チャンピオンズリーグ「チェルシー対ベティス戦」雑感 モウリーニョの狙い通りの「連動プレス」で勝利

■1人が追い回して、もう1人が捕獲する!? 連動プレスの基本中の基本?

例えば2人で協力して動物とか虫などを捕まるとします。1人が追い回してある方向へ獲物を誘い込み、そこへ逃げてきたところをもう1人が待ち構えて捕まえる。こんな連係プレイ(?)をしたことありませんか?? 

っていきなりサッカーとは関係ない話題でスタートして恐縮ですが、この獲物の捕まえ方はサッカーにおけるプレッシング守備の1つの形であったりするわけです。サッカー的な言葉で言うと、こんな感じ?

1人がパスコースを塞いで、もう1人がインターセプトを狙う。

 やっと観戦できたチャンピオンズリーグ「チェルシー対ベティス」戦ですが、こんな感じの「中盤の連動プレス」からのカウンターがおもしろいように決まってチェルシーが4-0で完勝となりました。ってことで得点シーンを中心に試合を振り返ってみます。

■スタメン変更は1箇所。クディチーニの起用はローテーション? それともコンディション?

チェルシーのスタメンは先日のボルトン戦からの変更は1箇所。GKがチェフからクディチーニに代わった以外は同じ布陣でした。DFは右からギャラス、カルバーリョ、テリー、デルオルノの4人。中盤はおなじみエシエン、マケレレ、ランパード。前線はSWP、ドログバ、ジョー・コール。ロッベンはどうやらコンディションが思わしくないようでベンチにも入っていませんでした。ちょいと心配。クディチーニへの変更はローテーションか、それともチェフのコンディション不良のためか? ボルトン戦はイマイチな気がしていたのでコンディションに問題があるのかもしれませんが、はたして? ベティスは4-4-2? 前線のエドゥ、ホアキン、オリベイラは揃って出場。要注意です。

■前半①:序盤はベティスが優勢! チェルシーの狙いはSBの裏と雨の日のミドルシュート!?

試合は序盤、ベティスがやや押し気味。ホアキンの右CKからヘディングシュートはライン上ギリギリでマケレレがクリアするなど、FKやCKといったセットプレイからチャンスを作るベティスの攻撃にちょっと手こずってました。
対するチェルシーの攻撃は両サイドから。特に右のSWPから仕掛けてました。エシエンがうまく攻撃に絡んで、ベティスのSBの裏のスペースをSWPが狙うという感じ。このSBの裏を狙うというのは、たぶん試合前から徹底されていたんでしょう。また前半13分にジョーコールがシュートを打つのですが、スローインからのボールをそのままドリブルで持ち込んで打ったものでした。その後ランパードも同じような形でシュートを打ってますが、この日の天候が雨ということで「遠目からでも積極的にシュートを打とう」という指示があったのかもしれません。雨の影響でGKやDFがミスする可能性は高いですからね。まぁ逆に前半16分にオリベイラにミドルを打たれた時はヒヤっとしましたが、これはクディチーニがナイスセーブ。雨の日のミドルシュートは要注意です。

■前半②:チェルシーが先制! 中盤の連動したプレスからのカウンターでドログバがゴール!

均衡が破れたのは前半24分。中盤でエシエンがインターセプトし、そのままドルブル。ゴール前でドログバへスルーパスし、そのボールをドログバが落ち着いて流し込みチェルシーが先制。ドログバはさすがでしたが、このゴールのポイントはエシエンというかチェルシーの中盤の連動したプレッシングでした。冒頭で書いた「1人がパスコースを塞いで、もう1人がインターセプトを狙う」という前線からの攻撃的守備がゴールにつながった思う次第です。このシーン、パスコースを限定したのがマケレレ。そしてインターセプトしたのがエシエンでした。図にするとこんな感じ。




       ○ベティスMF
        ↑
        ↑
        ●マケレレ            ×            ○ベティスFW
                           ↑
                           ●エシエン

 左サイドでベティスのボールを持っている選手に対して、マケレレがチェックに行きます。パスコースを探していたベティスの選手は、前方をマケレレに塞がれたこともあり前線にパス。このパスを狙っていたエシエンがインターセプトという感じです。まぁベティスのパスミスと言ってしまえばそれまでなんですが、チェルシ-側(エシエン&マケレレ)から見ると狙い通りというか「してやったり」であったわけです。まぁ別に特別なプレイでもなんでもない基本的なプレイのですが、その基本に忠実にプレイを状況に応じて適切に迅速に行うことが出来るのはすばらしいことであると思う次第です。

■前半③:チェルシー2点目! ランパードのシュートを打つという選択と連動プレス!

このゴールで楽になったチェルシ-。さらに前半終了間際にも追加点を奪います。左サイドのFKからランパードが直接シュート。なんでもないシュートに思えましたが、これをGKがファンブル。カルバーリョが押し込んで追加点というラッキーなゴールでした。まぁラッキー&相手のミスと言ってしまえばそれまでですが、先ほど言ったように「雨の日のミドルシュートは効果的」でもあるわけで、少し遠目からでもシュートを狙ったランパードの選択がすばらしかったということでしょう。ちなみにこのFKのファウルをもらうまでのプレイですが、これまた連動プレスからのインターセプトから攻撃が始まってます。右サイドでジョーコールがチェックに行き、ベティスの選手がパス出したところをランパードがインターセプト。これもベティスのミスと言ってしまえばそれまでですが、連動プレスからのインターセプトが2得点に繋がった前半でした。

