CL決勝戦「ミランVSリバプール」プレビュー  3ハーフとウイングの攻防

--不思議ですよね。CLでスペインのクラブが消えあなた方が残った。
「スペインのクラブは消えたものの、スペインの血筋はしっかりと残っています。それがある意味喜びであり、今回、みんなが躍進や奇跡と呼ぶ現象のキーワードかもしれないですね。」Number628号、リバプール・ラファエルベニテス監督インタビューより

さていよいよチャンピオンズリーグ(以下:CL)決勝ですね。

残念ながらチェルシーは敗退してしまいましたが、我がチェルシーをやぶって決勝へ進出するリバプールにはぜひともがんばってもらいたいですね。対戦相手はセリエAの強豪ミラン。残念ながらスクデット争いはユベントスに負けてしまい、今シーズン狙えるタイトルはこのCLのみ。当然、優勝を狙って万全の体制で臨んでくると思われます。ということで、このリバプールVSミラン戦を展望してみたいと思います。

ミラン選手のコンディション不良は、シーズン前から言われていた

まず、ミランについて。シーズン終盤に疲れもあってか、調子を落としている感じのミランですが、まぁこれってシーズン当初から言われていたことでした。クラブ数20にが増えて過密日程となった今シーズンのセリエAの弊害は、絶対にシーズン終盤にくるだろうと言われてましたがまぁその通りとなったわけです。加えてミランの場合、トップ下のカカがこれまたシーズン当初から「今シーズンはコンディションに問題あり」って言われていたわけです。ゴール数が減ったのも、そのあたりの影響でしょう。今シーズンは、ほんとシュートのフカスこと多いもんねぇ。まぁこの人には、まとまった休みが必要なんでしょうが、ブラジル代表があるからご愁傷様。コンフェデなんて迷わず辞退ですよ。
 まぁカカに限らすすべての選手のコンディションは問題ありそうですが、決勝戦ともなれば話は別でしょう。ミランには優秀な医療機関もあるみたいですし。幸い、狙うタイトルはこれ一本に絞られた感じで、アンチェロッティの選手の起用法も迷いはないと思われますが、まずはミランの予想フォーメーションから。

ミランの「4-3-1-2」は4-4-2の対抗戦術

GKジダ、DFマルディーニ、ネスタ、スタム、カフー、MFセードルフ、ピルロ、ガットゥーゾ、FWシェフチェンコ、クレスポ。システムはいわゆる「4-3-1-2」と言われているヤツです。たぶん守備を重視して左サイドにマルディーニだと思うのですが、ここにカラーゼという選択肢も当然あります。攻撃陣はイタリア首相がうるさいから、2トップでしょう。さてこのミランの「4-3-1-2」ですが、今シーズン流行したと言われる「3ハーフシステム」を採用しているところがミソです。以前このブログで「3ハーフは4-4-2対策として生まれたもの」というアンチェロッティ監督の言葉を紹介したことがありますが、まぁそのワールドサッカーマガジンでやっていた「4-4-2システム対策」という戦術についてここで再度おさらいしておきます。まぁ簡単に言えばここでいった「最終ラインと中盤のスペースを埋める対策」ってことです。
図にすれば一目瞭然。まぁ下手糞な図で申し訳ありませんが、こんな感じです。


【ミラン:4-3-1-2システム①:守備編】
                ●GKジータ

●カフー     ●ネスタ   ●スタム    ●マルディーニ   ←最終ライン

                                             ↑
              ●ピルロ                     ←危険なスペース
              ○トップ下(ジェラードみたいな選手)        ↓

     ●ガットゥーソ           ●セードルフ        ←中盤MF
  
 「4-4-2」システムの弱点とも言える「最終ラインと中盤の間のスペース」を、「フォアリベロ的な選手」を配置することで埋めているってのが今の「4-3-3」が流行している理由といわれているみたいです。ちなみに「4-3-3」のチェルシーはこの位置に「守備専門のフォアリベロ」マケレレを配していますが、ミランの場合はちょっと違うのがポイントです。守備専門の選手というよりも、むしろ攻撃的な10番タイプの選手である、ピルロを配しているところがポイントなわけです。ピルロの役割は非常に重要です。守備時においては「危険なスペース」を消し、逆に攻撃時には攻撃の起点となってボールを裁く役割を担います。いわゆるイタリア・セリエAで言うところの「レジスタ」というポジションです。守備に関しては述べたとおりですが、攻撃時にはこの「レジスタ」というポジションは
トップ下とかと比べて相手チームのプレッシャーが弱いので、自由にボールを持てるキープできるってわけです。まぁ例えば、相手チームがふつうの「4-4-2システム」ならば特に。

ミランの「4-3-1-2」攻撃編

守備のみならず、ミラン攻撃陣のシステムも、実は「4-4-2システム対策」となってます。2トップにトップ下という布陣が基本ですが、このトップ下の選手が例の「4-4-2の危険なスペース」を自由自在に突くってのがポイントなわけです。


【ミラン:4-3-1-2システム②:攻撃編】
                ●GKディデク

●フィナン     ●キャラガー   ●ヒーピア    ●トラオレ   ←最終ライン
   ○クレスポ←                   →○シェバ      
                   ↑                          ↑
                ○トップ下・カカ               ←危険なスペース
                                             ↓ 

     ●シャビアロンソ           ●ジェラード        ←中盤MF

 ミランの2トップですが、試合中けっこう左右に開いてスペースを空ける「オフザボール」の動きなど
が多いですが、まぁその中央に開いたスペースをカカがドリブルで突入して、CBを引き寄せてスルーパスみたいな攻撃パターンはけっこう多いです。まぁあとは右サイドのカフーにパスを出してセンタリングからシュートってやつも多いですが。

リバプールの「4-2-3-1」は守備時は「3ハーフ」!?

