欧州CLグループリーグ最終節「チェルシー対リバプール戦」雑感 リバプールの堅守とチェルシーの課題!

うーーん。やっぱ今シーズンもポゼッションからの攻撃でリバプールの守備陣を崩すことはできないのでしょうか? まぁチェルシーの攻撃陣はドログバ、ロッベンがまだ本調子でないし、リバプールキラーのジョーコールや天性のストライカーであるクレスポがいなかったという影響もあったとは思いましたが…。

■個人的にはもっとリスクを冒してでも攻めにいってほしかったですが、ジョーコール&クレスポ抜きでは厳しい?

CLグループリーグ最終節。チェルシー対リバプールの一戦は、残念ながらリバプールの狙い通りのドローという結果で終わってしまいました。まぁどちらのチームもすでに決勝トーナメント進出を決めており、お互いそれほど「無理して勝利を狙わない」戦い方をした結果の必然のドローであったようにも見えました。ただねぇ、個人的には「勝利以外には順位に変動がない」チェルシーには、もっとリスクを冒してでも攻めにいってゴールを狙ってほしかったというのが正直なところ。まぁクレスポ&ジョーコールがいなかったのでモウリーニョ的には「攻撃的な交代策」ができなかったのかもしれませんが、後半途中でダフ&ロッベンを同時に引っ込めた時点で試合終了と思った人は私だけでしょうか?

ということで、あまり語ることがないこの試合ですが、軽く振りかえってみます。

■試合開始前:スタメンはSBの変更あり。リバプールは予想通りのワントップ

スタメンですが、チェルシーはSBが変更。右にパウロフェレイラ、左にギャラスが入りその他は選手末のボロ戦と同様の「4-3-3」。対するリバプールはやはりワントップできました。モリエンテスはベンチでクラウチがスタメンの「4-2-3-1」。ジェラードは右サイドでルイスガルシアがトップ下。

■前半①:試合のレポートの前に改めてリバプールの守備の堅さについてちょいと

ポゼッションから攻撃するチェルシーと、カウンター狙いのリバプール。試合展開は終始こんな感じだったと思っているのですが、この試合では改めてリバプールの守備の堅さを思い知らされたという感じでした。といことで、まずはそのリバプールの守備システムについてちょいと。

この日のリバプールの守備はいつもながらの「対チェルシー対策」がバッチリという感じ。基本的には最終ラインを高く設定し「中盤をコンパクト」にして、組織的なプレッシングでチェルシーの中盤を自由にさせない守備戦術というヤツです。で、リバプールの守備組織で最もすばらしいところは「最終ラインのポジション設定」が絶妙なところだと思う次第です。最終ラインの位置取りが「高すぎず、低すぎず」とでも言いますか、チェルシーの3トップのドログバ、ダフ、ロッベンを「無力化」するライン設定とでも言いますか。

■前半②:ウイングやFWが前線でボールを受ける際の「オフザボール」の動きをおさらい

ちょっと前にも書きましたが、ウイングやFWが前線でボールを受ける際の「オフザボール」の動きは、大きく分けて2つ。1つは相手ゴールとDFを背にして、味方のほうを向いて「相手DFの前=DFとMFの間のスペース」でボールを受ける、そしてもう1つは相手DFの背後を突いて、相手ゴールの方を向いて「スペース=DFとGKの間のスペース」でボールを受けるか。大雑把に考えれば、この相手最終ライン=DFの「前」か「後」かの2つであると言えると思ってます。

で、簡単に言えばリバプールの守備は、この最終ラインの前後を自由にさせない守備なんですよね。

■前半③:リバプールの「最終ラインのポジション設定」とチェルシーの3トップの関係

例えば、ダフやロッベンやドログバが後ろを向いて「ポストプレイ」をしようとします。すると、リバプールのDFは後ろからプレッシャーをかけ、さらにMFやSHの選手もそれに連動して「複数でボールを持つプレイヤーを囲む」わけです。さすがのチェルシーのFW陣も「1対2」とか「1対3」の状態では何もできず、味方のDFへバックパスもしくは最悪の場合ボールを取れてしまうということになるわけです。これってつまり、チェルシーの攻撃から考えると「前線で基点が作れない」もしくは「タテパス、クサビのパス」が通らないってことになるわけです。

ではリバプールDFの「前」で基点が作れないなら、「後=裏のスペース」はどうか?? 例えばチェルシーの攻撃陣は、リバプールのGKとDFの間のスペースへスルーパスを狙ったりロングボールを放り込んだりしてダフ、ドログバ、ロッベンを生かそうとします。が、コレに対してリバプールの守備は「オフサイドトラップ」を仕掛けたり、仕掛けない場合はGKと最終ラインの4人の連携でスペースを消すという対応で、この「DF裏のスペース」も使わせないわけです。

