W杯欧州予選:イングランド代表、イタリア代表、ポルトガル代表について  

その昔、プロ野球は元巨人監督の原氏がトヨタ杯のゲスト解説で「シェフチェンコがW杯で活躍するのを見た」と言ったとか言わなかったとかいう噂を聞いたことがありますが、そのシェフチェンコのウクライナ代表がW杯初出場を決めたようです。つまり本当にシェフチェンコをW杯で見ることができるってこと! これは本当にうれしい限りですが、シェフチェンコの活躍次第ではウクライナはドイツW杯でダークホース的な存在になれると思うんですよね。気の早い話ですが楽しみです。
ってことで、欧州のW杯予選もいよいよ佳境。今週と来週にかけて各国にとって重要な試合が目白押しなわけでが、3日に行われたイングランド戦を中心にイタリアとポルトガルの戦いぶりについても書いてみたいと思います。まずはイタリアから。

CHECK1:イタリアvsスコットランド戦 中盤省略はイタリアサッカーの真骨頂??

ジャンルカ・ビアリやジャンフランコ・ゾラ、ロベルト・バッジオのような、イタリアが世界に誇ったプレイヤーの出現はもう望めない。恥ずべきことだし、省みることだ。そして改めるべきことだ。俺はひとつのチームに最低でも5人のイタリア人プレイヤーを置くといった策を、一刻も早く実施すべきだと思う。ワールドサッカーマガジン:コラム「パオロディカーニオの斬捨て放言論」より

ラツィオのディカーニオからすると、ライバルチームのローマのトッティのことは認めたくないのでしょう。けど、このディカーニオの言葉どおり、スコットランド戦を見る限り中盤やトップ下でアクセントを出せる「ファンタジスタ」がいないよなぁって思った次第です。ジラルディーノがコンディション不良でビエリ、トッティ、イヤクインタの3トップで望んだイタリアでしたが、彼らにいいボールを供給する中盤の選手がいないんですよね。ピルロはミラン同様レジスタとして機能していたと思いますが、スペースがない相手に対しては正直それほど脅威ではないですし、ガットゥーソにせよデロッシにせよ決定的な仕事ができる選手ではない。してあげればトッティこそが「決定的な仕事」ができるファンタジスタだと思うのですがは、今のトッティはMFというよりももう完全にFWなわけで。というわけで、今のイタリアは「中盤のタレント不足」ってのは深刻だと思う次第です。まぁもちろんこのイタリアの「中盤のタレント不足」は、別に今に始まったことではないわけで。守ってカウンターからFWの個人技任せってのは、イタリアサッカーの真骨頂と言えばそうなのかもしれません。ですがこのスコットランド戦のように、引いた相手守備陣に対して中盤省略サッカーで押し通すのはやはり厳しいと思うんですよね。もちろんサイドからの攻撃はしてました。特に後半、カモラネージを投入してからはサイドからの崩しが増えたものの、結局は中盤でアクセントがつけられないため単純にサイドからクロスボールを入れるだけの攻撃となってしまうんですよね。それではスコットランド守備陣も対応しやすいわけで。もちろん守備陣が相手の攻撃の仕方がわかっていても、対応しやすくても「やられてしまう」のも、またサッカーなわけで。片野さんがここで言うように、イタリアサッカーは中盤の変化や華麗なテクニックよりも「身体能力」を生かした旧ドイツ的なサッカーへ向かっているのかもしれません。それはそれでありだと思いますし、「勝利できれば」OKだとは思いますが、リッピのイタリア代表が今後どのようなスタイルのサッカーとなっていくのか注目したいですね。

CHECK2:イングランドVSウェールズ戦 ブロッコ・チェルシーという考え方

 続いてイングランド代表。と思ったのですがその前に、イタリア代表監督のリッピがワールドサッカーマガジンでコラムを始めたんですが、そこでこんなこと言ってました。
例えば、スペイン大会を制した82年のブロッコ・ユーベ(ブロッコ=ブロック、塊の意。つまり、代表におけるユベントス選手の集団)、決勝まで進んだ94年米国大会のボロッコ・ミランというように、過去には核となる選手たちが同一クラブで固められていた。これを現在のチームでやるのは厳しい。高度な戦術を駆使するイタリアにおいては、お互いをよく知るブロッコの存在はきわめて重要なものだ。だから、私はこの夏のメルカートで期待するところがあった。とくにユベントス、ミラン、インテルの3クラブが、できる限り多くのイタリア人を獲得してくれるようにね、と。ワールドサッカーマガジンvol116 コラム「リッピのネオアズーリの作り方」

