FA杯「エバートン対チェルシー戦」雑感 「超攻撃的3バック」の機能性とランパードの技術!

なんか試合展開的に昨シーズン敗退したFA杯ニューカッスル戦に似ていたもので、いや~な感じがしていたのは私だけ? 正直、後半70分あたりで半分くらい負けを覚悟してました。なので、引き分け再試合で、もう全然OKです。やっぱカップ戦は何が起こるかわからないし、カップ戦勝つには「運も必要」だな~って改めて思ったしだいですが、このいわゆる「負け試合」で引き分けに持ち込めたことは、ある意味チェルシーに運があることかもしれないなんてポジティブに思ったりして。というわけで苦戦したFA杯4回戦エバートン戦を振り返ってみます。

■スタメン:CBはギャラス&マニシェが先発! エバートンの2トップはダンカン・ファーガソン&マクファーデン!

カルバーリョが出場停止のこの試合。代役のCBはギャラスでした。事前に私は「フートかギャラスのどちらを使うかで、FA杯への意気込みがわかる」って書いたわけですが、その理論で行くと「FA杯も疎かにしない」ってことになるんでしょうか? そのフートの代わりと言ってはなんですが右SBにグレンジョンソンが起用され(笑)、さらにMFにマニシェの名が(グジョンセンが体調不良?)。というわけでチェルシーのスタメン。GKクディチーニ、DF、グレンジョンソン、ギャラス、テリー、デルオルノ、MFマニシェ、マケレレ、ランパード、FWジョーコール、クレスポ、ロッベンの4-3-3というシステム。対するエバートンは4-4-2で、CBに本来はMFのネビルが起用され、2トップはダンカン・ファーガソン&マクファーデン。ケイヒル&ビーティーは欠場でした。

■前半①:エバートンの「放り込み」がジワリジワリとチェルシーDFを攻略!?

前半の立ち上がりは互角。というか少しエバートンペース? チェルシーはいつものポゼッションサッカーを展開しようとしますが、DF&MFでボールは持てるものの3トップへのボール配給がままならず、なかなかいい形が作れない感じでした。対するエバートンは中央の守備をがっちり固め、どちらかというとカウンター狙いのサッカーを展開。まぁカウンターというか、ボールを奪ったら長身の2トップへのロングボールを放り込むお馴染みの「フィジカルを全面に出した攻撃」&「守備でリスクを冒さない攻撃」が主体で、この試合で絶好調であった左SHのキルバーンを基点に攻めるという感じでした。で、そんなエバートンの「放り込み」がジワリジワリとチェルシーDFに利いてきます。ハーフウェイラインとエンドラインの中間くらいの位置から「長めのアーリークロス」を徹底して入れてくるエバートンの攻撃に苦戦。チェルシーは最終ラインで跳ね返し、そこからの「お得意」のカウンターで応戦する展開になります。そのカウンターから、前半20分にマニシェがミドルシュート、28分&30分にそれぞれクレスポがシュートを放ったりしますが、どれも「得点の匂いはしない」もでありました。

■前半②:エバートンが先制! ゴール前の高さを生かした攻撃に不覚!?

そんな展開でしたが、前半36分に均衡が破れます。なんとエバートンがゴール。執拗に繰り返していたサイドからのアーリークロス攻撃が実を結びます。中央へのロングフィードをマクファーデン&ファーガソンがしっかりとバイタルエリアでポストプレイ。前線で基点を作り、左サイドバックのN・バレンテへバックパスし、フリーでアーリークロスをゴール前へ。このボールにマクファーデンがバッチリ合ってヘディングシュート。これが決まってしまいます。クディチーニは一歩も動けずでした。

なーんか先週のチャールトン戦と似た感じの「失点」となってしまったわけですが、今のチェルシーDFを崩すのはこの方法が一番なんでしょう。というか、もともとエバートンはこういう「ゴール前の高さを生かした攻撃」を得意とするチームなわけで、特に「対チェルシー対策」ってわけではなかったのでしょうが、見事にやられてしまいました。失点の原因はを考えて見ます。主に次の3つでしょうか?
①、(先週同様)MFとDFの間のスペースに基点を作られた。
②、サイドバックのN・バレンテにフリー&余裕を持ってセンタリングを上げられた。
③、そのセンタリングに対し競り負けた。

の3つが考えられます。



                            ×ヘディングシュート
                             ↑    ○デルオルノ
               ○ギャラス  ○テリー  ↑   ↑
                                 ↑   ↑
                    ●ファーガソン     ●マクファーデン
                    (前線で基点)     (後方からの飛び出し)
       ○マニシェ
       ↓
 ●ヌーノバレンテ(フリーでアーリークロス)

