ジーコ日本代表の「ワールドカップをめぐる冒険」第3弾! ジーコ日本代表の守備戦術を再確認!

そういえばジーコ日本代表のアメリカ戦はもうすぐでした。
で、アメリカ合宿にてどうやら守備の練習を行ったみたいですが、スポナビの記事によるとこんな内容だったみたいです。

W杯用3バックが始動した。夕焼けを背に行われた守備練習。DF宮本、中沢、田中に、サイドの加地、三都主、ボランチは遠藤、福西がサブ組を相手に約45分間、取り組んだ。ジーコ監督はいきなりW杯・ブラジル戦(6月22日)を意識した守備を指示した。
 「絶対にカウンターを食らうな」「常に1枚残せ」。相手陣内から守備し、攻め込まれても、数的優位な守備を徹底する。そして3つ目に「2列目からの飛び出しにマークにつけ。中盤の選手をフリーにさせるな」とゲキを飛ばした。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/headlines/20060208-00000021-spnavi_ot-spo.html

■W杯は3バック? アメリカ合宿での守備練習は対ブラジル対策!? それとも!?

まず興味深いのは「3バック」であったということでしょうか? ブラジル戦を意識してとスポナビは分析しているみたいですが、はたして本当に「ブラジル対策」の守備練習なのか正直、疑問です。単純に3バック時の守り方の確認なだけな気もしますし、次の試合「対アメリカ対策」守備練習なのかもしれません。もしくはジーコが常々言っている「重要なW杯初戦」を想定しての練習という気もします。

その真意はわかりませんが、実際のところW杯を3バックで戦うのか4バックで戦うのかってのは、けっこう重要な問題であると思ってます。で、個人的にはW杯は「3バック」で行ったほうがいいと思っているのですが、、ジーコ的にはどうなんでしょうね? この日、練習したのように「3バック」が主体なのか、それとも海外組が戻れば「4バック」なのか? いずれにせよ「3バック」の守備練習では「WB2人」と「ボランチ2人」の7人で守備ブロックを形成して連携の確認をしたというのは納得です。そして合わせて以下の3点の注意があったと書かれてます。
カウンターをケア
常に1枚残す
2列目からの飛び出しにマークをつけ

■ジーコ日本代表の守備戦術は「選手任せ」? いやいや、そんあことはないです!

トルシエ監督時代の「フラット3」のインパクトがあまりに強かったため、どこかジーコ監督のサッカーは「決まりごとがない」とか「選手任せ」って言われてたりするのですが、けっしてそんなことはないわけで。ちゃんと「守備戦術」はあると思ってます。

今売りのワールドサッカーダイジェストで、CLに残った16チームの「各指揮官の戦術的傾向だ!」って記事があります。で、この記事では指揮官の戦術的傾向を攻撃と守備のやり方で分類していますが、それは以下の通り。
攻撃:カウンター志向かポゼッション志向か? 
守備:プレッシング型かリトリート(後退)型か? 

で、ジーコ日本代表をこれに当てはめて考えて見ますと、攻撃はポゼッョン志向で、守備はリトリート型ということになると思うんですよ。で、このリトリート型の守備ってのが日本ではあまり理解されてないように思ってます。ワールドサッカーダイジェストの記事ではリトリート型について、このように書かれてます。

一方、守備についての傾向は、高い位置からプレッシングをかけて、失ったボールを即座に取り戻したがる監督と、それとは逆に、いったん後退してまずは守備陣系を整え、相手が自陣に侵入してからプレスをかけはじめる監督の2つに大別できる。
ワールドサッカーダイジェストNo213号より

■ジーコ日本代表の戦術は「ポゼッション」&「リトリート型」!? それってヴェンゲルと同じ!?

まぁあくまで「大別」であって、プレスとリトリートを状況によって臨機応変に使い分けることもあるんでしょうが、ジーコの守備のやり方はどちらかというと「リトリート」であると思ってます。少なくともトルシエ監督のような極端なプレッシング志向ではなく、プレスよりも「常に一枚残す」方に重点を置いているのは間違いないと思うわけです。ちなみに一部評論家によると、そもそもジーコの守備戦術は「マンマーク」主体であって、「ゾーンディフェンス」ではないと分析されている人もいるみたいですが、選手のコメントなどを見ると「ゾーンディフェンス」という意識はきちんとあるように感じます。まぁそれがジーコの指示した戦術なのか、選手たちの自主的なものなのかわかりませんが…。

■遠藤保仁(ガンバ大阪) 
今日の練習では、特に午後のフォーメーションが重要だった。ディフェンスラインとの間を空けないように意識してやっていた。しっかりブロックを作ってパスを出させないことが大切だし、やっぱりサイドに追い込んでボールを奪いたい。監督の要求は高くなっている。やることはそんなに変わってないけど精度を上げなければいけないし、監督も気持ちを前面に出している。自分たちももっと高い意識でやらなければいけないと感じる。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200602/at00007619.html

