キリンカップ「ジーコ日本代表対スコットランド代表」雑感 もうすぐW杯メンバー発表ですが…

■決定力には、「感覚」というか、持って生まれたものが大きな影響を及ぼす!?


――クロスが多かったがシュートに結びつかなかった原因は?
 私がかつて指導を受けた監督の言葉を思い出した。DFやMFといったポジションの質の高いプレーヤーは、練習を通して作ることはできる。ただし、ボールをゴールに入れる回数が最も多いFWというか、攻めの人間というものは、作ることはできないということだ。シュート練習を毎日やったり、いろいろな練習もこなしたとしても、やはり「感覚」というか、持って生まれたものが大きな影響を及ぼすポジションである、と言われたことを思い出す。日本はこの2試合、30何本もの(シュートを打つ)チャンスを作り出している。これは世界的に見てかなり多いし、対戦相手も決して力が落ちるわけではない。欧州の一線級の相手に、常に今日と同じくらいのチャンスを作り出すことができる。しかし、ひとつの溜め、GKやDFに対して駆け引きや心理的な余裕がないために、相手に当たってしまう、ということについては改善の余地はあると思う。さっきも(ミーティングで)言ったのだが、これだけチャンスがあれば必ず入るんだと。これを信じてやるしかない。あとは反復(練習)だけだと思う。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200605/at00009018.html

遅くなりました&もうすぐW杯メンバー発表ですが、スコットランド戦につきまして。それなりに見どころ&収穫はあったと思っていますが、でもやっぱゴールが決まらなかったのは残念でしたし、反省しなければいけないところでしょう。決定力不足といってしまえばそれまでですが、上に引用した試合後のジーコのインタビューが興味深いです。ジーコの言う「感覚」「もってうまれたもの」という言葉は、サッカーを少しでもやったことがある人なら「ピン」とくるのでないでしょうか。例えばあなたがFWであるとしましょう。カウンターから完全に1人で抜け出して、GKとの1対1の状態でゴールを狙うような状況を思い浮かべてください。そういう状況の時にゴールを決めるイメージ、シュートを打つイメージは人それぞれだと思うんですが、あなたはどうイメージされますか?

GKが飛び出してくるのを待って、GKの頭越しにループシュート? GKをフェイントで交わして無尽のゴールにボールを流し込む? GKが出てきたところを見て、GKの股間を抜いてシュート? それとも、もう1人仲間が上がってくるのを待ち、GKを引きつけてパスして自分ではシュート打たない(笑)。これ以外にもいろいろとイメージされた方はいると思いますが、そのイメージをそのまま再現してゴール決めることって、けして簡単なことではないと私は思ってます。サッカー素人の私に限った話だけなのかもしれませんが、例えばGKと1対1の状況でもGKに詰められると「焦ります」し「ゴールが小さく感じ」てしまい、シュートを枠に打てなかったりするわけですよ(笑)。まぁ、これって一言で言えば「感覚がない」ということであると思っているのですが、素人でも試合でゴールを決めることができる人はGKに詰められても焦らないですし、「GK越しに、ゴールが見える」んですよね。感覚で言うと、たとえば「GKのわきの下を通せば」、そのボールはゴールに向かって転がるとか、GKが詰めてきたとして「このタイミングでシュートを放てば」シュートがGKに当たらずに入るだとか、そういうGKとゴールの位置関係みたいなものが「感覚的にわかっている」とでも言いましょうか。まぁここで言う「感覚」は、あくあくまで「ズブの素人サッカー」に置ける「ゴール感覚論」ですが、どうやらプロ選手にもこれと同様な「感覚」はあるみたいですね。「ひとつの溜め、GKやDFに対して駆け引きや心理的な余裕がないために、相手に当たってしまう、ということについては改善の余地はあると思う」とジーコは言ってますが、ぜひともW杯本選まで時間がないですが、改善してもらいたいですね。

■スコットランド戦の攻撃について①:小笠原の「シュートをイメージした仕掛け」「シュートで終われるプレイ」を評価!?