これは先ほど言ったような「最終ラインのポジション設定」が絶妙なのがポイントであると思う次第です。例えばバルセロナやトルシエ日本代表の時みたいに最終ラインをかなり高く設定すると、攻撃側はそのGKとDFの間のスペースを使いやすいわけですし、逆にあまりに低く設定してしまうと今度はDFとMFの間のスペースを使われてミドルシュート等を打たれてしまうわけです。

■前半④:引いたプレッシングと「GK」「DFライン」「MFのライン」の3つのラインが連動できるような陣形

つまりGKと連携できるくらいの位置までDFラインが下がって「最終ラインを形成」し、その最終ラインと連携できるくらいまでMFの選手がポジションを取る。「GK」「DFライン」「MFのライン」の3つのラインが連動できるような陣形を敷いて守ることで、FWやウイングが使えるスペースがなくなり「無力化」すると。まぁこんな感じです。




                 ●GKレイナ             ←GKの位置

      ※最終ラインの位置をある程度低く設定。その結果

  ●フィナン    ●ギャラガー    ●ヒーピア    ●トラオレ←最終DFライン
    
      ※MFは最終ラインの4人と連動できるポジションを取る
    
   ●ジェラ-ド   ●ハマン    ●シソコ    ●リーセ ←MFライン
この最終ラインを低く設定する「引いたプレス」守備は、リバプールのみならずチェルシーでも採用している守備陣形で、この2チーム意外にも多くのチームが採用している守備戦術なわけです。が、この「引いたプレス」守備を完全に使いこなしているチームは、そんなにないようにも思う次第です。で、その使いこなしているチームの中でも特にミラン、リバプール、チェルシーの3チームは「別格」であると思っているのですが、その「別格の2チームが対戦するわけですから、それは点が入らないわけです。

えっ? アンフィールドでの前回の対戦は「4-1」だったじゃないですかですって?

確かにあの試合はチェルシーが4点取ったのですが、その得点はリバプールのミス絡みではあったんですよね。まぁどんな守備組織でもミスが出れば点が入るというもの。

■前半⑤:前半早々リバプールの守備陣のミスからチェルシ-がチャンスメイクスルが…!?

というわけで前振りが長くなりましたが、昨日の試合に戻ります。実は開始早々にリバプールの守備陣のミスが出てチェルシ-がチャンスを作ってます。前半6分ですが、リバプールのGKがキックミスし、そのボールがダフへ。DFと交錯してこぼれたゴールがゴール中央に位置していたランパードの下へ転がります。このボールをランパードがペナルティエリアのちょい外からシュートを打ちますが…、シュートはGKの正面。こういう相手のミスから生まれたチャンスをものにできていれば、試合の展開は変わっていたとは思いますが、この日のランパードのシュートには正確性&ちょっとした運もありませんでした。

その後、リバプールの「引いたプレス」にチェルシーは手こずります。ランパードのサイドチャンジパスを駆使してリバプールの守備陣を揺さぶり、守備が少しでも薄くなったところで起点を作って、崩すというセオリー通りの攻撃をしかけますが、なかなかチャンスメイクができません。対するリバプールですが、中盤のプレスからボールを奪ったらクラウチへロングボールといういつもの攻撃で対抗。カルバーリョが対応するものの何度かクラウチに競り負けピンチを迎えますが、テリーの体を張った守備とリバプールに負けない「引いたプレス」でゴールを守るチェルシー。ここまでの試合展開はリバプールペース。

■前半⑥:ジェラードのポジションチェンジとチェルシー守備陣の対応!

そして迎えた前半30分にリバプールがビックチャンスを迎えます。パスカットからサイドから中央のバイタルエリアに位置していたジェラードにパスが渡り、ジェラードが基点となって左サイドでフリーになっていたリーセへ。リーセがミドルシュートを放ちますが、このシュートをチェフがファインセーブ。チェルシーの守備陣が完全に崩された「ゴールになってもしょうがないシーン」であったと思った次第です。



                        ○テリー 
    ○フェレイラ          ○カルバーリョ         ○ギャラス
            ●リーセ           ●クラウチ     

                     ●ジェラード ←←←(右サイドから中央へ)

この試合で右サイドの「ウイング」に位置していたジェラードですが、攻撃のときにはたびたび中央へポジションチェンジしていたのですが、この動きにチェルシーのDF陣が対応できなかったところが何度かあったんですよね。マンマーク気味にSBのギャラスがそのままジェラードに付くのか、それともMFのエシエンやランパ-ドがケアするのか? このジェラードが中央へポジションチェンジした時の対応がまずかったと言いますか、そのギャップをリバプールに狙われたとでも言いますか。

■前半⑦:グジョンセン、ランパード、ロッベンの3人でチャンスメイク! ポジションチェンジを駆使した攻撃

危うく先制点を奪われそうになったチェルシ-でしたが、前半終了間際の41分に絶好のチャンスが訪れます。グジョンセンがうまく中央を抜け出して、バイタルエリアへ進入。中央にいたロッベンが左へオフザボールの動きをし、さらに後ろからランパ-ドが走り込んできて3対2の状況を作り出しますが、ランパードへのスルーパスは通らずGKのレイナに阻まれゴールならず。




