ジーコ日本代表「アンゴラ対日本代表戦」雑感  ニアサイド勝負とファーサイドの仕掛け

■1-0でも何でも「勝利」したことが重要であるわけです。

とにかく勝利できたことは評価したいです。親善試合でも何でも「勝つ」に越したことはありません。勝つことによって「勝者のスピリット(Byジーコ)」というものが備わっていくと思うんですよね。1-0でも、PKでの勝ちでも何でも構いません。もちろん反省も必要ですが、勝って学べるならそれに越した事はないかと。ってことで遅くなりましたがアンゴラ戦についてです。残念ながら仕事の都合であまりちゃんと見れてなく雑感という感じで書かせていただきます。

■松井はゴールして「列の順番が前の方になった」のは間違いない!?

まず、決勝点を上げた松井についてですが、いやぁーすばらしいゴールでした。本人が一番喜んでいると思うのですが、ゴールという「結果」を残したことは大きなポイントですね。このゴールでドイツW杯メンバー入りを決めたとは言えないかもしれませんが、少なくとも「列の順番が前の方になった」のは間違いないでしょう。

■松井のゴールのポイント①:自らシュートを打つ」という意識とポジショニング

ゴールシーンを振り返ります。左サイドのスローインから中村がボールを受けて、センタリング。ファーサイドで待つ柳沢がこのセンタリングを折り返して、ゴール前にいた松井がヘディングシュート。まぁこんな感じでしたが、このゴールのポイントは2つあるような気がしてます。1つ目は松井のポジショニング。ズバリ、あの場面でゴール前のあの位置にいたことをまずは評価したいです。もし中村のセンタリングが上がった時にアンゴラのゴール前には柳沢、大黒の2トップしかいなかったら、やっぱゴールは生まれなかったと思うんです。ツートップにはアンゴラのDFが、しっかりとマークについていましたから。で、そんなゴール前に、本来なら右サイドにいるであろうMFの松井がいたわけです。松井のマークは誰がするのか?? アンゴラの守備陣に多少の混乱が起こり、松井をフリーにしてしまいました。



        ○アンゴラDF  ○アンゴラDF
        柳沢      大黒       ↑ 
                         松井
                         
                        ○アンゴラDF

この松井の「2列目からの飛び込み」による「MFからFWへの転身」がゴールに結びついたと思うわけです。まぁ「2列目」や「トップ下」の選手の動きとしては何ら特別なものでもないかもしれませんし、改めて言及するようなことでもないかもしれませんが、実はこの「2列目の選手のFW的なオフザボールの動き」ってのは、今のジーコ日本代表はあまり見られないような動きに思えるんですよね。もっと言えば、中田英&中村にそういう動きや意識が少ないように見えるってことです。まぁどうしてもこの2人が「パスの出して」「使う側」となるケースが多いので必然的にそうなってしますところもあるんでしょうけど、やっぱ「自らシュートを打つ」という意識は低い気がするんですよ。ちなみに、そういう「2列目のFW的な意識」という面で言えば、小笠原のほうが上であると思ってます。もちろん中田英、中村はゲームメイカーとしてすばらしいですし、ジーコ日本代表の屋台骨であるのは言うまでもないことですが。

ちなみにあの得点シーンで松井がゴール前にいたのは、その直前の松井のプレイの延長であったりします。松井がどんあプレイをしてたかって? それはパスをペナルティエリアで受けてのシュートでした。シュートを打ってそのまま、ゴール前に残っていたんですよね。松井のシュートの意識と、ゴールへの意識。これがゴールを生んだと思う1つ目のポイントだと思う次第です。

■松井のゴールのポイント②:「意図」「狙い」があるセンタリングと、「FWとの共通認識」がある攻撃

続いて2つ目のポイント。これは中村と柳沢の「センタリングをファーサイドで折り返す」という共通意識です。中村がサイドでボールを受けた時、パスの選択肢はいろいろありました。そのままゴール前の大黒へピンポイントのセンタリングか、ゴール前にいた松井とワンツーか、または柳沢がゴール前で直接ヘディングを狙える位置へセンタリングを出すなどなど。で、そこで中村が選択したのは「柳沢がファーサイドからゴール前へ折り返せるようなボールを出すこと」でした。で、柳沢もたぶん中村と同じことをイメージしていたのでしょう。

今日はFWをよく見るようにした。本当はもうちょっとダイレクトパスをポンポンとつなぎたかった。選手間の距離を縮めれば、そういう形ができたと思う。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/headlines/20051116-00000030-spnavi-spo.html

まぁ中村のこういう意識がこのセンタリングを呼んだのかも知れません。兎も角、言いたいのは「適当にゴール前に放り込んだ」センタリングではないということ。つまり「意図」「狙い」がありセンタリングあり、「FWとの共通認識」がある攻撃であったこと。これがゴールに結びついた2つ目のポイントであると思うわけです。

■「ニアサイドでの勝負」と「ファーサイドでの仕掛け」というジーコジャパン攻撃陣の狙い

このアンゴラ戦の日本代表の攻撃には、「狙い」「意図」が見えるものが多かったように思えました。特に前半。たとえば高原の「ポスト直撃シュート」のシーンなどがそうですが、その狙いとは「低くて早いセンタリングをニアサイドに」というものでした。サントスの左サイドからのセンタリングは、明らかに「ニアサイド」を狙うものであったし、高原、柳沢もそんなサントスの注文どおりの「ニアサイドでシュートを狙う」動きをしていたわけです。

惜しくもゴールにはなりませんでしたが、この「ニアサイド勝負」という狙いは正しいと思う次第です。

 高原・柳沢が闇雲に「高さ」で勝負しても競り勝てないと思いますし、彼らのよさである「動き出しの速さ」を生かすなら「ニアサイド」なわけです。

ただ、中村はそんな「ニアサイド勝負」にプラスして、もう1つの「狙い」があったわけです。それがゴールに繋がった「ファーサイドの折り返し」という直接ゴールを狙うものでなくワンクッション置くセカンドアシスト的なものであったわけです。この「ニアサイドでの勝負」と「ファーサイドでの仕掛け」という2つの攻撃パターンは、ドイツW杯でも間違いなく重要なものになることでしょう。さらに共通認識と連携を深めてもらいたいものです。

■高原。「彼の日でなかった」だけなのか? それとも「自信」のなさの影響か?

最後に高原。「ニアサイド勝負」という狙いと意図は評価したいです。そのシュートを打つまでの動きもすばらしい。ですが、やっぱ「ゴールを決めないと」評価できないのがFWたるもの。まぁ本人が一番わかっているんでしょうが、「惜しい」ってのは意味がないんですよね。ラトビア戦で決めたゴールはすばらしかったですが、まぁどんなゴールでも決まればすばらしいものなわけです。
その昔、元ブラジル代表のリバウドがこう言ってたのが記憶に残ってます。

「どんなスーパーシュートであっても、ごっちゃんゴールでもゴールはゴール。同じようにうれしい」。


高原がJリーグで得点王になったのは何年前の話でしたっけ? ハンブルガーSVへ行く前であったと思いますが、あの頃の高原は自信に満ち溢れていたように見えたわけです。ふてぶてしさが、頼もしくも見えたわけです。で、ドイツへ移籍して以降の高原ですが、残念ながらそういった「自信」や「ふてぶてしさ」が消えてしまったように思えます。まぁ結果が出てないので自然とそうなってしまったんでしょうが、そういった自信のなさみたいなのがポスト直撃という結果となっているような気もする次第です。もちろん、ゴールには運、不運というものがあると思いますし、アンゴラ戦は「高原の日でなかった」というだけのことかもしれませんがね。
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