「ブロッコ」の存在の重要性を認めつつも、現代の代表チームでそれを行うのはさまざまな理由から難しいと言うリッピ監督ですが、イングランド代表のエリクソンにとってはそれほど「難しくもない」ことなのかもしれません。テリー、ランパード、ジョーコールにショーン・ライト・フィリップス。彼らはイングランド代表であり、またチェルシーでも一緒のピッチで戦っている選手たちなわけですが、彼らはまさにリッピが言うところの「ブロッコ」という言葉が当てはまると思う次第です。もちろんオーエンにジェラード、ベッカムと「チェルシー以外のチームの」タレントもいますが、「ブロッコ・チェルシー」とも言える側面が今のイングランド代表にはあると思うんです。ウェールズ戦はベッカムを中盤の底に置いて「レジスタ的」な役割を担ってました。このフォーメーションは攻撃的システムとも、オーエンがサスペンションで不在なための「応急措置」とも言われてますが、ジョーコールとライトフィリップスをウイングとして「チェルシー」のウイングコンビを生かすためのシステムだったように思うんですよね。イングランドの決勝点は、そのチェルシーコンビであげてます。ベッカムからのロングフィードにライトフィリップスが右サイドを抜けだし、中央にポジションをとっていたジョーコールへパス。これをジョーコールが相手に当てながらも落ち着いて決めたわけですが、このゴールはエリクソンの狙い通りの「ブロッコ・チェルシー」を生かした形だったと思う次第です。もちろん、この「ブロッコ・チェルシー」という考え方はイングランド代表の1つの側面でしかないとは思います。前半にルーニーとジェラードのコンビから惜しいチャンスを演出してましたが、この2人の息は合っていると思いますし、ベッカムやオーエンの存在も大きいと思いますしね。
 ちなみにウエールズ戦のベッカムを中盤の底に置く4-5-1システムですが、正直あまりいいとは思いませんでした。前線でポストプレイなどをして基点となれるようなFWがいないと難しいと思うんですよね。ルーニーはどちらかというと下がってドリブル突破したりサイドに開いてチャンスメイクする形が得意ですし、この試合出てなったオーエンも「中央に張って待つ」タイプではないわけです。なので彼らを生かすならアーセナルみたいな4-2-2-2システムで、ポジションが流動的でシュートパスを主体としたサッカーにすべきだと思うのですがね。まぁアーセナルにイングランド人がいて、「ブロッコ・アーセナル」ができるなら話は早かったのかもしれませんが(笑)

CHECK3:ポルトガルVSルクセンブルク戦 セットプレイから得点できるということ

最後にポルトガル。格下ルクセンブルク相手に大勝しましたが「セットプレイ」から確実に得点していたのが印象的でいた。1点目はフィーゴのFKからアンドラーデがヘッド、同じく今度はフィーゴのCKからカルバーリョがゴールしたわけですが、引いた相手に対してはどうしても流れの中からのゴールは難しいわけで、こうしたセットプレイから得点することってのは現代サッカーでは極めて重要なポイントなわけです。前述のイタリア代表もスコットランド相手に「セットプレイ」から得点しているわけですし、セップレイの重要性は我が日本代表でも前監督トルシエが力説していたのは記憶に新しいところ。というわけでセットプレイからの効率よく「得点」を挙げて、ポルトガルが大勝したわけですが、この日のような戦い方をしていればW杯の出場はまず間違いないでしょう。ちなみにポルトガルはデコ、コスティーニャ、マニシェ、フェレイラ、カルバーリュという「モウリーニョ時代のポルトの仲間たち」がブロッコでいるわけですが、まぁ今は違いチームだからあまり関係ないですね。

 その他ではチェコがルーマニアに破れオランダのW杯出場が見えてきた反面、デンマークがトルコに勝てずかなり厳しい状況に追い込まれたというところでしょうか? デンマーククラスのチームが出れないって、ほんとW杯欧州予選は厳しいですな。

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