W杯南米予選「アルゼンチンvsブラジル」戦雑感  ペケルマンのターンオーバー制とソリン

ペケルマンのターンオーバー制は、選手層の厚いアルゼンチンならでは!?

スカパー再放送にて、W杯南米予選「アルゼンチンvsブラジル」を観戦。アルゼンチンがW杯出場を決めたこの試合。結果はわかっていましたが、アルゼンチン代表の側から試合を見てみました。

前節、ペケルマン監督になって初めて敗戦を喫したアルゼンチン代表でしたが、そのエクアドル戦から大幅にメンバーチェンジして、このブラジル戦に臨んでます。3月末のW杯予選ボリビア&コロンビア戦も、まった別の2つのチームを組んで「ターンオーバー制」で戦いましたが、今回の連戦においても同様の戦い方を採用したペケルマン。選手のコンディションを意識しての采配か? それとも単純に選手層が厚いので2チーム編成にしているのかわかりませんが、世界で遜色ない2チームを作れるのはこのアルゼンチンかブラジルくらいでしょう。まぁ遜色ない2チームとはいっても、もちろん差はあります。負けてしまいましたがエクアドル戦のメンバーはBチーム、そしてブラジル戦に選出したメンバーがAチームという感じでしょうか?


【対エクアドル戦チーム:3-4-2-1】       【対ブラジル戦チーム:3-4-1-2】   
             ○GKフランコ                     ●GKアボンダンシェール
    
  ○コロッチーニ ○ミリート ○サムエル      ○コロッチーニ●アジャラ●エインセ     

       ○ドゥシェル  ○カンビアッソ            ●マスチェラーノ ●ソリン

○サネッティ                ○キリ  ●ルイス・ゴンザレス          ○キリ

    ○マキシ・ロドリゲス ○アイマール                 ●リケルメ                                                  
             ○ガジェッティ              ●サビオラ      ●クレスポ

こんな感じ。コロッチーニとキリゴンザレス以外はまったく違いますが、多分ブラジル戦のメンバーが1軍なんでしょう。あ、カンビアオッソは単に出場停止でブラジル戦に出れなかっただけと思うので、マスチェラーノ→カンビアッソが本当の一軍だと思いますが。まぁ2軍でも十分強いです(笑)

前半の怒涛の3得点で勝負あり! まぁブラジルにはルシオがいなかったわけですが。

という訳で、一軍で臨んだブラジル戦。とにかくアルゼンチンは気合が入っていたように感じました。ターンオーバー制のおかげか、選手のコンディションの良さというのが伝わってきます。先制点は前半早々の5分くらい。左サイドのキリゴンザレス(だと思いましたが?)からリケルメ→ルイス・ゴンザレスと回し、そのルチョからDFの裏にスルーパス。左サイドからすばやい動きでオフサイドラインをかいくぐったクレスポがゴール正面でゴールを受けて落ち着いてシュート! ゴール! あっけないというかなんと言うか。ブラジルDFの最終ラインの混乱を、うまくついて先制します。ブラジルは右SBカフーの位置が中途半端というか、4バックがバラバラという感じで、それが失点に繋がってしまいました。このゴールで目が覚めたのか、ブラジルが反撃に出ます。カウンターから、カフーがドリブルで右サイドを突破。カカにつないでアドリアーノにスルーパス。そのまま抜ければGKと一対一となる絶好のチャンスを演出しますが、これはアジャラが体を張ったファウルで阻止します。良くも悪くもアジャラらしい「強さ」で前半の唯一とも言えるピンチを凌いだアルゼンチン。ピンチのあとにチャンスありということで、すかさず追加点を奪うことになります。前半18分でした。ブラジルDFのクリアボールをリケルメが拾い、マスチェラーノ→ルイス・ゴンザレス→リケルメとパスを回して、最後はリケルメがロッキ・ジュニオールを交わしてミドルシュート。すばらしい軌道を描いたボールが、そのままゴール左上隅に決まり2点目。このゴール、リケルメのシュートがすばらしかったにつきますが、ブラジルDFロッキジュニオールの対応がまずかったのも確か。うーん。ブラジルのDFはルシオがいないと厳しいかも。この日のロッキ・ジュニオールなら、PSVのアレックスのほうがマシなようにも見えました。このゴールで、完全に試合を掌握したアルゼンチン。前半の終了間際になんとダメ押しの3点目を入れます。右CKからシュートコーナー。サビオラのクロスに、またしてもクレスポ! 左サイドから走りこんできて、今度はヘディングでゴール。このゴールで勝負ありでした。後半はブラジルの反撃の前にほとんど防戦一方となるものの、まぁ前半で3点もリードしたので「あえて守備的」にいったという戦術だったのでしょう。ロベルト・カルロスのすばらしいFKからの1失点で守りきり、3-1で勝利。見事、W杯出場を「ブラジルに勝って」決めることになりました。

アルゼンチンのブラジル戦の勝因はクレスポの動き&ソリンの運動量!?

