きたかったのですが、自信のHPでなくこちらで少し書かれてました。

>今週の火曜日にミュンヘンオリンピックスタジアムで行われたチャンピオンズリーグ準々決勝の
>第二戦でも、そんな底力を見せつけた。秩序がとれたポジショニングバランスを基盤に、忠実で
>効果的なチェックやボールがないところでの忠実マークなど、抜群に安定したチェルシー守備ブ
>ロックを相手に、最後の最後まで果敢に攻め続け、結局ショルの決勝ゴールで勝利を手にした
>のである。得失点差で涙をのんだとはいえ、決してあきらめずに最後の最後までリスクにチャレ
>ンジし続けた粘りのプレー姿勢は見事としか言いようがなかった。

> この試合でのバイエルン・ミュンヘンは、チェルシーの4倍近くのシュートを放ち(枠内シュート
>では2.5倍)、5倍以上コーナーキックを蹴り、6割以上もボールを支配した。でも結局は、2ゲ
>ームトータル成績で、試合巧者ぶりが際立つチェルシーの軍門に降ってしまった。もちろん、高
>質なソリッドサッカーを展開したチェルシーは勝者にふさわしいチームだけれど……。

>「試合後の記者会見でフェリックス・マガトも言っていたけれど、決してバイエルンはチェルシー
>に劣っていたわけじゃない。まあ、第一戦の出来が悪すぎたことが決定的だったということだ
>な……」。試合後に電話で話した友人のドイツ人ジャーナリストが、そう悔しさをにじませてい
>た。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/germany/column/200504/at00004492.html

 要はチーム力はどっこいどっこいだが、第1戦の出来が悪すぎた。動きはよかったし最後の最後まで諦めない姿勢は評価に値する。チェルシーのが試合巧者だったというところでしょうか。

 セカンドレグの放送中にスカパー解説者の粕谷氏がこのようなこと言ってました。
「昔リネカーが、言った言葉でこういうのがある。フットボールは11人対11人でするものだ。 だが最後に勝つのはドイツだ。」
 名言という感じですが、いわゆるドイツの「ゲルマン魂サッカー」は、この「最後に勝つこと」がポイントだと思ってます。諦めずに追い上げることも、もちろん素晴らしいしスゴイのですが「最後に勝つのはドイツ」と言うように「勝つこと」が大事なわけです。まぁこれについては、いろいろ意見があると思いますが。まぁそれはおいておいて。
 このバイエルン戦、チェルシーファンの私としては、もう少し苦戦するのではと思ってました。十分苦戦したではないかって? 確かに最後の最後のロスタイムで2点返されたのはやばかったですが、まぁバルセロナ戦とかと比べればそうでもなかった。バルサとバイエルンを比較するのはナンセンスかもしれませんが、ロッベン抜き、フェレイラ抜き、モウリーニョ抜き、そしてファーストレグでバラックへのプレゼントPKがあってのあの内容ですから。まぁ、もちろんバイエルンの方もFWなどのキープレイヤーに怪我人が出ていたので、その影響はあったと思いますが「それほど怖くなかった」のは事実。なぜか? たぶんそれはマガト監督がやろうとするサッカー、しいてはドイツブンデスリーガがやろうとしているサッカーが「想定の範囲内」だったというところと思う次第です。

>攻守にわたる組織プレーによって、選手たち個々の才能を基盤にしたシナジー(相乗効果)を
>極限まで高揚させるというドイツ的ロジック。今シーズンから指揮を執るフェリックス・マガトの
>ウデを感じる。

 確かにマガトはいい監督だと思うのですが「最終ラインを上げて中盤をコンパクト」にして前線から組織的な「プレッシング守備」をして、攻撃ではゼ・ロベルト、シュバインシュタイガーの「両サイドから個人技をベースに仕掛ける攻撃」は見事だったと思いました。が、なんというかその、私にも予想できる戦い方なんですよ。もちろんセカンドレグの1点目のような「ほぼ後ろからアーリークロスでバラックのヘッド」というチェルシーの苦手とするところを突いてきたのはサスガだと思いましたが、組織的に攻撃&守備しても「モウリーニョの頭脳」と「個の力」で上回るチェルシーとすれば、まぁ戦いやすかったと思う次第です。
 チェルシー的に怖いのはロナウジーニョの閃き、そしてわかっていても止められないボルトンの高さ攻撃、そしてギリシャ監督オットーレーハーゲルの「旧ドイツ的な守備組織」(笑)なわけです。
 
