CL準々決勝「チェルシーvsバイエルン」プレビュー① 似たのも同士の戦いは、世紀の凡戦となるか!?

>「バイエルンの長所は、MF陣にある。ブンデスリーガのMFのトップ5は、すべてバイエルンか
>ら選ばれるだろう。だが、マガト監督は、中盤を消極的なフォーメーションにしている。第2戦で
>ゼ・ロベルトが先発から外れたとき、私の心は泣いてたよ。トップ下にダイスラーかショル、左
>にゼ・ロベルトを使うぐらいの大胆さがマガトにはほしい。」
 (Number624号バイエルンミュンヘン「退屈なサッカーを打破せよ」トップメラー氏インタビューより)

 2002年のチャンピオンズリーグで、レバークーゼンの監督としてファイナリストまで進んだトップメラー氏。ですがNumber編集部がトップメラー氏に今のバイエルンについて聞いているのは、その”ファイナリスト経験者”という理由だけではありません。2002年当時のレバークーゼンの主力であったバラック、ゼ・ロベルト、ルシオの3人が、そのまま今のバイエルンのキープレイヤーとなっていることも、その理由の1つなわけです。

 よく「金満チーム」チェルシーと言われますが、このドイツのバイエルンだってお金で選手を集めているのは変わらないところ。FWピサロは元ブレーメンで2001年ブンデスリーガ得点王、おなじくマカーイは元デポルティボでリーガエスパニューラ得点王となった翌年にバイエルンに引き抜かれました。そして先のバラック、ルシオ、ゼ・ロベルトの3選手も、CLで結果出したレバークーゼンからそのまま引き抜いています。そして今シーズン。今度はCLでベスト16に残り健闘したシュッツガルトから、選手でなくその立役者である「監督」のマガトを引き抜いてチームを強化。この補強が当たりました(笑)。モウリーニョをポルトから引き抜いてチーム力をアップさせたチェルシーと同様、今シーズンのバイエルンの強さはこのマガト監督就任によるところが大きいと思う次第です。

 バイエルンは「前線からの組織的プレッシング守備がうまくて固い」。

 今シーズンのバイエルンの試合をちゃんと見たのは、チャンピオンズリーグのアーセナル戦2試合とブンデスリーガのブレーメン戦くらいしかないのですが、その2試合見ての感想がこれ。
 もちろん何でもできるFWピサロ、に決定力あるマカーイ。ドリブル突破などできサイドから崩すことができるSHのサリハミジッチ&ゼ・ロベルトといった、個人技のあるすばらしいタレントも豊富なのですが、このチームの第一の特徴はその「中盤からの組織的な守備力」にあると思う次第です。
 まぁ私なんかよりも、ドイツサッカーに詳しい湯浅氏の意見のほうが参考になると思うのですが、
湯浅氏もそのことについて触れております。

> それにしてもバイエルンは大変な復調ぶりじゃありませんか。フェリックス・マガートの優れ
>たウデを感じます。全員に深く浸透した「主体的な守備意識」・・それを基盤にしたダイナミッ
>クなボール奪取・・そして、その次の瞬間から展開されるダイナミックな攻撃・・フリーランニン
>グ、バス&ムーブのオンパレード・・人とボールが、まさにダイナミックに動きつづける・・そし
>て、クロスからのヘディング勝負、クロスと見せかけた戻し気味のラスト横パスからの中距
>離シュート、スルーパスによる中央突破、サイドからのドリブル勝負&積極シュートチャレン
>ジ等々、「あの」ユーヴェ守備ブロックがタジタジという場面も多い・・ってな具合なのです。
http://www.yuasakenji-soccer.com/yuasa/html/topics_2.folder/04_europe_11.4.html

 今シーズンのチェルシーもモウリーニョの「守備改革」によって「全員(中盤)の守備意識」が高いですが、バイエルンの「中盤のプレッシング守備」はそれ以上かもしれません。私が見たブレーメン戦では、お互いのチームが「中盤を極端にコンパクト」にしてスペースを消しあい、「密集の中で激しいボールの奪い合うシーン」が多くお互い「相手にサッカーをさせない」サッカーをやりあってました。
「ボールポゼッション」よりも「シュートカウンター」という「中盤ガチガチサッカー」というやつです。
 まぁ、チェルシーも「相手にサッカーをさせないサッカー」ではあるのですが、バイエルンのサッカーはチェルシーにも似てますが、それ以上にトルシエが「日本代表でやろうとしていたサッカー」に近いものを感じました。どれも似たようなものじゃないかって? まぁそうかもしれませんが、チェルシーのサッカーは基本的には「ポゼッション志向が強い」とは思っているので、あえて。もちろんポゼッション出来ない場合もありますし、ポゼッションを捨てる場合もありますが。
 あっ、もちろんバイエルンと日本代表では、個々の技術力が違いますし、攻撃のバリエーションも全然違うのですがね。やろうとするサッカーの哲学的には似ているのかなということで。

