チャンピオンズリーグ「ベティス対チェルシー戦」雑感  ゲームプランの遂行とランパード潰し

モウリーニョ監督は「まるでいいところがなかった。わたしが監督になって15カ月で最悪の試合だった」と切り捨てた。http://www.nikkansports.com/ns/soccer/f-sc-tp0-051102-0001.html

あらら、モウリーニョ監督としては珍しいくらいに潔い敗戦の弁を残してます。最悪でも引き分けで終わりたい試合だったわけで、やっぱ敗戦はショックだったのでしょう。チェルシーにとってベティスとの2連戦は、グループリーグ突破のカギであったわけです。できれば2連勝、もしくは1勝1分で終えたかったわけですが、やはりそんな簡単な相手ではなかったというところでしょうか? 試合を振り返ってみます。

■試合開始前:両サイドバックの変更とグジョンセンのFW起用というモウリーニョの意図は!?

チェルシーのスタメンは先週のブラックバーン戦から少し変えてきました。ローテーション制ってヤツでしょうか? GKはチェフ、DFはフェレイラ、カルバーリョ、テリー、ギャラス、MFはエシエン、マケレレ、ランパード、FWはジョー・コール、グジョンセン、ロッベン。SBを右にフェレイラ、左にギャラスに変えデルオルノはアウト。そしてFWにグジョンセンとロッベンを起用。クレスポは怪我? 温存? 詳細はわかりませんが、もしクレスポが怪我でないとすると、グジョンセン起用の理由はカウンター狙いというところでしょうか? それとも単なるローテーション? 結果論から言えば、このモウリーニョの選手起用法&戦術が敗戦の始まりであった気もする次第です。

■前半①:ベティスの「ラナパード潰し」と、チェルシーのカウンター狙い!

前半。ベティスの戦い方は基本的に前回と同様でした。最終ラインを果敢に上げ中盤のスペースを消して中盤をコンパクトにし、積極的に前からプレッシングをかけるというのは前節の戦い方と同様でしたが、その戦略にチェルシーが苦しむことになります。ブラックバーン戦で効果的なサイドチェンジを行っていたランパードでしたが、この試合ではベティスのプレッシングに苦しみ、うまくボールを裁けない感じでした。パスミスやインターセンプトが多かったです。「ランパードをつぶせ!」。たぶん、この日のベティスの守備戦術の1つはこれだったことは間違いないでしょう。で、それを見事にベティスの中盤が実践するわけですが、まぁたぶんモウリーニョ的にはそのベティスのランパード潰しは想定の範囲内であったと思う次第です。

ベティス戦のモウリーニョの戦い方は、たぶんカウンターサッカー!

ベティスに中盤を支配されポゼッションを許してもOKなので、最後のところで守りきってカウンター。ベティスの高い最終ラインの背後を、ロッベン&ジョーコールのスピードを生かして突破するというものであったと思う次第です。たとえば前半7分にロッベンがオフサイドトラップにかかかるのですが、その時のベティスの最終ウインの位置はなんとハーフウェイラインの近く。リスクを覚悟でかなり積極的にDFが押し上げている感じでしたが、このベティスの高いDFラインの背後のスペースこそチェルシーの狙いだったと思いました。でグジョンセンのFW起用は、得意のダイレクトプレイのパス回しやスペースメイクでカウンター攻撃の基点としたかったためと思ったのですが、この日のベティス守備陣は気合も集中力もあり簡単にカウンターを許さない感じでした。9分、13分にロッベンがバレラ(?)とサイドで1対1の状況を作り出しますが、どちらも突破できません。ベティス守備陣がよかったことがその最大の理由ですが、ロッベンがまだ本調子でなく本来のキレがなかったようにも感じましたが、それは厳しい見方でしょうか?

■前半②:ベティスに2人の負傷交代というアクシデント! ですが先取点はベティスに!

という感じで、ベティスが「ランパード潰し」で中盤を制し、チェルシーがカウンターからロッベンの個人技でチャンスをうかがうという展開で前半中ごろまで進むことになりますが、ここでベティスにアクシデントが発生。前半20分にDFのナノ、25分にFWのオリベイラが相次いで負傷交代することになります。特にオリベイラの交代はベティスにとっては痛く、チュルシーにとってはラッキー(というと失礼?)なものでしたが、この交代から試合が動くことになります。前半27分に、なんとその負傷交代というアクシデントに見舞われたベティスが先制することになります。左サイドでカピがボールを持ってペナルティエリア内にゴロのセンタリング。このボールに対してスペースに走り込んできたエデゥがゴール中央でスルーして逆サイドのダニへ。このボールをダニが冷静に流し込んでゴール。ベティスが先制します。このゴール、確かにベティスがうまかったとは思いますが、チェルシー守備陣の対応がイマイチであったのも確かでしょう。



