プレミアリーグ第19節「サンダーランド対チェルシー戦」雑感  ロッベンの退場とプレスに苦しんだ攻撃陣

 サンダーランドに先制点を許すという「まさか」の展開でしたが、その後慌てずに2得点して逆転。なんとか「勝ち点3」をゲットできて、最低限のノルマを果たせたというところでしょうか。まずは試合後のモウリーニョのコメントから。
チェルシーのモウリーニョ監督は公式HP上で、「きれいな試合ではなかったが、我々にとってはいいゲームだった。今日そうしなければならなかったように、我々はプレイしなければいけないときにプレイし、戦わなければならないときに戦う」とコメント。また、ロッベンの退場については「私は選手がファンと喜んでいるときのイエローカードが好きではないが、それがルール。適応しなければいけない」と語った。http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=worldsoccer&a=20060116-00000020-ism-spo

「いいゲーム」というのは勝てたからでしょうかね。ちょっと翻訳がわかりにくい部分もあるのですが、アフリカネーションズカップで主力が抜けていることとかも含めて「そうしなければならなかった」と言っているのでしょうか。まぁそれはどうでも言いとして、モウリーニョもコメントしているロッベンの退場についてちょいと。

■序章:ロッベン退場について! スポンサーとお客さんのどちらが大切? それは当然…!?

hinakiさんのブログにいろいろな方のコメントなどが出てますので、こちらも参考にしてもらいたいですが、要はゴール後にロッベンのパフォーマンスがイエローカードとなり、そのカードが2枚目で退場となったということです。そのパフォ-マンスとは広告看板を乗り越えてお客さんと抱擁した行為だと思うのですが、確かFIFAルールでは広告看板を乗り越えるのがイエロー対象だったような気がするのですが違いましたって? FAのルールとFIFAのルールが同じかどうかわからないですが、私もモウリーニョと同様「選手とファンが喜んでいるときのイエロー」は好きではないです。今回のロッベンの「看板乗り越え」パフォーマンスと同様に「シャツ脱ぎパフォーマンス」もイエロー対象なわけですが、これらのイエローは「スポンサー主(広告主)のためのイエロー」であるとも言われてます。つまりゴール後の1番選手が目立つシーンで「ユニフォームのメーカーマーク」が見えないのはスポンサー様に対してけしからんし、同様に広告看板が見えないのもけしからんというわけです。言わんとしていることはわかります。確かにスポンサーは大事です。ただ忘れてならないのは、プロスポーツ(サッカー)というのはファンやお客さんあってのものということだと思うんです。ファンやお客よりもスポンサーの意向が優先されるってのは、やっぱ筋違いだと思うわけです。何をケツノアオイこと言っていると思われる方もいるかもしれませんが、そういう「基本的な考え」は重要であると思うんですよね。

■スタメン:アフリカネーションズカップの影響はあまりなし? クレスポワントップ&グジョンセンがMF

ってことで試合とは直接関係ない「ゴール後のパフォーマンス」についてから書きましたが、ここから試合について振り返ってみます。まずスタメンですが、チェルシーのメンバー大きな変更はなし。GKチェフ、DFは右からギャラス、カルバーリョ、テリー、デルオルノ、MFはグジョンセン、マケレレ、ランパード、FWはジョーコール、クレスポ、ロッベンでした。サンダーランドは勉強不足でよくは知りませんが、元ブラックバーンのステッドと、元リバプール(その後フランスのどこか)のルタレクの2トップと、元アーセナルのSBホイトが出てましたね。

■前半①:サンダーランドのプレッシング守備に苦しむチェルシー。その理由は?

前半。ホームでの戦いということもあってかサンダーランドの守備がすばらしく、チェルシーが攻めあぐねます。激しいプレッシングと惜しみない運動量をベースにした守備は、あまり技術が高くない下位のチームが戦う常套手段なわけですが、そんなサンダーランドのセオリーどおりの戦術にチェルシーがハマってしまいます。

この日のチェルシーは下位のチームと戦うときのセオリーどおり「最終ラインのボール回し」を軸とした「ポゼッションサッカー」を展開するのですが、中盤の3人には厳しいマークがつけられゲームメイクできず、同様にギャラス&デルオルノの両サイドバックからの「タテパス」を狙われてしまい前線になかなかボールを運べない展開を強いられます。

何度も書いてますが、チェルシーのポゼッションから攻撃で1つのポイントとなすのはサイドバックの組み立て参加。サイドバックが高い位置でパスを受けて、そこからウイングやワントップへクサビのパスを入れたりMFとパス交換することで、ボールが回り「ポゼッションサッカー」を展開しやすくなるわけです。ですが、この日はそのサイドバックからの展開をサンダーランド守備陣にことごとく狙われ、インターセプトされたりミスパスを繰り返すことになります。