      ○ロッベン        ●ヒーピア    ○ランパード
             ●ギャラガー           ↑
                 ○グジョンセン    ↑
                   ↑         ↑   

このシーンですが、中央のバイタルエリアにグジョンセン、ランパード、ロッベンの3人がそれぞれ攻撃参加&ポジションチェンジして位置して攻撃が機能したと思う次第です。リバプールのジェラードのポジションチャンジでも同様ですが、やはり攻撃においては、こういった意外性といいますか、ポジションチェンジなどを駆使して「形を崩して」相手DFとのギャップを作ることができるか、リバプールやチェルシーなどの堅守を誇るチームを崩すためには必要であるということなんでしょう。たぶん。

■後半:アーリークロスからロッベン、ランパードがシュートを狙うも枠を捉えられず!?

後半。チェルシーはSBにデルオルノを投入。多少は攻撃的にいく意図でしょうか?

そして開始早々の後半47分にチェルシーが絶好のチャンスをつくります。右サイドのギャラスからアーリークロスがフォーサイドで待つドログバへ。後ろから走り込んできたロッベンが至近距離からシュートを狙うも、惜しくもサイドネット。これは非常に惜しいシーンでしたが、もう少しロッベンのシュートに「正確性」があればゴールでしたが、ボロ戦と同様に枠に飛ばずノーゴール。調子のいいときなら「枠には飛んでいた」と思うのですが、この日のロッベンはまだ「いつものロッベン」ではありませんでした。後半になって「ロングボール」や「アーリークロス」からチャンスメイクするチェルシー。66分にはまたもやアーリークロスからチャンスを作ります。今度はロッベンが右サイドから放り込んだボールをグジョンセンがゴール前でスラして逆サイドのダフへ。ダフが中央へ戻して後ろから走り込んできたランパードがシュートを打つもこれまた枠を捉えずノーゴール。この日のランパードは力が入りすぎていたのか、珍しく「らしくない宇宙開発シュート」を何本か放ってました。また、後半の75分にはグジョンセンのロングボールにオフサイドラインギリギリで抜け出したにも関わらず「オフサイドの判定」を受けてしまい、その判定に文句してイエローカードをもらうおまけ付き。この日は「彼の日ではなかった」ということなのでしょう。

という感じで試合は後半、リバプールはほとんど攻めることなくチェルシーが攻めるもののフィニッシュに精度を欠きスコアが動かず。74分にチェルシーがダフ&ロッベンを下げて、カールトンコールとSWPを投入すると、チェルシーは「ロングボール放り込み」しか手立てがなくなりそのまま試合は終了。リバプールの思惑通り「0-0のドロー」という結果で終えました。

■総括:ベニテスのコメントがすべて! 「シュートの精度」「リスクを冒したポジションチェンジからの攻撃」などが今後の課題?

試合後、両チームの監督が公式HP上で語り、首位通過を果たしたリヴァプールのベニテス監督は「ほかのチームより勝ち点が上回ったのだから、我々がトップに相応しいということだ。無失点で終えられたし、カウンターからも何度かチャンスを作れた。いい試合ができたと思うよ」と自信のコメント。一方、チェルシーのモウリーニョ監督は「1位か2位かなんていうことは私には関係ない。ただ、今日の試合に勝てなかったのは悔しいね」と、ホームで勝ち切れなかったことを嘆いた。http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=worldsoccer&a=20051207-00000094-ism-spo

ベニテスのコメントがすべてでしょう。チェルシー的にはなんとなく昨シーズンのCL準決勝での敗退を思い起こすような展開でしたが、あの試合同様「ポゼッションからの崩し」ができなかったことは残念でした。「シュートの精度」「リスクを冒したポジションチェンジからの攻撃」などが今後の課題というところでしょうか? この試合ではまたしてもリバプール守備陣を崩せませんでしたが、なんとか次の対戦では「崩して」ゴールしてもらいたいです。プレミアリーグでも、CL決勝トーナメントでもいいですので。まぁアンフィールドで4-1で勝ったときのような「プレッシング&カウンターサッカー」でも勝てればそれでOKなのですけど。

最後にハマンのこのコメントについてですが、私はチェルシーファンですが同意するところはあります。エシエンの守備はすばらしいと思いますが、ラフプレイには気をつけてもらいたいなぁと思う次第です。激しいプレイと汚いプレイは違うと思いますから。

また、ゲーム中にはエシアンがハマンの足を踏み付ける悪質なプレーがあった。イエローカードは出なかったが、ロイター通信のインタビューに答えたハマンは「今まで受けたなかで、最悪のタックルだった。足が折れたかと思ったよ」と怒りを露にしていた。
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=worldsoccer&a=20051207-00000094-ism-spo


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