ということで強引にまとめさせていただくと(笑)、ジーコ日本代表の戦術はポゼッション志向のリトリート型。で、CLベスト16に残っているチームから同じ「ポゼッション&リトリート」を探すとアヤックスのブリント監督、アーセナルのヴェンゲル監督、インテルのマンチーニ監督、ベンフィカのクーマン監督と同じ分類となるわけです。つまりやはりジーコ=ヴェンゲルであると(笑)。あっ、ジーコ日本代表が「ポゼッション」でも「リトリート」と勝手に私が分類しているだけなので、そもそもそれが違うと言われてしまえばそれまでですがね…。ちなみにPSVのヒディンク監督はワールドサッカーダイジェストによれば、すべてに対応した「バランス型」とされてます。えっ、ジーコも「バランス型」じゃないかって? まぁそうかもしれません(ちなみにバルセロナのライカールト、チェルシーのモウリーニョともに「ポゼッション志向のプレッシング型」とされてますが…!?)。

■宮本が明かす「ペナルティラインより下がらない」という言葉! これが重要だ!

話がだいぶ脱線しましたが、ジーコ日本代表の守備戦術に戻ります。強引に「リトリート型」ということで話を進めさせてもらいますが、DFリーダー宮本がこんなコメントを残してます。

■宮本恒靖(ガンバ大阪)
(フォーメーションの練習では)ペナルティーラインより下がらないようにという指示が出ていた。押し込まれることを想定した練習だと思う。初めての練習ではないので戸惑いはなかった。アメリカは試合をこなしてきているので、押し込まれる展開になると思う。ノルウェー戦のビデオがあるというので見てみたい。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200602/at00007619.html

「ペナルティラインより下がらない」という言葉。これは非常に重要なキーワードです。リトリート型であることを裏付けるコメントである気もします。要は後退「=リトリート」できる位置がペナルティラインってことなわけです。押し込まれることを想定と宮本が言ってますが、相手にボールを持たれたときに最終的にはここまで下がって守備陣系を整えるという戦術であると。DF陣の最終ラインの位置取りは、もちろんボールの位置や相手FWのポジションと関係してきます。自分たちが相手陣に押し込んでいて、相手FWがハーフウェイラインあたりにいれば最終ラインはそれに対応して高い位置をとる必要があるわけです。そんな時に誰も相手攻撃陣がいないペナルティラインにDFがへばり付いていても無意味なわけですし(笑)。というわけで、リトリート型にせよプレス型にせよ最終ラインの位置は試合の状況や相手FWの状況によるわけですが、違ってくるのは「オフサイドトラップ戦術」を積極的にかけるか、それともそれ狙わずに「カバーリング戦術」で守るかってことになるわけです。「オフサイドトラップ」は決まれば効果的な守備戦術ですが、高度な連携を要する戦術で、失敗するとGKと1対1の状況を作られてしまう「リスクの高い守備戦術」であるわけです。で、そのリスクを恐れて「カバーリング」で対応する守備戦術は「ウラを取られてGKと1対1」という状況は避けれるものの、全体的に押し込まれて防戦一方となる危険や、カバーリングのために低くなる最終DFラインとMFの間のスペースがぽっかりと空いて、その「DFとMFの間のスペース」を付かれミドルシュートを狙われる危険もあったりします。要は「プレス」にせよ「リトリート」にせよ一長一短なことろがあるわけですが、それぞれの守備戦術の穴をいかにしてケアすることができるか、埋めることができるかってのが、そのチームの守備戦術のポイントとなるわけです。

「ペナルティラインより下がらない」

この最終ラインのポジションから「ディフェンスラインとの間を空けないように意識してやっていた(by遠藤)」という意識の元MFが適切な位置にポジションを取って「ソーン」を守る。スペースを消すというのが、ジーコの日本代表の守備戦術(=リトリート型)であると思われますが、「決まりごと」はそれだけではありません。

「2列目からの飛び出しにマークをつけ」(Byジーコ)

基本的にはDFとMFで「ゾーンディフェンス」を形成しつつも、相手攻撃陣の「縦のポジションチェンジ」による飛び出しに対しては、こちらもゾーンを壊して「マンマーク」で対応せよ。
というのが、基本的なジーコ日本代表の守備戦術であるかと思うしだいです。

「リトリート型のゾーンディフェンス」+「時にマンマーク」

ただ「2列目のマンマーク」を誰が行うかとか決まっているのかは報道ニュースからわからないわけで、そのあたりの決まりごとが徹底されているのかは不安だったりしますし、同様にカバーリングの決まりごとなども、どこまで徹底されているのかはわかりませんが…。

 今までにも何回か言及してきた「ジーコ日本代表の守備戦術」ですが、今回、いろいろと素材やコメントがあったので、ちょっと再確認の意味も込めて書いてみました。
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ps:そういえば、本日エバートン戦でしたね。