と、まぁミランの「4-3-1-2」の素晴らしさについて述べてきましたが、対戦相手のリバプール・ベニテス監督をなめてはいけません。当然、そのミラン「4-3-1-2」に対して注文どおり「4-4-2」で向かうわけがありません。たぶん。今シーズン、チェルシーと対戦するときに「3ハーフ対策」としてベニテスは目には目を作戦を展開してます。つまり相手の3ハーフに同様に3ハーフをぶつける「4-3-3」システムを採用するケースがあるということです。とは言っても単純な「4-3-3」でないでしょう。キーマンは中盤のジェラード。攻撃時はCL準決勝のチェルシー戦のように、ジェラードがトップ下に入る「4-2-3-1」、守備時はトップ下からポジションを下げて「4-3-3」の中盤になるという臨機応変な「3ハーフ」で臨むと予想されます。「4-3-3」気味になる場合、中盤の底にはハマンかビスチャンが下がり、カカをケアするという感じになるのではないでしょうか? 図にするとこう。


【リバプール:4-3-3システム①:守備編】
                ●GKディデク

●フィナン     ●キャラガー   ●ヒーピア    ●トラオレ   ←最終ライン
   ○クレスポ←                   →○シェバ      
               ●ハマン                       ↑
               ↑  ○トップ下・カカ               ←危険なスペース
                                             ↓ 
     ●シャビアロンソ           ●ジェラード        ←中盤MF
                              ↑

リバプールの「4-2-3-1」システム攻撃編

一方攻撃時は「4-2-3-1システム」となるリバプールですが、これはミランの2トップと違ってサイド攻撃を重視したシステムとなっています。ワントップにシセもしくはバロシュ。左にリーセ、右にルイスガルシアってのがたぶん一番考えられるスタメンですが、ポイントは両サイドのウイング。彼らがミランのSB相手に一対一を仕掛けて、個人技で勝てればチャンスが広がるってわけです。一応、図に。



【リバプール:4-3-3システム②:攻撃編】
                ●GKジータ

●カフー     ●ネスタ    ●スタム    ●マルディーニ   ←最終ライン
↑              ←○シセ→        ↑     
○リーセ                         ○ルイスガルシア   ↑
                ●ピルロ                    ←危険なスペース
                ○ジェラード                     ↓

         ○ジェラード       ○ハマン 
     ●ガットゥーソ           ●セードルフ        ←中盤MF
          
 モリエンテスが出れないので、ミランの弱点である「ハイボール攻撃」はあまり役に立たないかもしれませんが、両サイドのリーセ&ルイスガルシアがある程度、サイドの勝負で勝てれば勝機は生まれるということです。まぁ特にカフーVSリーセでどちらが主導権を握れるかはかなりポイントとなりそうですね。ちなみにピルロはジェラードのマークが主な仕事となると思われますが、ジェラード&シャビアロンソ&ハマンの3人は頻繁にポジションチェンジして撹乱してくると思われます。その場合、ピルロがいかにうまくガットゥーソやセードルフらと連携が取れるかがポイントとなりそうです。

総括:アンチェロッティはリアソールの敗戦を克服したのか?

アンチェロッティ監督はWSDのコラムでこんなようなことを言ってました。

いささか意外だったのは4-4-2をベースとするインテルが、1トップにアドリアーノ、両サイドにウイングを配する4-2-3-1の布陣を敷いてきたことだ。意外ではあったがマンチーニの意図はすぐに理解できた、ウイングを高い位置でプレイさせてミランの最終ラインを広げ、スペースを作る狙いがあったはずだ。1年前のディポルティボと同じシステムを採用したのも偶然ではなかったのかもしれない。
 インテルのワントップも脅威でなかった。アドリアーノにはネスタとスタムで対応し2-1で対処し、トップ下のベロンもピルロやアンブロジーニがうまく対処する。中略。アドリアーノとマルティンスの2トップのほうがいやだった。ワールドサッカーダイジェスト195号「アンチェロッティの続S級カルチョ:講座FILE9」より

 まぁどこまで本心で語っているかわからないですが、「ワントップ+両サイドウイング」という3トップにも十分に対処できた言うわけです。1年目のデポル戦とは違うって、ことでしょうか?
 そうですよ。1年前のスペインはリアソールで行われたCLデポル戦で、まさかの4失点したんですよね。まさかの敗退をしたんですよね。 ん? デポルティーボ? 「(リアソールの)奇跡」「スペイン人」&「サイド攻撃」?

冒頭で紹介したベニテス監督の言葉が、なーんか妙に引っかかってきませんか。 「スペインのクラブは消えたものの、スペインの血筋はしっかりと残っています」って言葉。スペインの血筋だそうです。

さてCL決勝戦。「スペインの血筋」を残すリバプールが、1年前のスペインノクラブ・リアソールでのデポルティボのような奇跡を起こせるのでしょうか? なんか、起こりそうな予感してきませんか? 
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