                          ○GKチェフ

                ○CBカルバーリョ     ○CBテリー    ○SBギャラス
                                     ●ダニ
       ○SBフェレイラ             ●エドゥ
                              ↑
       ●カピ       ○MFマケレレ   ○MFエシエン 

問題は後方から走りこんできたエドゥへの対応の仕方であったと思うのですが、この失点シーンをよく見ると飛び込んできたエドゥに対しテリーが対応へ行ってます。その結果それまでテリーっがマークしていたダニがフリーとなってしまったわけです。つまりエデゥ&ダニの2人に対して、チェルシ-がテリー1人で対応せざるをえなかったのが失点の差最大の原因であったと。後方から走り込んできたエドゥに対して、その近くにいたエシエンが追ってケアするべきであったと思うのですが、それは厳しい要求でしょうか? よくVTRを見るとこのシーンでマケレレがエシエンに後ろをケアするように合図送っているんですよね。でエシエンはちらっと後ろを見るのですが…どうやらエドゥの動きが察知できなかったみたいで。要はテリーとエシエンの間のバイタルエリアがぽっかりと空いていて、そこをエドゥに突かれたということなんでしょう。このDFとMFの間のスペースは通常はマケレレが埋めているわけですが、かといって年がら年中そのスペースを埋めているわけではないわけで、状況によって他の選手がケアするべきなんでしょう。と考えるとやっぱエシエンがエドゥをケアすべきだったと思うのですが…、もしくはカルバーリョ?そういえば、この時カルバーリョは中途半端なポジショニングであったようにも感じましたが、いかに?? (ちなみにこの失点シーン、ボルトン戦での失点シーン同様に左サイドから崩されています。ペナルティエリアの外側からのグラウンダーのセンタリングというのは現段階でのチェルシーの弱点かもしれません。)

■前半③:チェルシーが反撃! グジョンセンがGKと1対1となるがシュートミス! 痛かった

先制されたチェルシーが当然のごとく反撃します。前半38分にフェレイラ→グジョンセンとつないで、前線へスルーパス。ジョー・コールがDF裏をうまく抜け出してシュートを放ちますがGKに防がれてしまいます。続いて43分。今度はカウンターからテリーが前線へスルーパス。グジョンンが抜け出してGKと1対1となりますがシュートは枠に飛ばずゴールならず。はっきりいって、このシュートミスは痛かったわけですが、このまま前半終了。1-0ベティスリードで折り返します。

■後半①:後半頭からドログバ&SWPの投入! モウリーニョが動きますが…

後半。モウリーニョが動きます。グジョンセン→ドログバ、ジョーコール→SWPと一挙に2人交代します。この交代、簡単に言えば「カウンターサッカー」から「ポゼッションサッカー」への変更という事でしょう。リードされているチェルシーは点を取らないといけないわけで、そのためにはボールを支配して積極的に攻撃を仕掛けていかないといけないわけです。反対にリードしているベティスは、ある程度の時間が過ぎれば引いて守備を固めてくるわけで、そうなるとカウンター狙いではゴールするのは厳しくなるのは必然です。後半開始早々、早くもその交代した2人がチェンスメイクします。右サイドをSWPが突破してドログバへ。惜しくもセンタリングと合わずシュートを打てませんでしたが、チェルシーが積極的に攻めて出ます。ですが、この日のチェルシーの攻撃はどうもチグハグでした。その理由は前半から申しているベティスの「ランパード潰し」で中盤が作れないから。57分にランパードがベティス守備陣3人に囲まれインターセプトされてしまうのですが、ランパードが徹底マークされた時の対処法は残念ながらこの日のチェルシーにはありませんでした。これについては後ほど書きます。