【チェルシーの両サイドバックからのパスを、インターセンプト狙いするサンダーランドDFの図】
          ○カルバーリョ    ○テリー

  ○ギャラス →×                     ×←○デルオルノ
             ●サンダーランドの守備陣
  ↓                ●サンダーランドの守備陣   ↓
  ×                                    × 
  ●サンダーランドの守備陣                ●サンダーランドの守備陣

本来ならそういう「サイドバックが基点になれない」展開のときは、前線にドログバなどのターゲットマンを置いて「DFラインから放り込んで」相手の中盤のプレスをいなして揺さぶりをかけたりするのですが、そのターゲットマンのドログバは不在。もちろんクレスポも「ターゲットマン」的なプレイもできるわけですが、どちらかというとスペースメイクを得意とするFW。この試合でもサイドバックからクレスポへの放り込みはほとんど見られませんでした。「放り込み」と聞くと「つまらないサッカー」とイメージされる方も多いと思いますが、要は使い様です。相手のプレッシングが厳しいときはそこへのパスを避けて「中盤を省略」するほうがいい場合もあるということです。もちろん闇雲に放り込むのは私もよくないとは思いますが。

■前半②:サンダーランドが先取点! ギャラス&テリーのミスとサンダーランドの狙い!?

サンダーランドの先取点は、そんなチェルシーのサイドバックのパスをインターセプトしたところから始まりました。前半12分にギャラスの縦パスをサンダーランドのSBがインターセプト。そこからカウンターで攻め、左サイドのハーフウェイライン過ぎたあたりからアーリークロスを前線へ放り込みます。テリーが戻って相手FWにヘディングで競りかえって弾き返しますが、そのボールがペナルティエリア内へ上がってきたサンダーランドのローレンスのところへこぼれてしまい、そのままミドルシュートを決められゴール。サンダーランドに先制されてしまいます。ギャラスのミスは上で述べたとおりサンダーランドの狙いだったわけですが、そのあとのアーリークロスからこぼれ玉をミドルというのもこれまたサンダーランドの狙いであったと思う次第です。というか、こういう形かセットプレイからしか、サンダーランドがチェルシーからゴールを奪う手段はなかったと思っているのですが、それがバッチリ決まったというところでしょう。決めたローレンスがすばらしかったと思いますが、あえてチェルシー守備の問題を探すならやはりテリーのクリアミスってことになるんでしょう。あのシーンで優先すべきは「セイフティ」なわけで、中央へ「ヘディングクリア」でなくサイドかあるいはCKとなってもいいのでラインの外へ逃げてよかったのではないかと思うんですよね。昨シーズンのCLポルト戦でも同様の「クリアから拾われてミドルシュート」という失点をしているわけで、これは今後も気をつけてもらいたいなと。まぁ「DFからつなぐ意識」は重要で、うまくいけばテリーのヘディングから「カウンター攻撃」ができるとは思うのですが、やっぱ基本はセイフティだと思うんですよね。

■前半③:チェルシーがすぐさま同点に!? サンダーランド守備陣の限界とギャラスの攻撃参加

先制されたチェルシーですが、前半の28分にすぐさま追いつきます。右サイドをSBのギャラスが「やっと」使えて攻撃参加し、サンダーランド陣の右サイド深いことろからセンタリング。このボールをジョーコールが逆サイドのタッチライン沿いからヘディングで折り返しゴール中央で待つクレスポが押し込んでゴール。この得点は、それまで基点にさえなれてなかったSBギャラスが攻撃参加できたことが大きなポイントでした。その伏線はジョーコールとロッベンの「ポジションチェンジ」。右サイドにポジションを移していたロッベンが右サイドハーフウェイラインあたりからドリブルでボールを持ち込みランパードへパス。このロッベンのドリブルに混乱したサンダーランドDF陣が崩れて、自陣にスペースを作ってしまい攻撃参加したギャラスをフリーにしてしまったのが始まりでした。


                                   ※サイドにスペース
        ●CB    ●サンダーランドCB

                    ←●サンダーランドSB         ○ギャラス
           ○ランパ-ド                        ↑
                   ○ロッベン←ドリブル←          ↑  
                                ↑
                                ↑

まぁ序盤はすごかったサンダーランド選手たちのプレスが甘くなったことや、運動量が落ちてきたこともあったと思います。そして、そのようになって「ファーストプレスが利かなくなる」と、もうサンダーランドの守備陣は機能しなかったりするわけで。先取点までできていたサンダーランドの狙い通りのサッカ-が徐々にできなくなり、チェルシーの攻撃形も徐々にできるようになってきます。

■後半①:前半がウソのようにチェルシーが攻めまくり&シュート打ちまくり!?