そのうち③の「競り負けた」選手とはデルオルノだったわけですが、先週のチャールトン戦とは違い「静観してオフサイドアピールせずに、戻ってヘディングで競った」こと自体は評価したいです。もちろん、ゴール前で競り負けて得点されたのはよくないですが、ゴールを決めたマクファーデンがうまかった&センタリングもすばらしかったわけで、競り負けたデルオルノを責めるのは酷な気もしました。それよりも①と②の方が問題。①では先週同様ギャラス&テリーとマケレレの対応、②ではマニシェ&右ウイングの選手(ジョーコール?)対応がポイントだったわけですが、どちらもこの失点シーンでは対応が後手後手に回っていたように見えました。後手を踏んだ理由はいろいろ考えられると思いますが、個人的にはチェルシーの右サイドを「グレンジョンソン&マニシェ」という守備が下手なSB&まだ慣れてないMFのコンビが担当した影響が出たのかなぁって思ったりするんですよね。この試合、チェルシーの右サイドはエバートンのキルバーン&マクファーデンに再三崩されてました。でその結果、チェルシーの守備組織&マーク対応などがずれて失点シーンに繋がったのではないかと思ったわけです。まぁこの得点はチェルシーのミスというよりも、エバートンの攻撃を褒めるべきなんでしょうけど。このところ、ちょっと崩れているチェルシーの守備ですが、もしかしたら少し修正が必要なのかもしれません。

■後半①:ロッベンは冴えるものの、エバートンの「体を張ったしぶといDF」に苦戦!?

後半です。頭からマニシェのところ変えてくるかなって思ってたのですが、メンバー交代なしでした。この試合のマニシェはチェルシーで2試合目でしたが、まだ本来の出来ではないように見えました。守備はまぁよかったですが、攻撃が……。ドルブル突破を狙ったり、オフザボールの動きでペナルティエリアに入ったり、ミドルシュートを狙うなど、もう少し「積極性」がほしいなぁって思ったんですが、まぁこれからフィットしてくればそういうプレイを見せてくれることでしょう。

ゴールが必要なチェルシーは後半頭から果敢攻めます。後半48分、50分とロッベンがデルオルノとのコンビで左サイドから仕掛けチャンスを作りますが、エバートンGKのマーティンの好守もありゴールならず。エバートンは得点した後はゴール前を固める守備戦術を徹底。中央にチェルシーが使えるようなスペースを作らない守備体系を敷き、チェルシーのシュートに対しては「体を張ったしぶといDF」で対応してました。選手個々の気合も入ったこのエバートンの守備に苦しみ、最後の最後のところで崩せない感じのチェルシー。シュートを何度ブロックされたことか、防がれたことか、弾かれたことか。

■後半②:モウリーニョが動く! ダフ&カールトンコールを投入しおなじみ「超攻撃的3バック」へ!

58分にモウリーニョが動きます。ダフ&カールトンコールの2人を一挙に投入(交代したのはデルオルノとマニシェ)。得意の3バックにシステム変更して攻撃するというヤツです。この交代で流れはますますチェルシーへ。ボールを完全に支配し、一方的に責めまくることになります。まず交代直後の61分。左サイドからのロッベンのクロスに、カールトンコールがゴール中央でボールを落としてクレスポへパス。オフサイドラインぎりぎりのところで抜け出したクレスポがゴール正面でシュートを放ちますが、このシュートは枠に飛ばすゴール裏のスタンドへ宇宙開発。力が入ったんでしょうけど、決めてほしかったシーンでした。続いて64分。今度は右サイドでカールトンコールがボールをキープして、ゴール中央ちょい左側で待つクレスポへパス。パスを受けたクレスポがエナルティエリアライン付近から狙いすましてシュートを打ちますが、このシュートも僅かに右へそれてゴールならず。今日のクレスポは「彼の日ではない」ってヤツでした。さて、この2つのシーンがまさにそうでしたが、カールトンコールという「ターゲットマン」の投入によってチェルシーの攻撃が機能しだします。前線で基点ができるようになったのが大きかったように思えました。



                 ●カールトンコール
             ↑  (前線で基点となりMFなどへ) ↑
  ↑       ○クレスポ   ↓              ○ジョーコ-ル  ↑ 
  ↑           ↑    (パス)    ↑                  ↑
  ○ロッベン    ←●ランパード&●マケレレ(がボールを散らす)→   ○ダフ
                

何度も言う様にクレスポはすばらしい決定力を持つストライカーですが、この日のエバートンDFみたいに引かれた場合はけっこう手こずってしまうんですよね。スペースがないと生きないとでも言いましょうか。まぁスペースがなくてもちろん手こずっても、ワンチャンスをものできる「決定力」をクレスポは持っているわけですが、単純に攻撃の形の形成という面だけで考えればカールトンコールのような「ターゲットマン」のが有益なように感じました。もちろんワントップで「クレスポの決定力」と「カールトンコールのポスト」のどちらを選択するかと言われれば、当然クレスポなんでしょうけどね。

■後半③:ランパードが起死回生の同点弾! トラップ&シュートの選択がすばらしいです!

