コンフェデ決勝「ブラジルVSアルゼンチン」戦雑感  アルゼンチンの側からみた大敗の理由!?

ブラジルは確かによかったですが、アルゼンチン大敗の理由ってのもあるわけで!?

 ペケルマン監督は「望んだのとは全く正反対の結果。逆にブラジルにはすべてがうまくいった」と努めて表情を変えずに語った。ゴール前で決定的な仕事をしたブラジルとは対照的に、攻撃陣が不発。同監督も「最後の数メートルでのプレーに差があった」と認めざるを得なかった。今大会はクレスポ、アジャラの攻守の核を欠いての準優勝。「それで決勝に出てこられるのは選手のレベルが高いということ」とペケルマン監督。W杯本番での雪辱を目指す。(共同)http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/headlines/20050630-00000009-kyodo_sp-spo.html

まさか、このような大差がつくとは思ってませんでした。ブラジルは強かったしすばらしかったですが、アルゼンチンのDFにも問題があったような気もするんですよね。DFというか「アルゼンチンの先発の布陣そのもの」に問題があったと言いますか、まぁ「テスト的」と言いますか。もちろんブラジルもロナウド&カフー&ロベカルを欠いてましたが、それ以外は「テストの色居合いはない、完全本気の布陣」。に対してアルゼンチンは、まぁ前も書いたようにコンフェデ杯すべてを通して「ターンオーバー的」と言いますか「テスト的」だったのですが、決勝戦もその継続延長線上という感じ。「本気のブラジル」に「テスト」で臨めば、いくらアルゼンチンとは言っても大敗することがあるということでしょう。というわけでこの決勝戦を、大敗したアルゼンチンの側から分析してみたいと思います。

アルゼンチン大敗の理由「守備編」①:エインセを3バックの中央にした意味は!? ブラジル相手にテストしたら虐殺されるってことでしょう

ブラジルがほぼおなじみの先発メンバーだったのに対して、アルゼンチンはこんな感じでした。GKルクス、DFは右からコロッチーニ、エインセ、プラセンテ。ボランチにカンビアッソとベルナルディ。WBは右サネッティ、左ソリン。トップ下にリケルメのFWにフィゲロア、セサル・デルガド。おなじみ3-5-2ですが、FWにデルガドをそしてセンターバックにエインセを起用したのはけっこう驚きでした。確かにメキシコ戦ではよくやっていたと思いますが、3バックのセンターはやっぱ厳しいような…(笑)。

でも決勝では、まず11分にアドリアーノが爆発パワー(中距離)シュートを決め、その5分後にはカカーが、ワザありのコントロール(中距離)シュートを決めてしまう。まあ、この二つのシュートともに、そうそう簡単に決められるようなものじゃないから、ツキにも恵まれたということなのだけれど、とにかくブラジルの場合は、シュートレンジが広いし、ちょっとでもスペースを与えた次の瞬間には、こんなスゴイシュートを放ってしまうという事実を体感させられてしまった。相手の守備ブロックの心労は極限にまで達するでしょう。何せ、ほんのちょっとでも集中を切らせてボールホルダーをフリーにしたら「これ」だもんネ。あっと・・。この試合でのアルゼンチンが、アドリアーノとカカーをフリーにし過ぎたというわけではありませんでした。彼らは、ものすごいプレッシャーのなかでも、あのスゴイシュートを「素早いモーション」で放ってしまったのですよ。ブラジルの凄さを再び体感させられてしまった・・。
http://www.yuasakenji-soccer.com/yuasa/html/topics_2.folder/05_confed_11.html

おなじみ湯浅氏の分析から引用させていただきますが、確かにアドリアーノとカカのシュートがすばらしかったと思います。スゴイシュートを「素早いモーション」で放ってしまったのですよという湯浅氏の言葉どおり、アドリアーノ&カカのシュートがすばらしかったです。ですが、一方で何せ、ほんのちょっとでも集中を切らせてボールホルダーをフリーにしたら「これ」だもんネと湯浅氏が言うように、アルゼンチンの守備陣がほんの一瞬なんですがアドリアーノとカカをフリーにしてシュートを打たれてしまったのも事実だと思うわけです。ではなぜに「一瞬フリーにしてシュート打たれたか」と考えてみれば、それはアルゼンチンの守備陣が不慣れなポジションだったり、不慣れなために連携が取れてなかったことも、1つの要因だと思うんですよねぇ。アルゼンチンの側から見れば、アドリアーノの得点はエインセの守備対応がイマイチだったと思うし、ソリン&プラセンテ&エインセの連携もイマイチのように見えました。同様にカカの得点は、ボランチとエインセの連携がイマイチのように見えました。まぁ守備陣を攻めるのは厳しい意見なのかもしれません。もちろんすんごいシュートを決めたアドリアーノ&カカを賞賛すべきだとは思います。ですがアドリアーノとカカがすばらしいので「守備はお手上げ」「事故みたいなもの」って考えたら、アルゼンチン的にはもうそれ以上の進展はないじゃないですか(笑)。もちろん「防ぎようのない失点」というのは実際のところあるのかもしれませんが、それでも一応、自分たちの守備陣から考えた、失点の理由なり原因なりを考えてそれをできる限り修正していくように努力する必要はあると思うんですよねぇ。「完敗した試合は忘れて、次々!」ってのもいいですが、それではいつまでたっても変わらず進歩がないと思いませんか? というわけでアルゼンチンから見てアドリアーノ&カカにゴールを許した理由の1つはエインセのCB起用と言うか、本気のブラジル相手にテスト的な布陣で臨んだことだと思う次第です。

アルゼンチン大敗の理由「守備編」②:ブラジルに狙われた左サイド! 対ブラジルに有効なソリンの起用法は!?

