プレミアリーグ第29節「バーミンガムシティ対チェルシー戦」雑感  システムの変更と選手の自主性

■改めて「フィニッシュの重要性」を感じた試合でした! オフサイドは正しかったと思ってます

ロイター通信によると、チェルシーのモウリーニョ監督は「パフォーマンスにも結果にも不満だ。私はすべてのゲームで勝ちたいんだ」とご機嫌斜め。また、オフサイド判定については「ゴールを決めたというのに……。あれはオフサイドなどではなかった」と不満を口にしながらも「これ以上は止めておく。この国では私が何か言うと、次の日には恐ろしいことになるからね」と更なるコメントは避けたとのこと。http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=worldsoccer&a=20060402-00000082-ism-spo

まずオフサイド判定についてですが、デルオルノが触る前に「バリバリのオフサイド位置にいた」カルバーリョがボールに触っていたように見えたので私的にはオフサイド判定で問題なしだと思いました。まぁ敗戦の理由を「審判の判定」とするのは常套手段なわけで、その程度のものと認識するのが妥当かと(笑)。で、この試合0-0ドローだったのですが、一言で言えば「チェルシーの決定力不足」が目立った試合ということでしょうか? バーミンガムの守備もよかったとは思いましたが、後半は圧倒的にゲームを支配していて何度も「決定的なチャンス」を作っていたわけで、改めて「フィニッシュの重要性」を感じた次第です。って、わけで試合を振り返っていこうと思いますが、今回はゴールも生まれなかったということで大雑把にいかせていただきます。

■前半:ロッベン復帰で4-3-3に戻した前半でしたが、機能せず!

前半について。まず前回のフラム戦のときに「4-4-2は」発展か、代案か?という主旨のことを書いたのですが、このバーミンガム戦は「4-3-3」に戻して臨んでました。ロッベンが出場停止から戻ってきたこと、そしてアウェイでの戦いであることが理由だと思うんですが、「4-4-2は発展か代案か」という観点から単純に考えれば「代案」であったということなんでしょうか? で、その「4-3-3」で臨んだ前半ですが、30分過ぎに右サイドからダフ&フェレイラのコンビで何度かチャンスを演出しますが「4試合ぶり」のロッベンが本調子でないこともあってか、ほとんど「決定的な形」を演出することができないで終えたように見えた次第です。残留争い中のバーミンガムが「ホームでは負けられない」ということで、そのパフォーマンスがすばらしかったところもあったと思いますが、それよりも「ダフ、ロッベン、ドログバ」の前線の3人が機能しなかったというのが苦戦の原因だったように思った次第です。たぶんモウリーニョ的にそれは「想定の上」での4-3-3であったと思うんですが、後半開始早々、それをちょいと変えてきます。

■後半:「グジョンセン」が変化して4-4-2に! さらに「3-5-2」へ変えてチャンスは作るもゴールならず!?

何を「変えた」か? って、それはグジョンセンのポジションを「前目」にして、4-4-2的に変えてきます。これがモウリーニョの指示なのかグジョンセンの「独自の判断」によりものなのかはわかりませんが、後半のグジョンセンのポジションは「3ハーフの1人」というよりも「FW的、トップ下的」なものでした。で、その変更によって前半あまり活用できなかったバイタルエリアにボールが収まるようになり、その結果、チェルシーが何度か決定的な形を作れるようになったと思った次第です。まず後半開始直後に、デルオルノからのパスをグジョンセンがペナルティエリアの少し後ろ側で受けてドログバへパスというシーンがあったんですが、こういう「サイドバックから前線の高い位置へのクサビパス」が通るとゴールの匂いがしてくるのは私だけでしょうか? もちろんドログバのワントップでも「同様のポストプレイ」が決まることもありますし、それが試合中に頻繁にできれば何も問題はないのですが、ワントップですとどうしても「相手DFのマークが厳しくなる」わけで。で前線のターゲットマンが「1人」から「2人」と増えれば、当然、相手DFのマークも軽減され、「クサビパス」が通りやすくなるというわけです。もちろん、相手DFを背負っての「クサビのパスを受ける技術」も必要であると思いますし、グジョンセンがその技術(特にスペースに走りこむタイミングやポジショニング)が優れている点は評価すべきでしょう。

というわけで「グジョンセンが高いポジション」を取れるようになりチェルシーの攻撃が機能し始めます。後半51分にはドログバが下がった位置でのポストからランパードへパス。そのままサイドへ展開し、ロッベンがサイドを突破してセンタリング。ニアサイドをグジョンセンがおとりとなって走りこみ、その後ろに走りこんだドログバがシュートするもうまく当たらずノーゴール。後ろにダフがいたので、ダフに任せたほうがよかったかもしれませんが、まぁあの場面FWなら「自らシュート」で間違いないのでしょう。ただシュートは枠に飛ばさないと、ダメですが。続いて52分。今度はデルオルノの後方からの浮かしたスルーパスにグジョンセンがタイミングよく飛び出してGKと「1対1」のチャンスになりかけます。これは惜しくもシュートが打てませんでしたが、このようなグジョンセンのFW的な動きにバーミンガムDFが混乱していたのは間違いないところでしょう。