■後半②:3枚目のカードでダフ投入! エシエンのシュートはポスト&ポスト

後半64分。モウリーニョが最後のカードを切ります。ロッベンに変えてダフ投入。結局、この日のモウリーニョは「4-3-3」のシステム変更はなしで終えるのですが、最後にテリーを前線に上げるくらいならグジョンセンを残しておいてもよかったような気もするのですが、いかに? まぁそれは置いておいて怪我から復帰したばかりのダフがひさびさの登場となります。彼の復帰はうれしいですね。ほんと。で、そのダフがさっそくチャンスメイクします。ランパードからのスルーパスに左サイドを抜け出してセンタリング。ドログバは届きませんでしたが、逆サイドのSWPにこのボールが渡りふたたび中央へセンタリング。このボールをエシエンがDFと交錯しながらシュートしますが、ボールは右のポストと左のポストを叩いてGKのもとへ。惜しくもゴールならず。さらに後半77分。最終ラインからテリーがドリブルで積極的に攻撃参加。中央でエシエンにパスして、ダフとのパス交換から再びエシエンがペナルティエリア内でボールを受けシュート。GKが弾いてゴールというシーンがありましたが、このゴールはエシエンのDFへのファウルが取られて無効。まぁ確かにエシエンの腕がDFにかかってますが、ちょっと判定が厳しいような気もしました。終了間際にテリーを前線に上げてパワープレイに出ますが、結局そのまま試合終了。ベティスが1-0で勝利という結果に終わりました。

■総括①:今シーズンのチェルシーは大勝はできるが、ゲームプランどうりに戦えない!?

ブラックバーンには勝ったものの、エバートン、チャールトン、そしてこのベティスとどうも勝てない最近のチェルシ-。簡単に言えば昨シーズンと比べて「勝負強くない」ってことだと思うのですが、どうも戦い方がチグハグなように見えてしまうんですよね。たぶん昨シーズンなら狙ってスコアレスドローという試合ができたと思うのですが、今シーズンはそういう「ゲームプラン」通りに試合を進められないという感じに見えるわけです。
戦術がハマったり相手の戦い方によっては大勝となりますが、その反面、泥臭い勝ち方が出来なくなってきたとでも言いますか。まぁ過密日程の影響、ローテーション制の影響もあると思いますし、これからそういう戦いができるようにチームが成熟していくとは思うのですがね。うーん。エシエンのところのポジションの問題もあるかもしれませんね。確かにすばらしいパフォーマンスを見せてますがまだ22歳。「若さ」が仇となっているところもある気がしてます。エシエンは加入したもののチアゴ、スメルティン、ヤロジクの3人の中盤が去っていったわけですが、このあたりの選手層の問題が今出ているような気もするのですがね。まぁエシエンとグジョンセンの2枚でも全然OKだとは思うのですがね。

■総括②:ランパードがマークされた時の対処法! というか「マークされないための」対処法について

最後に、先ほど後で述べると言った「ランパードが徹底マークされた時の対処法」について。と言いますか「マークされた時」の対処というよりも「マークされないための」対処についてです。1つ目は、もう1人ゲームメイカーを中盤に置くこと。単純ですがこれがランパードがマークされないための対処法であると思います。つまりグジョンセンの中盤での起用。当然、そうなるとエシエンと交代ということになるわけですが、今現在のエシエンのゲームメイク能力&攻撃力で考えるとグジョンセンのが上かと。守備力は断然エシエンですが。

で2つ目ですが、これはブラックバーン戦の雑感でも書きましたが、それはサイドバックの組み立ての参加&攻撃の参加です。サイドバックが高い位置で基点となれれば、それによってランパードのマークが緩くなるし、ウイングも孤立しないで生きると思うんです。前半38分のジョーコールのシュートは右サイドバックのフェレイラが基点となることで「グジョンセン&ジョーコール」がフリーとなれたと思いますし、後半64分のエシエンのポストと叩きのシーンも基点は左サイドバックのギャラスでした。



       ○ダフ                               ○ジョーコール
  
              ↑               ↑
    ↑       ←○ランパード        ○グジョンセン→     ↑
    ○ギャラス→                            ←○フェレイラ


要はサイドバックが基点となることで中盤とウイングとの間で三角形ができて、パスコースを作れるということなんですが、ベティス戦はあまりSBが上がれなかったのが敗戦の原因であったと思う次第です。まぁなぜ上がれなかったかと言えば、それはベティスのウイングを警戒&ケアしていたからであって。まぁ仕方がないといえばそうなのですがね。
ということで、まとめますとランパードが潰されないための対処法は主に2点。
■グジョンセンの中盤での起用
■サイドバックが高い位置で基点となってランパードのマークを軽減する

要は相手がランパードに2人、3人とつければ、それに伴って「フリー」となれる選手が出てくるわけで、その選手がゴールを裁けばいいということですがね。

■総括③ :敗戦は前年ですがチャンピオンズリーグが終わったわけではない

というわけで厳しい敗戦となってしまったベティス戦ですが、この敗戦で今年のチェルシーのチャンピオンズリーグが終わったわけではありません。修正するところは修正し、反省するところは反省して、この敗戦を無駄にしないでチームレベルのワンランクアップを図ってもらいたいです。そしてグループリーグ突破に向けてがんばってもらいたいですね。
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