CL「バルセロナ対ベンフィカ第2戦」 カウンターからのポゼッションと、ポゼッションからのカウンター

今回CLはミラン戦とバルサ戦をTV観戦しました。インテル戦はチョイスしなかったんですが、正直、敗戦はちょっとショック。マンチーニは去ることになるんでしょうかね?ってことで、まずはバルサ対ベンフィカ戦から。

■クーマンが言うようにベンフィカにとって「審判が敵」であったのか!? それとも…

一方、ベンフィカのクーマン監督は、「ナーバスな入り方をしてしまった。その後は徐々に流れを取り戻して何度もチャンスを作ったが、それを決めきれなかった」と話した。そして、「2試合を通じて上回っていたのはバルサだと思うが、審判の笛には泣かされた。ただでさえ強い相手と対戦するのに、審判が敵では余計に厳しい。ファーストレグではバルセロナのエリア内でのハンドを取らなかったのに、今日は同じプレーで相手にPKを与えた。ふたりの審判の判定が明らかに異なった」とジャッジに苦言を呈していた。http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=worldsoccer&a=20060406-00000052-ism-spo

試合見る限り「審判が敵」とまでは感じませんでしたが、ただ笛は多かったようには感じました。バルセロナのプレイヤーが「ポゼッション術」に長けており、ベンフィカのプレイヤーが止めるにはどうしても「ファウルもどき」の対応になってしまうわけです。で、そういう接触プレイに対して、この日の審判は厳しくファウルを取っていた印象はありました。まぁ私は普段からプレミアリーグ中心に見ているので、その基準で見ると「厳しい」ように感じただけで、ごく普通の「ファウル」ジャッジであったのかもしれません。欧州基準(UEFA基準)のファウルとでもいいましょうか? で、そういう欧州基準で「ファウルを取ってもらえること」は、バルセロナにとっては望ましいことと思うわけです。圧倒的なボール支配から相手陣に押し込んで攻めるバルセロナ的には、ファウルをもらった地点から再び「ボールポゼッション」して、ベンフィカDFを攻略していけばいいわけですからね。逆にベンフィカにとっては「ファウルを取られると厳しい」のは言うまでもないところ。この試合のベンフィカの狙いは「ボールを奪ってカウンター」。激しくボールを奪いにいって、カウンターからワントップのミッコリのスピードを生かすってのが攻撃方法であったと思ったのですが、残念ながらそういう理想の形を作ることはあまりできませんでした。バルセロナから高い位置でうまくキレイにインターセプトすることが、ほとんどできなかったわけです。その理由は、もう単純に「バルセロナの選手のキープ&パス回しがうまかった」からであり、その結果ベンフィカの選手がボールを奪うにはファウルもどきのプレイをしなければならなかったからであり、そういうプレイがことごとくファウルになってしまったからであると思っているのですが、まぁバルセロナのボールを奪われない技術がすごいとするのか、ベンフィカの守備が下手だとするのか、審判が敵と考えるのかは意見の分かれるところでしょうか?

■ベンフィカのカウンターからのポゼッションと、バルセロナのポゼッションからのカウンター!?

ただまったく「ボールを奪えなかった」かと言われればそんなことはなく、何度かベンフィカがうまくファウルなしでボールを奪えたシーンもあったわけで、そこからうまくカウンターに持ち込めればチャンスだったのですが…。バルセロナの「ボールを奪われた後の対応」がすばらしく、ベンフィカに思うように「カウンター攻撃」をさせないわけですよ。

たしかに彼らは、この時点で、世界最高峰の攻撃サッカーを展開しています。そのベースは、もちろん組織的なディフェンス。チェイス&チェックという守備の起点プレー・・その周りで激しく交錯しつづけるインターセプト狙いや協力(集中)プレス狙いという意志エネルギー・・そして、ボールがないところでの忠実な汗かきマーキングという献身エネルギー・・それらの守備ファクターが、これ以上ないというほど有機的にリンクし、次々と、実効あるボール奪取勝負シーンを演出しつづけるのです。http://www.yuasakenji-soccer.com/yuasa/html/topics_3.folder/06_cl_4.6.html

