ジーコ日本代表の東欧遠征ラウンド②:「ウクライナ対日本代表」雑感 ジーコの狙いとメッセージとポゼッシ

相手はかなり後ろからタックルをしていたが、それでもカードはおろかファウルさえも取られていなかった。そうした状況が前半で続く中、ぬかるんだピッチの中で、相手が高いボールを狙ってくるのは目に見えていた。とにかく(主審が)相手をヘルプしているのは、前半で確実に分かって、まずいと思った。
 で、(中田)浩二があそこで退場になったが、その前の相手の高原へのファウルについては、カードどころか笛も鳴らなかった。絶対におかしい。あまりにも露骨過ぎる。あんなのは犯罪だよ。警察に連れて行かれてもおかしくないと思う。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200510/at00006316.html

■審判のジャッジは確かにあれでしたが、ドイツW杯でも十分にありえるわけで

いやぁー、ジーコ怒ってますね。その怒りは、わかります。私も箕輪のプレイに対するPK判定は厳しいと思いました。ただ、じゃノーファウルか?と聞かれたら、そうは思いませんし「ファウルを取られる可能性はあるプレイ」であったとは思います。しかもジーコは前半で「主審がまずい」と感じていたみたいですし、ならば自陣のペナルティエリア内のプレイはもっと細心の注意を払うべきであったとも思うんですよね。まぁ、どんなに注意をしても主審のジャッジの餌食となっていたと思いますが(笑)、結局のところ「舐められないように闘う」しかないんですよね。主審やFIFAとかにね。チェルシーの場合はG14とかUEFAだったんですが、まぁそういうことです。要はドイツW杯で、日韓W杯の恨みを返そうと言わんばかりの「露骨な判定」をされる可能性は少なくないってことです。

■ジーコの思惑と、サントス&中村の思惑!? ジーコの選手に対するメッセージとその意図は!?

ということでウクライナ戦について。主審のジャッジで負けたと言えばそれまでですが、そもそも、この試合に対するジーコのプランはどういうものだったのでしょうか? 予想通り中田浩二を中盤底に据えた布陣で臨んだわけですが、この布陣の意図するところは何かということです。ラトビア戦で攻撃のアクセントをつけていた松井を下げて稲本のポジションを上げ、中田浩二を抜擢した意味?? その意図する意味は実施あのところはわかりませんが、個人的には「守備重視」のためって単純に思うわけです。またラトビア戦の中田浩二のミスを受けて「ワンタッチでのバックパスの禁止令」を事前に出していたみたいですが、このようなジーコの指示と先発の布陣(メンバー)から、日本代表のメンバーは「まずは守備重視」「ミスをしない」というイメージや意識をもってウクライナ戦に臨んだのではないだろうかと推測しました。特に守備陣の意識はもう、攻撃よりも守備であったと思うのは私だけでしょうか?

●三都主アレサンドロ選手(浦和):
「相手がこっちのリズムにさせないサッカーをしてきた。自分たちはなかなかボールを取れなかった。でも相手の攻めがそこまでうまくできていたわけではなかった。こっちがしっかり守って速く攻めようという形に自然となった。ウクライナはシェフチェンコだけでなく、いろんないい選手がいた。3年前とは違った。今は激しくボールをつなげるので、ちょっとびっくりした。こっちはプレスをかけに行っていたけど、うまくサイドチェンジを挟んだりして攻めてきた」http://www.jsgoal.jp/club/2005-10/00024846.html

「こっちがしっかり守って速く攻めようという形に自然となった」とサントスは言います。まぁ確かに自然となったところもあるのでしょうが、あえてその理由を考えて見ますと次の2つが考えられると思うんです。①、日本がウクライナの中盤からのプレスに苦しんで、「ボールポゼッションできなかった」。②、日本が守備重視のため、あえて「ポゼッションしようとしなかった」。この2つです。で私的には、①と②両方の影響があったと思うのですが、先ほど述べた中田浩二の起用&バックパス禁止令によって、日本代表の選手が「ポゼッション=攻撃」よりも「守備」という意識が働き「自然」と「守って早く攻めようという形」になったと思う次第です。


もちろん、すべての選手がそう思っていたわけではないく、「ポゼッション」して「攻撃」したかたった選手もいたみたいですが。

●中村俊輔選手(セルティック):
「自分たち中盤がFWまで組み立てなきゃいけない場面が多かった。後ろとボランチがつないで半分くらいまで押し上げて持ってきてくれればいいのに。中盤の負担が大きかった。相手は最終ラインがつないだり、サイドバックが持ったり、ボランチがサイドチェンジをしながら押し上げていたけど。こっちは中盤の選手がその仕事もしなければいけなかった。
浩二からヒデさんにつないでいる間に駒野がハーフラインのあたりまで来ているとか、そういう連動した動きが少なすぎる。だから自分たちも前に上がれない。結果的にボールを取られて悪循環になる。最終ラインのパス回しも必要だと思う。中盤とDFの両方が連動したボール回しが必要になってくる。今日はレフリーうんぬんを抜きにして、相手のサイドバックとボランチがうまかった。ダイヤモンド型の中盤をやったけど、結構押し込まれていたから、取った時に出しどころがなかった。1人1人の距離が短すぎたと思う」
http://www.jsgoal.jp/club/2005-10/00024845.html

「駒野がハーフラインのあたりまで来ている」っていう状況のは、ラトビア戦の雑感で書いた「サイドバックの組み立て参加」のことだと思うのですが、中村が言うようにウクライナ戦では駒野はあまり組み立てに参加してなかったと思いました。「最終ラインのパス回しも必要だと思う」というのはその通りで、これはポゼッションサッカーをするうえではかなりポイントであると私は思っているのですが、ラトビア戦では見られたそんなパス回しもウクライナ戦ではあまり見れなかった。なぜか? 中村は「連動」ということを指摘してますが、じゃジーコ日本代表はそういった連動がまったくないのかと考えて見れば、そんなことはなく、ラトビア戦ではできていたわけです。話が堂々巡りして来ましたが、要は何が言いたいかといいますと、選手の意識が「つなぐことよりもミスしないこと」にあり、ウクライナ戦のフォーメーションや起用された選手も「つないで攻撃するよりも、スペースを消して守備すること」を第一に考えられていたのではないかってことです。つまり中村とか中田英とか柳沢とか高原以外は、あまりポゼッションの意識=攻撃の意識がなかったのではないかってこと。特にDFの選手&もしかしたら、監督のジーコも???