ってわけで前置きが長くなりましたが、スコットランド戦の雑感を。まずは攻撃について目についた点から。加地のミドルシュートと、小野のゴール前への飛び出しからの決定的なシュートは誰しもが「すばらしい」と思ったに違いありませんが、私はその2つのプレイに加えて小笠原のミドルシュートシーンを評価したいです。前半28分ごろのシーンですが、右サイドでボールを持った小笠原がゴール中央で待つ玉田とワンツーを仕掛けて、ゴール中央からミドルシュートを打ったシーンがそれ。小笠原はこのシーンの直後にも「小野→玉田→」と繋いだ中央からの崩しから再びミドルシュートを放ってますが、こういう「シュートをイメージした仕掛け」「シュートで終われるプレイ」ができる選手って、私は2列目の選手には必要な要素であると思っています。で、こういうプレイができる小笠原はジーコ日本代表にとって貴重な選手であると思いますし、私の中では中村と並んで「2列目」を構成するレギュラーであると思っているんですよね。中田英や小野も「2列目」の候補であるとは思うんですが、私的にはもう「シュートの仕掛けができる」小笠原っを押すわけですよ。まぁ、2列目のみならずボランチでもSBの選手でも、この「シュートをイメージしたプレイ」っては必要だと思うんですが、結局、この試合ですばらしかった「加地のミドルシュート」も「小野のゴール前への飛び出しからのシュート」も、それと同様。小笠原にせよ、加地にせよ、小野にせよ、シュートを打つまでのイメージが自分の頭の中で出来ているから、こういうプレイができたと思うわけです。で、そういう「イメージ」を評価したいですし、「イメージ」を実行したことを評価したいわけです。まぁ冒頭で書いたようにシュートが決まらなかった=「決定力がなかった」ことは課題として残るとは思いますが、少なくとも「シュート打つまでの攻撃のイメージはあった」というのは大事なことなわけです。ってことで、この試合2列目で出た遠藤について。前半にミドルシュートを放ちましたし、後半には小野とのコンビからすばらしい「オフザボール」の動きをみせてペナルティエリアに侵入し、小笠原に絶好のセンタリングをしたシーンもありました。それらのプレイはすばらしかったと思いましたが、正直、私的には物足りない感じなんですよね。もっと「ゴールをイメージしたプレイ」をしてもらいたいんです。私の目には、遠藤のプレイはどうも消極的に映ってしまう。つなぎ役に徹しすぎとでも言いますか。これは福西にも同様のイメージがあるんですが、まぁ福西の場合はまだ「守備面においての積極的なイメージ」があるから評価できるんですが、遠藤は攻守において中途半端とでも言いますか。だって、この日のポジションは「4-2-2-2」の2列目で中村俊輔の役回りだったわけですよ。もちろん遠藤と中村の持ち味は違うんでしょうが、この2人を比較すればやっぱ中村のほうが効果的であると思うんですよ。なぜか?って、それはずばり中村の方が「ゴールをイメージした攻撃」を仕掛けているから。まぁもちろん遠藤だってすばらしいプレイヤーだと思いますし、彼のよさは派手なプレイでなく「黒子的なプレイ」なのかもしれません。ただ、ポゼッションサッカーでの攻撃的な中盤の選手として考えると、私的にはかなり物足りないと感じてしまうわけです。もちろん、それとは違う意見もあるとは思いますが。

■スコットランド戦の攻撃について②:サイドでもっと数的有利になるようなサポートを!

あと、この試合の「4-2-2-2」で気になったのは、中盤の2列目の選手なりFWの選手がもっと「サイドで基点」となってサイドバックと絡んだ攻撃をすべきであったというところでしょうかね。特にアレックスの左サイド。この試合はアレックス&加地ともに高い位置でプレイして攻撃に絡んでいたのは評価したいのですが、あまりにアレックスに「1対1の状況」で任せすぎって感じてしましました。もちろんアレックスには個での突破能力はあると思いますし、それに賭けるのはわかりますが、もっと周りの選手がサポートしてもいいのではないかと思ったんですよね。UEFA杯でのSHダウニングのところでも同じようなこと書きましたが、他の選手のサポートがあれば「1対1」が「2対1」になったりして、もっとサイドを攻略できる可能性が出てくると思うんですよね。この試合の後半に1度、サントスが左サイドでボールをキープしている「その後ろ」をウェーブの動きで小笠原が長い距離の「オフ・ザ・ボール」の動きを見せたんですが、こういうサポートはもっともっとすべきだと思うんです。こういう動きをするにはそれなりの運動量を強いられますし、何度も行うのは厳しいでしょうけど。それよりも、こういうサイドでの「ウェーブの動き」は、本来なら「サイドバックの選手が2列目の選手を追い越して行う」のが効果的な気がするし、ジーコ日本代表も、もっとそういう形を作るべきだと思うんです。そのために必要なのは、「2列目」なりFWが「サイドに開いてボールをもらって」、1対1で仕掛ける状況を作ることでしょう。中央突破もいいですが、こういう「サイドでボールキープ」という形がもっとあってもいいのではないかと。そうすればサントス&加地が今以上に生きると思いますし、サイド攻略に深味が出てくると思うんです。まぁ「4-2-2-2」の場合に2列目はどうしても中央でのプレイが多くなるのはしかたないと思いますが、それを基本にしつつ、もう少しサイドを意識しましょうってことで。で、このあたりの「中央突破&サイドでのプレイ」の両方ができる2列目と言えば、フランスリーグの彼を思い出すわけですが…。まぁ、少なくとも私は遠藤よりは「彼」を押します。

■スコットランド戦の攻撃について③:ボランチは小野と中田英のどちらがいい?