 それを踏まえて、冒頭のトップメラー氏のコメントに戻ります。

>マガト監督は、中盤を消極的なフォーメーションにしている。第2戦でゼ・ロベルトが先発か
>ら外れたとき、私の心は泣いてたよ。トップ下にダイスラーかショル、左にゼ・ロベルトを使う
>ぐらいの大胆さがマガトにはほしい。

 今シーズンのチャンピオンズリーグの優勝候補は、ミランとチェルシーだと言うトップメラー氏。
 その理由は、どちらのチームも規律があり選手のテクニックもあるから。そしてバイエルンは、ミラン&チェルシーに比べDFシステムがやや劣る、センターバックのルシオとコバチのタイプが似すぎているところが欠陥だと。
 そのような”打倒! 規律クラブ”の切り札として、バラック&ゼ・ロベルト、ダイスラーといった中盤のタレントの良さをいかした「積極的なフォーメーション」を採用し攻撃的で「大胆な」サッカーをバイエルンはするべきだというのがトップメラー氏の意見です。
 確かに中盤のタレントを生かした配置に変えることによって「攻撃的な感じのフォーメーション」にはなるかもしれません。規律で勝てないなら、あえて大胆さで勝負するのも、確かに手であるかも
しれませんが…。まぁふつうにに考えれば、トップメラー氏が言うような「積極的で大胆なフォーメーション」に変てしまうと、当然マガトの目指すところのサッカーそのものが機能しなくなってしまう可能性も高くなります。マガトのサッカーはもちろん「選手個々の能力」抜きには語れませんが、それと同等、もしくはそれ以上に重要なのは「中盤での守備」をベースにした「規律」なわけです。
 トップメラー氏の言う「積極的なフォーメーション」とは、チェルシーで言えばマケレレを外すこと、そしてチアゴを外すことと同じ。トルシエの日本代表で言えば、戸田を外し、中村と中田英を共存させることと一緒だと思うんですよね。もちろんチェルシーはマケレレいないくてもサッカーはできますよ。もっと攻撃的になるかもしれません。

 でもマケレレを外して失うもののほうが、はるかに大きいのはチェルシーファンなら誰でもわかるってことです。
 
 ということで、マガトは「消極的なフォーメーション」を崩さないと思います。たぶんボランチにデミチェリスを使ってくるでしょう。まぁそもそもバイエルンのそれは、それほど消極的には思えないけど。

> 「ユーロで優勝したギリシャ代表のように、まず失点しないように戦うことが、有効になってい
>るのは事実だ。私は2006年のドイツW杯まで、チェルシーのような規律が徹底されたチーム
>が増えると予想している。これでは観客は見ていてつまらない。ドイツW杯の後の、各国のス
>タジアムの観客数はどんどん減っていくだろう。このまま行けばつまらないサッカーで、ヨーロ
>ッパはあふれてしまうのだから。」
(Number624バイエルンミュンヘン「退屈なサッカーを打破せよ」トップメラー氏インタビューより)

 トップメラー氏が言うところの、「つまらないサッカー」チェルシーと「消極的なフォーメーションで大胆さがない」バイエルンの対決は世紀の凡戦となるのか否か? まぁお互い「相手にサッカーをさせないサッカー」に終始すれば、そうなるかもしれませんが、果たして両チームの戦略・戦術はいかに? ちなみに個人的にチェルシーのサッカーはつまらないとは思ってませんし、バイエルンのファンも自分たちのサッカーはおもしろいと思っているのでしょうけどね。

PS:トップメラー氏についてですが、その後監督したハンブルガーSVでのサッカーは個人的にはおもしろくなかった。成績不振で辞任だか解任だかで辞めたのですが、ハンブルガーのファンの方々はどう思っていたのか知りたいところ。ということで、CLのプレビューというより最後はトップメラー批判となってしまいました。プレビュー②も予定してます。
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