この試合、2得点決めたクレスポがやはりMVPでしょう。ブラジルの守備がルシオが出場停止で、変わって入ったロッキ・ジュニオールの出来がイマイチだったということもあったと思いますが、それを差し引いても見事な2得点だったと思います。シュートはもちろん、ボールのないところでの動きがすばらしい。コンディションのよさの影響もあったと思いますが、左サイドに一度消えて中央に自ら「スペース」を作り、その「空けたスペース」をうまく使っていたという印象がありました。「自分が空けたスペースにボールをくれれば得点するから、そこにパスを出せ!」という感じでしょうか。まさにELGOLAZOで金田氏が言っていた「FWが主語」となったプレイと感じました。クレスポのこの、最後のフィニッシュ(シュートを打つ)を考えた動きによって、パスを出す選手&クレスポが「シュートを打つまでの同じイメージ」を持てたと言いますか。FWにはシュートを決める「決定力」がもちろん一番大事だと思いますが、そのための「ボールを持っていないときの動き」や「シュートを決めるまでのイメージ」を持つことも重要なわけです。攻撃のMVPがクレスポだったと思いますが、この試合のアルゼンチン代表のキーマンはMFソリンだったと思います。改めて言うのもなんですが、この選手の運動量はすごいです。玉際の強さもありますし、ポジショニングもすばらしかった。攻守において「利いていた」という感じです。守備においては中盤でのプレスから時には最終ラインに入ってカカやロナウジーニョを止め、攻撃においては左サイドのキリゴンザレスとの連携からサイドを攻略し、時にはゴール前まで攻め上がり攻撃に厚みを持たせてました。「ボールのあるところに、ソリンあり」という感じ。ちなみにアルゼンチン代表の中盤ですが、一応ポジション&役割はキリ&ルイスゴンザレスがサイドに張ったWB、トップ下にリケルメ、中盤の底にマスチェラーノ&ソリンという感じで決まっていいますが、実際のところはポジションはあってないような感じといますか流動的。状況に応じて積極的にポジションチェンジを行い、常にスペースを作る動きができている感じです。その中で特に秀逸な動きをしているのがソリンで、まさに中盤のダイナモという言葉がピッタリの選手というところでしょう。ブラジル戦では攻守にわたっていい働きをしていたと思いました。

予選で冴えたペケルマンのターンオーバー制は、W杯本戦ではいかに!?

というわけでW杯出場を決めたペケルマン監督率いるアルゼンチンですが、これまでの戦いぶりからみるとW杯優勝候補の一角と言えるでしょう。まぁ欧州の大会では欧州のチームが優勝し、南米では南米という感じで、「開催地アドバンテージ」からみるとアルゼンチンの優勝は現実的には厳しいのかもしれませんが、選手層&選手のレベル、そして監督力量からすると十分に優勝可能なだと思います。日本代表と同様、これからペケルマンが「W杯に向けたチーム作り」をしていくものと思われますが、最終的にどのようなチームを作ってどのように大会に臨むのか興味深いです。特に注目したいのが、このW杯予選で見せたような「ターンオーバー制」をW杯本戦でも行うのかどうかってことです。もちろん登録選手数に限りがありますし、予選と本戦での戦い方は別物なのかもしれませんが、選手のコンディションや対戦相手に応じた「思い切った選手起用」をする監督だと思うんですよねペケルマンは。一方、ご存知の通りジーコ日本代表は「ターンオーバー制」はおろか、それとはむしろ正反対の「選手固定、レギュラー固定」でW杯を勝ち取ったのは言うまでも無いところ。もちろん、アルゼンチンと日本では選手層&選手の質で大きな違いがあると思いますし、一概にどちらがいいかとは言えないと思いますが…、W杯を勝ち抜く上で「大会期間の間、選手のコンディションを、いかによく保てるか」というのが、かなりのキーポイントになるとは思ってます。ちなみにチェルシーのモウリーニョも比較的、選手を固定して戦ってますが、「固定して戦う意味」ってのももちろんあると思いますし、例えば下手にターンオーバーをして選手の調子を落としてしまったり、選手をころころと変えすぎて戦術が固まらず墓穴を掘る監督とかもいるわけです。誰とは言いませんが。まぁとりあえずは、コンフェデでのペケルマンの戦いぶりを拝見したいですね。                      
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