 ドイツと言えば皇帝ベッケンバウアー? チェルシー戦をスタンドから観戦している姿がTVに映し出されていましたが、現役時代に彼のやっていたポジションは?? 
 同じく好調シュツッツガルトの監督のザマー。湯浅氏のコラムで「天才プレーヤーから優れた心理マネージャーへ」と称されているザマーですが、彼のポジションも皇帝と同じ。そうです、今はあまり見られない「リベロ」というポジションでした。
 リベロについてはこのサイトで詳しく書かれていたりしますが、専門的に言うとどうも小難しくて私には理解できないところもあります(笑)。
http://www.fujix.co.jp/varietyfootball/archive/source_01.html
http://www.fujix.co.jp/varietyfootball/archive/detail_05.html

>同じ年の1974年ドイツ大会で西ドイツも同様に4-3-3を使ってオランダを倒して優勝している。
>しかし西ドイツのシステムはオランダのそれとは全く異質のシステムで、3人のストッパーの
>後ろで攻守に渡りゲームをコントロールする攻撃的なリベロシステム<図(13)>を使いベッ
>ケンバウアーという選手を最大限に生かすように配慮されていた。オランダのそれがクライフ
>を前提としたシステムだったことに対し、リベロもまたベッケンバウアーという選手なしには考
>えられないシステムである。

 要は最終DFラインの後ろで1人余って基本的にスイーパー的に守備して、ここぞという攻撃時に
は積極的に攻撃参加して自らシュートも決めることもできる、あまり定位置に縛られることなく自由に動ける「攻守のキーマン」のポジションを指していると理解してます。
 確かに1974年のサッカーのシステムで古いのかもしれません。ラインディフェンス全盛の今に最終ラインリベロなんてとんでもないかもしれないし、「プレスサッカー」が機能しないかもしれません。ですが、ギリシャのドイツ人監督レーハーゲルは、これに近いシステム戦術でユーロを取りました。まぁ純粋にリベロシステムではないですが。
 そしてチェルシーにもミランにも、実はリベロ的な選手がいるんです。ただし、その場所は「最終ラインの後ろでなく、前」なんですがね。もちろんポジション名も違うし、役割もまったく同じではない。
ですが「比較的自由であまり定位置に縛られない」でしかも「個の才能を生かす」ポジションだと思う次第です。

 デミチェリスはよかったです。ですが、バイエルンのそのポジションに「マケレレかピルロ」がいれば、チェルシーはバイエルンにもっとてこずった。もしくは負けていたって気もします。

 脱プレッシングサッカーではないです。プレッシング+リベロだと思うんです。まぁチェルシーは相手や時間帯や状況によって「リトリート(引いて守る)」と「前線からプレス」を使い分けてますが、それを可能にしているのが中盤の守備的リベロ・マケレレがいるからだ、なんて勝手にほざいているわけです。ミランは逆に攻撃的なリベロ=レジスタの存在抜きには語れません。まぁ妄想&勝手な戦術論ですので聞き流してもらってけっこう(笑)。
 ですが、その理論で言わせていただくとバイエルン&W杯までにドイツが必要なのは「新しい形のリベロ」です。そしてその役目はバラック? まぁもともとレバークーゼンでも2002年ドイツ代表でも、そんな感じでしたけどね。

 少なくともブンデスリーガでよく見られる「中盤のスペース消しあい&潰し合いサッカー」は正直もう飽きました。もちろん全否定はしないし、それは必要かもしれませんが、それがすべてとなってはダメでしょう。トルシエだって、やってないですよ。オランダではPSVやAZ、フランスではリヨンにモナコが新しいサッカーしようとしてます。がんばれドイツ。
 あ、もちろんチェルシーがバイエルンに勝ったので言ってます。あしからず。
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