後半。前半がウソのように、チェルシーの攻撃陣が機能します。

【後半45分】カウンターからロッベンのパスにクレスポが左サイドでもらいグランダーのシュート。GKのフィンセーブでゴールならす。
【後半46分】右サイドからロッベンが中にドリブルで切れ込みパス。グジョンセンがスルーしてパスをジョーコールが受け取りゴール中央でミドルシュートするも決まらず。
【後半54分】こぼれ玉を拾ったデルオルノがアーリークロス。クレスポがニアでヘディングするも決まらず。
【後半56分】グジョンセンが左サイドで基点となって、ペナルティエリア外で待つロッベンへパス。すばらしいミドルシュートを打つもGKに弾かれる。
【後半57分】カウンターからグジョンセン、ランパード、ロッベンとパスをつないで中央突破。最後はグジョンセンが抜け出すもシュート打てず。
【後半62分】ボール回しからマケレレが珍しく前線へ抜け出し、左サイドからセンタリング。ロッベンが打つも決まらず。

ざっと書いてこれくらいチェルシーが攻撃したわけですが、前半すばらしかったサンダーランドのプレスはまったく機能せず、GKの好守でかろうじてゴールさせないという感じでした。サンダーランドの守備が機能しなくなった理由はいろいろあると思うのですが、いくつか上げると、①サンダーランドが勝ちにきて無理に攻めて「中盤にスペース」ができるようになった。②ランパード&グジョンセンのパス回しが速くなり&ボールを持てるようになった。③ロッベン&ジョーコールがサイドに張るのみならず「バイタルエリア」を使うようになり基点となれた。この3点でしょうか? 要はサンダーランドのプレッシングが機能しなくなったってことなんですがね。そして迎えた後半68分。ついにチェルシーが決勝点を奪います。

■後半②:決勝点はロッベン! 決定力あるウイングは好きです! すばらしいです!

ポゼッションからボールを回してマケレレが左サイドから「ズバッ」とサイドチャンジのパスをロッベンに通します。このパスが利いたのですが、パスを受けたロッベンがオーバーラップしたギャラスへパス。右サイドでギャラスが受け、そのボールを再びロッベンへ。ペナルティエリア外でこのボールを受けたロッベンが、狙い済ましてのミドルシュート。このシュートが相手DFに当たってコースが変わりゴール。コースが変わったのはラッキーでしたが、ロッベンのシュートが見事でした。「思いっきりの良いミドル」を打ったその判断、その技術はすばらしいの一言。何度もいいますが、ドリブル突破だけでなく「ゴールできる」ところがロッベンのすばらしさ&すごさなわけです。この「決定力」があるので相手DFにとってロッベンは「怖い存在」なわけで、センタリング上げるだけならそんなに怖くはないと思うんですよ。

このゴール後のパフォーマンスで、ロッベンがイエローをもらい退場となってしまうというのは冒頭で述べたとおり。その後、1人少なくなったチェルシーはフートを投入して守備固め。サンダーランドの放り込みも慌てずに対処してそのまま2-1で逃げ切ります。

■総括:最下位に苦戦したのは「想定の範囲内」!? ポゼッションできれば問題ないですよ

最下位のサンダーランドによもやの苦戦したチェルシーですが、まぁ想定の範囲内な気もします。ドログバ&エシエンがアフリカ選手権で不在な今のチームは、このように相手チームがフィジカルを押し出した「プレッシングサッカ-」に対し「もろい面」があると思ってます。もっとも、この試合の後半のようにグジョンセン&ランパードという中盤のゲームメイカーが自由にボールを持てれば何の怖いものはないと思いますし、ボールポゼッションで優位に立てる相手との戦いなら問題ないようにも感じる次第です。まぁ状況によってはマニシェという中盤のバイタリティあふれるスペシャリストもいるわけですしね。

ちなみに、そのマニシェはまだ試合に出てないわけですが、まぁモウリーニョらしい「かしこいやり方」だと思います。何か怪我人が出るなどの特殊な場合を除いて十分にフィットしてから徐々に使っていくと思うのですが、絶対にどこかのチームみたいに移籍してすぐに先発で出すなんて真似はしないわけです。しかもダービーマッチとかいう厳しい試合では絶対にね。後半のロスタイムにクロンカンプを出したリバプールのベニテスもモウリーニョと同様の考えの持ち主だと思うのですが、そのような使い方がいいと思うんですがねぇ??
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