おなじみ湯浅氏がこのように表現されてますが、バルセロナの選手はベンフィカにボールを奪われた瞬間から「攻撃→守備のスイッチ」に瞬時に切り替わり、ベンフィカのカウンターを許さないわけですよ。で、許さないどころか、逆に再びインターセプトして逆カウンターから「チャンス」を演出してしまうこともあるわけです。

この試合の先取点も、そのバルセロナのボールを奪われた瞬間のプレッシング=「攻守の切り替えの早さ」から生まれました。自陣でボールを持ったベンフィカの選手がもたもたしているところに、前線からエトーがプレッシングからボール奪取。そのままドリブルでペナルティエリア内に切れ込んで、中央へゴロのセンタリング。これをロナウジーニョが冷静に押し込んでゴールというものでした。「高い位置でインターセプト」→「手数を掛けずゴール」という理想的なハーフカウンターが炸裂するのですが、この「カウンター」が実は今のバルセロナの武器の1つであるのは言うまでもないところです。「ポゼッションサッカー」の代名詞的に捉えられているバルセロナですが、このような「ハーフカウンター」からのゴールも得意としているわけです。基本的にはポゼッションサッカーで「相手陣で試合を展開」し遅攻からゴールを狙い、相手にボールを奪われたらそのまま「相手陣でプレッシング」してカウンターからゴールを狙う。今シーズンのバルセロナのスタイルはこんな感じでしょうか? それに加えてCLチェルシー戦で魅せたような「4バック+アンカー」でスペースを消して、相手のカウンターをケアしながら戦う術も持ち合わせている今年のバルセロナ。たぶんコーチのテンカーテがデザインしたんでしょうが、2007年版「バルサスタイル」は巧妙にデザインされてますし、穴が少ないすばらしいシステムだと思いますよ。

ただどんな「システム」にも攻略法はあるわけですし、試合中に1度や2度はその穴を突かれて「ピンチ」を迎えるわけです。この試合でバルセロナはベンフィカにその穴を突かれて、1度決定的なピンチを迎えるわけですがベンフィカのミスに助けられて事なきをえます。後半60分にバルサのCK崩れからベンフィカがカウンターを仕掛け、ミッコリが右に流れてボールを受けて起点となりゴール前に走りこんだシモンに絶妙のパスを通します。GKと1対1という絶好の同点のチャンスを迎えるのですが、シモンのシュートは正確性を欠いてゴールになりません。バルセロナの「穴」は、その「高いDFライン」にあると思ってます。さらにサイドバックが攻撃参加している場合、その「背後のスペース」が空くわけで、ここをうまく突いて基点を作ることができれば、ゴールが生まれる可能性が高くなると思ってます。しかもそれが「カウンター」という形であれば、言うことなし。ってわけで、ベンフィカがまさにその「カウンター」から「高いDFライン」の横にできた「SBの背後」のスペースに基点を作って絶好のチャンスを演出するわけですが、こういう1試合で1度あるかないかの機会を生かせなかったのがこの試合のすべてでした。チャンスを確実にゴールに結び付けたバルセロナと、結び付けなかったベンフィカ。この「小さいようで非常に大きな実力差」が勝敗を分けたのは言うまでもないところです。終了間際にエトーが追加点を取って試合を決めるわけですが、実際のところはシモンが外したところで勝負ありだったのかもしれません。えっ、ロナウジーニョの先取点の時点で勝負あり? そうかもしれません。

■バルセロナ20、ベンフィカ29の合計49というファウル数が意味するものとは…!?

ちなみに、UEFA公式サイトによるとポゼッション率はバルセロナ61%、ベンフィカ39%。湯浅氏は上で紹介したコラムで「組織的なディフェンスがベース」と表現されバルセロナの守備を褒めてらっしゃいますが、実際のところ試合の6割以上はバルセロナは守備でなくて攻撃しながらボールキープしているわけで、私的にはバルセロナのサッカーは「組織的な相手陣でのボールポゼッションがベース」のサッカーであると思っていたりします。もちろん守備もすばらしいのですがね。もうひとつ、ちなみにこの試合のファウル数ですが、バルセロナ20、ベンフィカ29の合計49という数字が出てます。同時刻に行われたアーセナル対ユベントス戦では、それぞれ14、21のファウルで計35でした。このファウル数の差が意味あるものかないものかはわかりませんが、参考までに。
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