その後、エバートンのキルバーンにヒヤッとするミドルを打たれるシーンもありますが、さらにチェルシーの「3バック」での猛攻撃が続きます。そして迎えた74分に、ついに同点に追いつきます。3バックの「左」ながら、70分過ぎから果敢に攻撃参加をみせていたギャラスが左サイドを抜け出し中央のランパードへパス。ペナルティエリアでボールを受けたランパードが、ワンタッチで抜け出してDFが詰める前にシュート。味方DFの動きでシュートが見えなかったGKマーティンの横をゴロでボールが通り抜けてゴールとなって、ついにチェルシーが同点に追いつきます。


                     ●GK

                     ○  ●DF      ●DF 
                    ※②ランパードのトラップ&シュート位置
                ●DF     ○
    ○ギャラス →(パス) →    ※①ランパ-ドのボールを受ける位置
    ↑               ●DF ↑
    ↑                    ↑

 

このシーン、ランパードのトラップとシュートがほんと見事でした。ギャラスからパスを受けるときにパスをもらってからトラップしてシュートを打つまでのイメージが出来上がっていたんでしょうが、そのイメージがすばらしいからゴールになったわけです。特に(ワンタッチ目の)トラップがすばらしかった。例えば、あの状況でギャラスのパスをダイレクトでシュートしてたらDFに阻まれてゴールならなかったでしょうし、他の位置にトラップしてたとしても同様だったでしょう。あの左前方の位置に正確にトラップし、相手DFを交わさずにシュート打ったからこそ決まったと思うんですよね。あと、ライナー性の思いっきり打つシュートでなく、ゴロのシュートを打った選択もすばらしかった。このあたりの2列目から飛びこんで決めれる「ゴールの嗅覚」は、ランパードの一番のすばらしさではないでしょうか?? あと、ギャラスの攻撃参加も見事でした。本人はCBのが言いと言っているみたいですが、現状ですとSBのがいい仕事しているよなぁ(笑)。このランパードへのアシストは ほんと見事でした。

というわけで同点としたチェルシーでしたが、ここですぐさまモウリーニョが試合をクローズさせます。ジョーコールに変えてフート投入し、3バックから4バックへ戻します。まぁFA杯は「引き分け再試合」なわけで、それを見越しての「無理しない采配」は妥当でしょう。「3バック」でこのまま続ければ、エバートンの「放り込み」にまさかの失点を食らう可能性はあるわけで、高さのあるフート投入して「あわよくば勝利を狙うが再試合で基本OK」というのは理に適っていたかと思いました。その後チェルシーがロッベン&ダフのコンビから何度か決定機を作り出しますが結局ゴールならず、そのまま試合は1-1で終了。FA杯4回戦は再試合となりました。

■総括:「負け試合」で負けなかったことは、今後に絶対につながる!?&3バックの猛攻撃戦術の可能性!?

冒頭で述べたように、引き分け再試合で万々歳という内容であったと思うこの試合。引いたエバートンのDFに苦しみましたが、0-1の劣勢からランパードがほんとよく決めてくれました。こういう「負け試合」で負けなかったことは、今後に絶対につながると思うんですよね。次はホームでのエバートンと再戦ですが、きっちり勝って次のラウンドへ進んでもらいたいです。

ちなみにこの試合でも「3バックへ変更の猛攻撃」を行ったチェルシーですが、これで今シーズン何度目でしょうか? 今シーズンけっこう、この攻撃的システムへの交代による変更をしているのですが、ほとんどの場合その采配が的中しゴールして勝利しているような気がしてます。考えてみればそれはすごいなぁって思うんですよね。まぁこの「3バックの猛攻」は、これまでは基本的に格下相手に対して採用しているのですが、今後は当然、強豪相手にも採用することになると思うんですよね。その時に、このエバートン戦のような修羅場でゴールできたことは絶対に自信になると思うんですよ。まぁそういう厳しい試合展開にならないほうが当然いいわけですが、その時は比較的、慌てずに対応できる気がしている次第です。もしかしたらさっそくCLバルサ戦あたりでこのような「3バック」を使う可能性もあるような気がするわけですが、まぁ昨シーズンはCLリバプール戦でこういう超攻撃的システムが確立してなく、フートをFWの位置で起用してパワープレイをしていたわけで(笑)。それを思えば、今シーズンの「3バック」は、めちゃめちゃ機能しているし有効だと思うんです。以上、ポジティブシンキングでした。
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