               ↑
                ←○グジョンセン
        ↑               ↑
        ↑      ○ドログバ  (2列目からの飛び出し?)
        ↑        ↓  
      (パス)    
        ↑
      ○デルオルノ

湯浅氏が言うところの「縦のポジションチェンジ」というやつでしょうか? ドログバとグジョンセンが「入れ替わる」ことで相手DFのマークがずれ崩すことができたのが上のシーンであったと思うのですが、このような動きは前半にはほとんどみられないものでした。さらに58分に今度はマケレレのインターセプトからグジョンセンがバイタルエリアでボールを持ち、ダフヘスルーパス。完全にバーミンガムDFの裏を取りますが、ダフの飛び出しが早く「オフサイド」になってしまいますが、後半開始からこの時間帯までグジョンセンが「バーミンガムDF陣のバイタイルエイア」をうまく突いてチャンスを演出していたいました。ですが、どうしてもゴールが奪えない。さらに61分にはダフが高い位置でインターセプトして、そのままシュートというシーンも作り出しますが、これまたシュートが枠に飛ばずノーゴール。チャンスは作るものの、フィニッシュ時の雑さが目立ちました。この外にも54分にCKのこぼれダマをランパードがシュートするものの「宇宙開発」というシーンがあったんですが、この日のチェルシーは兎も角「シュートの精度」がありませんでした。

迎えた63分? モウリーニョが得意の選手交代をしてクレスポ&ジョーコールを投入。これまた得意の「3バック」に変えてきます。ですが、どうしてもゴールが生まれません。70分にはドログバがペナルティエリアを突破しランパードへパスを出しますが、惜しくもタイミングが合わずシュートが打てませんでした。さらに80分過ぎには左サイドのロッベンから、エシエン、ランパードと小刻みにつないで中央突破し、ゴール前のドログバへパスが通れば決定的というシーンを作り出しますが、これまたラストパスが通らずゴールになりません。そしてそして、終了間際にはカウンターからランパードのパスをドログバが落として、右サイドジョーコールへクレスポが抜群の「オフザボール」の動きを見せてゴール前に飛び込み、それを見たジョーコ-ルがこれまた抜群のスルーパスを通し、クレスポがゴール前至近距離からシュート放ちますがシュートはGK正面で万事休す。このまま試合はドローで終了。チェルシーは後半、怒涛の攻めに出るも「決定力不足」がたたって勝ち点3が取れませんでした。

■総括:「ベンチワークで攻撃的に変化を与える」方法はありだと思いますが、「選手自身の判断による攻撃の変化」が足りない!?

この試合もそうでしたが、前半は「4-3-3」でいって、後半「4-4-2」「3-5-2」に変えて戦うのは、今シーズンの「チェルシーの1つの形」であると思ってます。でこれって、今シーズンの初めに私がチェルシーに対して勝手に期待していた「カウンターサッカーとポゼッションサッカーの併用できるサッカー」の1つの形である気がしているのですが、ただこの試合とか見るとやっぱ「ポゼッションサッカーを完成するのには何かが足りない」って思ってしまうんですよね。3バックに変えて攻撃陣を増やしたり、2トップにしたりと「ベンチワークで攻撃的に変化を与える」方法はありだと思いますし、それは効果的であると思うんです。ですが、それだけでなくもっと「選手自身の判断による攻撃の変化」が足りないように見えてうわけです。結局サッカーって、最後はピッチ内の選手のパフォーマンスやアイデアや「自主性」におうところが多いと思うんで、まぁ当たり前といえば当たり前のことなんですが。もちろん、ベンチワークも必要だと思いますが、最後は「選手自身の判断」がモノを言うと思うわけです。この前サネッティとソリンの「サイドバックの攻撃参加」について述べましたが、チェルシーの攻撃にもこういう「意外性」というか「型にはまらない形」がもっとあってもいいのではないか。そう思うわけです。ただ言っておきますと、モウリーニョのサッカーというと、どうも「人工的」というか「科学的」というイメージで語られることが多いのですが、実際のところはそんなことはないと思ってます。以前Numberか何かの記事でモウリーニョのサッカーを「守備は組織的」で「攻撃は意外性(反組織?)」を出すサッカーと書かれていたのを覚えてますが、個人的にはそのとおりであると思っている次第です。ただ「守備を組織的」に行うあまり、どこか「攻撃の意外性」が発揮しにくい状況というか、そういう意識が失われつつあるのも事実であると思ってます。その2つ「組織と意外性」のバランスをどう取るかが、チェルシーに求められているものであり、モウリーニョが四苦八苦しているところなのではと思うんですが…。

というわけで、ここにきて足踏み状態のチェルシー。ユナイテッドが勝ったため、気がつけば「勝ち点差7」に縮まってしまいました。ただ、まぁ実質「あと4勝?」で優勝でしたっけ? なので、油断大敵ながら「優勝へ向けて問題なし」と個人的には思ってます。まぁ現状CL敗退してしまい「選手がモチベーションを見つけにくい状態」でそういう気持ちが結果に影響を及ぼしているかもしれませんが、優勝が目前に迫ってくれば再びよくなってくると思ってますので大丈夫でしょう。
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