■後半①:チェルシー3点目! ジョー・コールの見事なシュートとクレスポのポスト

後半。ドログバからクレスポにチャンジ。ベティスもシスコを投入して攻撃的に出ます。前半同様に立ち上がりはベティスが攻めますが、まぁ2点リードしているチェルシー的にはもう「攻めさせて守ってカウンターでOK」という感じだったと思う次第です。そんなカウンターから追加点が生まれます。59分。中央でマケレレがインターセプトしたところから攻撃開始。前線でクレスポへクサビパス。クレスポのポストプレイからエシエンが抜け出して、逆サイドのジョーコールへ。そしてジョーコールの見事な「コントロール」シュートが決まり3点目。これで勝負ありでした。このゴールも「マケレレのインターセプト」から始まっているのですが、それ以上に評価したいのがクレスポとの連動したカウンターができたということでしょう。




              広大なスペース
       ↑ 
      ●ジョーコール                 ↑
       ↑          ↓  ○ベティスDF  ●エシエン 
                 ●クレスポ         ↑
            (下がってポストプレイ)      ↑


                  ↑
                ●マケレレ


マケレレがインターセプトした時にクレスポが後ろを向いて「下がってボールを受ける」のですが、このポストプレイはワントップの動きとしては非常に重要なものです。チェルシーでは昨シーズングジョンセンが見せていたプレイでもあるのですが、このワントップが下がってボールを捌き、その背後に出来たスペースを両ウイングが使うというのがチェルシーの理想の(カウンター)攻撃の形であるわけです。これまでのクレスポはどちらかというと相手DFの裏を狙う動きのが目立っていたわけですが、こういうポストプレイがもっともっと出てくると先発出場も多くなるのではないでしょうか? 見事でした。

■後半②:クレスポで4点目! SWPのセンタリングがすばらしかったにつきる!

そして、さらに見事なプレイを64分に披露してくれます。今度はジョーコールのインターセプトから始まり、ランパードが素早く右サイドの裏のスペースへロングパス。このパスをSWPが直接センタリングし、クレスポが見事なヘッドで押し込んで4点目。クレスポも見事でしたが、それ以上にSWPのセンタリングはすばらしかった。ピンポイントのパスとは、まさにこのセンタリングのことを言うのではないでしょうか。パスの正確さ、スピード、高さどれもがパーフェクトでした。

勝負はついたということで余裕が出たチェルシーモウリーニョは、後半76分に噂の第2のマケレレといわれている「ディアッラ」を投入。始めて見るディアッラでしたが最初は戸惑っていたものの、徐々に片鱗をうかがわせるプレイを見せてくれてました。プレイのみならず、その風貌もマケレレそっくりというのは笑いましたが、数年後にはチェルシーを背負う選手になってくれるのでしょうか??

■総括①:モウリーニョ的には「狙い」通りの勝利と、プレスとリトリートの判断のすばらしさ!?

ということで4-0で圧勝したチェルシーですが、たぶんモウリーニョ的には「狙い」通りの戦い方ができたということだけな気もします。中盤のプレッシングからショートカウンターで得点というのは狙い通りだったと思いますし、ホアキンを封じ込めたのもバッチリでした。ホアキンには2枚つけてましたしね。

ちなみに守備に関してですが、こんなシーンがありました。
4点取ったあとの69分。中央突破されたチェルシーがゴール前でベティスの攻撃陣が2人に対してチェルシーが「テリー&デルオルノの2枚」という2対2にされるシーンがあったのですが、ここでのテリーの対応は見事でした。うかつに飛び込まないでリトリートしながら対応したのですが、もしもここで当たりにいってたらホアキンにゴールされていた可能性は高かったと思います。



                     ●クディチーニ

                 ↑            ↑
                 ●テリー        ●デルオルノ

                 ○オリベイラ(?)     ○ホアキン

下がって対応し、GKとの距離を考え相手のシュートコースを消す守備の選択はベストであったと思うし、その結果ホアキンのシミュレーションでイエローにつながったと思うわけです。この「プレッシングとリトリート」の状況判断がテリーのみならず、チェルシーのすべての選手が的確であるのが「鉄壁の理由」であると思っているのですが、いかに?

ちなみに、ここ3試合で4点、5点、4点という脅威の得点力&決定力の高さはすばらしいです。言うことないですが、まぁゴールは水物のところもあります。大勝に浮かれず1点でもいいので兎にも角にも「勝利」するのが大事ということを忘れずに今後もがんばってほしいと思う次第です。まぁモウリーニョにそんな心配は無用ですが。

最後にベティスについて。引かずに攻撃的に戦っていた感じでしたが、あまりにも正直に戦いすぎたようにも感じました。シュートパスを繋ぐスタイル&姿勢はすばらしいと思いますが、結果として「そこ」をチェルシーに狙われたわけです。まぁ前半の優勢なときに得点しておけば状況が変わったのかもしれませんが、少しチェルシーの中盤の守備力を甘く見ていたところがあったのではないでしょうか?

まぁチェルシー的には兎も角ホームで勝てたのが大きかったわけですが、ベティスがホームでどのような戦い方をしてくるのかがポイントとなることでしょう。もしベティスがホームでもこの試合と同じようなスタイルで戦うなら、この選手がまた活躍してくれるような気がしますが、いかに?

指揮官は「個人的にはエシエンがマン・オブ・ザ・マッチ。中盤のすべての戦いに勝ち、2点をアシストした」と攻守に貢献した22歳のガーナ代表を称えた。http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2005/10/21/06.html

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