ちなみにもう1つ、小野のボランチについて。例のシュートシーンをはじめ、この試合では「ゲームメイカー」としてがんばっていた小野のプレイはすばらしかったですね。個人的には加地やアレックスへの「サイドチェンジの展開」や、前線へのトリッキーなパスも評価しているんですが、ジーコが中田英と小野のどちらを「チームの心臓」にするか注目だと思いました。まぁ現状では中田英がレギュラーなんでしょうが、中田英の「クサビパス」に代表される縦への「剛のプレイ」と小野のサイドチェンジパスを中心とした「柔のプレイ」のどちらも魅力あると思うんですが、まぁ中田英が外れることはないと思うんで必然的に小野が控えなんでしょうかね? それとも中田英と小野がピッチで共存する可能性はある? 2列目には小笠原、ボランチの1人は福西となる可能性は高いわけで、そう考えるとジーコ日本代表は確実にスタート時のジャマイカ戦からは変化したと思うんですが、そう思っている人は少ない? あとFWについてですが、この試合での久保はイマイチでしたね。特にトラップが大きくなって「ポストプレイ」ができなかったのはいただけなかった。ピッチコンディションの影響もあったと思いますが、もっとポストからの基点ができないとお話にならないかと。あと玉田ですが、ポストはよかったけど、もっとシュートの意識がほしかったような。このキリンカップ2戦でノーゴールという結果はW杯の選出に影響する!?

■スコットランド戦の守備について:CBがサイドに釣り出されるのは想定の範囲内なわけですが…

最後に守備について。この試合ではあまり危険なシーンがありませんでしたが、それでもいくつか気になる点はありました。まず懸案の「サイドバックの裏」ですが、これは両CBやボランチ(特に福西)がうまくカバーしていて、ブラジル相手ならわけりませんがスコットランドくらいの相手ならば問題なく対処できていたのは評価したいです。まぁ、この日改めて感じたのは「サイドバックの裏」は相手がどこであろうと突かれるわけで、たとえば2トップの1人がサイドに流れた場合、その対応に宮本なり中澤なりCBの1人が行くのはセオリーなわけです。この対応はチェルシーでも同様。で問題はアゥエーでのイラン戦で失点したような「CBがサイドに釣り出されて、中央へセンタリングを入れられた際の中央の守備」がW杯でもポイントになるんだろうってこと。で例えばヘディングが弱いSB加地が中に絞ってCBの代わりを務めたり、中田英や福西がカバーに入るんでしょうが、ここでのゴール前での競り合いがジーコ日本代表の「守備面での課題」になるんだろうなぁってなんとなく感じてしまいました。それを考えると「3バック」にして1人サイドに釣り出せれても、まだ「2人中に残る」方がいいのかなぁって気もしますが、そのあたりはとりあえずはドイツ戦でチェックでしょうかね?

あとスコットランド戦で気になったのは、後半20分過ぎにスコットランドに中央突破されたシーンでしょうかね。小笠原のミスから「ハーフカウンター的」に攻められてしまったんですが、宮本、坪井の対応が「後手後手に回って」しまい、最後は加地が寄せきれずにゴール正面でスコットランドの2列目から攻撃参加してきた選手にフリーでシュート打たれるシーンがありました。スコットランドのミスに助けられましたが、W杯でこういうプレイしたら「終了」です。この試合、日本の守備はきちんと「人」に対応していたのはすばらしかったのですが、このシーンだけ「人(マーク)もソーンも空いた状態」だったのは、バイタルエリアをかき回されれ「マークがズレ」て「ゾーンが空いた」ためでした。いくらゾーンディフェンスといえども最後は「人を見る」のが基本だと思うんで、そのあたりの「人を見る集中力」はぜひとも本番では失わないでもらいたいです。

ってことで取り留めなくスコットランド戦について書いてきましたが、この試合の内容についてとやかく言う必要はないと思う次第です。重要なのは本日のW杯メンバー発表されてからの取り組みでしょう。で、そのメンバー発表はもうすぐなわけですが…!? 
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