■「速攻が、もう少しやらなければいけない部分」と中田はいいすが、それに必要なのは??

守備重視でカウンターからの得点で勝利を目指すのか? それともボールポゼッションして、あくまでも「攻撃的」にいくのか?

ジーコの考えはどちらだったんでしょう? 最初は守備的に行って、途中で選手交代して攻撃に出るつもりだったのか? それともふつうにラトビア戦同様「ポゼッション」からの攻撃を期待していたのか? 中田英が試合後にこんなコメントしてます。

こないだのラトビア戦と違って、相手もプレッシャーが厳しく、さすがにワールドカップ出場国という力がある。非常に緊迫したいいゲームができた。ボールを取った後の速攻が、もう少しやらなければいけない部分。だが、ある程度はできた。最後のフィニッシュの部分で踏み切れなかったのが今後の課題。http://live.sports.yahoo.co.jp/sportsnavi/jpn_20051012.html

「速攻が、もう少しやらなければいけない部分」という言葉。確かにその通りですが、この「速攻」って結局は、それができる攻撃的な選手がいるかどうかってことが大きいように思ってます。要は「スピード」があるかとか、ドリブルがうまいとか、相手の裏のスペースに抜けるのがうまいとか。たとえば玉田とか本山とか大久保とか、そんなスピードのある選手を起用したほうが速攻は機能すると思うんですよね。ウクライナ戦のスタメンの柳沢も裏に抜けるスピードはそこそこあるし、高原もそう言えるかもしれません。でも速攻向きのFWかと考えてみると、そうではないと思うんですよね。なので個人的には、もしこの試合「守ってカウンター」「速攻」を狙うなら、本山や大久保を投入すべきだったと思うんですよ。ですが、ジーコは違いました。後半頭から投入したのは鈴木。この意図は何であったのでしょうか? 

●稲本潤一選手(ウエストブロミッチ):
後半は隆行さんが入って、しっかり前から点をボールを追ってくれた。それでずいぶん助かった。3バックになってから耐える展開になった。初めて選手も違和感なくコミュニケーションを取っていたし、サイドからのクロスも跳ね返せpていた。http://www.jsgoal.jp/club/2005-10/00024847.html

稲本が言うような「守備」を考えて鈴木起用というのもあったかもしれません。ただ、当然そればかりではなかったとも思ってます。「攻撃」を考えての起用というのもあったと思います。その意図は、「前線でのボールキープ」と「前線でのファウルゲット」です。もちろん流れの中からのゴールを期待していたところもあったとは思いますが、それよりも「基点となる」ことを期待していたんでしょう。鈴木が前線でボールキープし中盤の選手が押し上げさせて「ポゼッションサッカー」を展開する。もしくは「前線でファウルを得て」中村のFKからゴールを狙うというのがジーコの狙いであったのではないかと。まぁ実際のところはわかりませんが、少なくとも「速攻」を狙うなら、鈴木でなく大久保の起用だったと思うわけです。

■ウクライナ戦のゲームプランは「アジア杯」と同じ? 現実的で「負けない」戦い方?

試合は後半早々に中田浩二が退場となってゲームプランが崩れてしまうわけですが、そもそもジーコのゲームプランがどういうものであったのか? 中田浩二のアンカーでの機用、そして鈴木投入の意図は? 私が推測するには、ジーコはこのウクライナ戦のゲームプランは優勝した「アジア杯」と同じ。アジア杯で優勝した時ような現実的で「負けない」戦い方をしたかったのではないかと思うわけです。とにかく守備をしっかりして、たとえポゼッションできなくても鈴木がファウルをもらい、中村のFKからゴールを奪うという戦い方です(誇張してますが)。

 この戦い方がW杯仕様なのか? それともオールスターでベストメンバーが組めなかったための苦肉の策であるのか? そのあたりはわかりませんが、少なくともウクライナ戦でのジーコの狙いが「ポゼッションサッカー」なのか「カウンターサッカー」なのか「引き分け狙いの守備的サッカー」だったのかというのが、選手が理解してなかったように思えたんですよね。

■守備重視でともかく負けないサッカーだったらOK! ただし、もし狙いが「勝ち点3」であったとするのあら!?

ウクライナ戦のジーコの狙いが「守備重視でともかく負けないサッカー」であったと考えるなら、その狙い通りのサッカーがある程度できたと思ってます。まぁPKで点取られはしましたが、あれはアレだったわけで。ただし、もし狙いが「勝ち点3」であったとしたのなら、「ポゼッション」からたちを狙うなら中村の言うサッカーを、中田が言う「カウンター」を狙うなら後半頭から大久保とか本山の投入でよかったようにも思えたんですがね(後半どこかで「カウンターサッカー」にする予定が、中田浩二の退場で断念ということだったのかもしれませんが??)。

今回、試合内容についてはほとんど書きませんでした。&ちょっと辛口でしたが、あえて書いてみました。

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