アドリアーノの先制点に4点目、そしてロナウジ-ニョの3点目。これらはアルゼンチンの左サイドが基点となって生まれたゴールでした。まぁサイドから仕掛けた攻撃は得点になりやすいってこともありますが、この左サイドに「アルゼンチンの守備の問題」があったようにも感じました。これは左WBソリンが攻撃参加して空いてしまったスペースを突かれたからです。メキシコ戦の「WBから前線へのFW的なポジション移動」などソリンに関してはこのブログでも絶賛していたのですが、まぁこの攻撃参加は諸刃の剣のところも当然あるわけです。メキシコ戦はこのソリンが空けたスペースを、エインセやミリートがうまくカバーできていたわけですが、超攻撃的で個人技のあるブラジル相手にはカバーできず、むしろ穴となってしまったというところでしょうか? 確かアルゼンチンで行われた南米予選ではソリンはWBでなくボランチで出場して機能していました。カカやロナウジーニョを押さえ込んでいました。予選とコンフェデ決勝という状況では一概に比較できないとは思いますが、対ブラジル戦と考えるならソリンはボランチで起用した方が機能するようにも感じたのですが、どうなのでしょう? まぁ今回のコンフェデ杯では、ソリンの他にWBできる人がいなかったのかもしれません。ですが、ブラジルとの決勝戦ではアルゼンチンのキープレイヤーであるソリンが機能してなく、逆に穴となってしまったところが大敗につながったように感じます。強豪相手の場合、カンビアッソよりもソリンをボランチで起用したほうがいいようにも思うですが、いかがでしょう?まぁそもそもアルゼンチンの選手のコンディションが悪かったというのもあるのかもしれませんが、ボランチのカンビアッソの出来もイマイチで、WBのソリンがあまり機能しなかったのが大敗の理由であると思う次第です。

アルゼンチン大敗の理由「攻撃編」:クレスポはやはりすごい! フィゲロア&デルガドでは通用しませんでした(笑)

攻撃に関してです。南米予選ではクレスポが利いて得点取れてましたが、フィゲロア&デルガドというレベルではブラジル相手に通用にないってことでしょう。ブラジルはルシオがいい守備してました。ボランチのエメルソン&ゼロベルトもしかり。穴と思っていたホッケ・ジュニオールも思ったよりもいい守備していたと思います。ですがやっぱフィゲロア&デルガドの出来が問題だった気がするんですよね。南米予選でのクレスポは「オフザボールの動き」がとにかく秀逸でした、決定力もありました。同様にサビオラも決定力はイマイチながら「動き」はよかった。ここでいう「動き」とは「最終的に自分がボールを受けてシュートを打つ」という「FWがゴールをイメージした動き」ということです。

対するアルゼンチンは、人とボールを活発に動かすことで相手の穴へ作り出し、そこでパスレシーブして最終勝負の起点(ある程度フリーでボールを持つ選手)を作り出すという発想・・もちろんアルゼンチンは、そんなボールの動きになかにも、いたるところで、個のエスプリ勝負プレー(ドリブルや、相手アタックをかわすフェイント等々)をミックスするから素晴らしい・・http://www.yuasakenji-soccer.com/yuasa/html/topics_2.folder/05_confed_11.html

再び湯浅氏の分析から引用させていただきますが、要は最終勝負の起点(ある程度フリーでボールを持つ選手)を作り出すという発想というところに、FWがうまく絡むことができなかったと言いたいわけです。まぁこの試合、ブラジルが先制して無理して攻撃しなくなり「ブラジルのゴール前にスペースがなかった」ということもあると思います。同じ状況でクレスポ&サビオラが2トップなら得点できたかと言われれば、まぁ変わらなかったかもしれませんが少なくともフィゲロア&デルガドよりは可能性があったようには思う次第です。ちなみにこの試合、サビオラが出場停止ということもありデルガドの起用となったのでしょうけど、個人的にはテベスもしくはガジェッティかって思っていたんですよね。この2人、途中交代で出てますがコンディションかなにか問題あったのでしょうかねぇ? まぁ所詮は結果論ですが、クレスポ&サビオラに次ぐ「第3のFW」を見つけ出すことはW杯までのあと一年間でペケルマンがやらなければならない最大の懸案かもしれません。

W杯に向けてのテストは終わり? コンフェデ杯のペケルマンの収穫は?

というわけでブラジルに大敗したアルゼンチンですが、この大会はあくまでW杯に向けた「壮大なテスト」だったような気がしてます。もちろんブラジルも新たな両サイドバック(ラテラル)の発掘など、テストの色合いはあったと思いますが、アルゼンチンよりは「本気もモード」でタイトルを取りに来ていたと思うんですよねぇ。まぁペケルマン監督のコンフェデ杯での「メンバーをちょくちょく変える」戦い方が、テストなのか仕様なのかわかりませんが、どちらにせよW杯に向けていいテストになったのではないかと思う次第です。もちろん優勝したブラジルにとっても、このコンフェデ杯はいいテストだったとは思いますが、本番はあくまでW杯。一年後、ぜひともこの両国の戦いを再びみたいですね。
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