ジーコ日本代表W杯プレビュー「対クロアチア代表」 「4-4-2」攻撃での時差とイメージとミドル

■ゴールが必要なクロアチア戦。「4-4-2」からの多彩な攻撃を期待!

この日、練習前には、まず小笠原を呼び、おそらく先発を伝え、次に坪井を呼び、4バックで外れることを伝えたはずだ。加地には午前中に1対1で練習に付き合い、日本代表の崖っぷちは、とりあえず、こうした崖で踏みこたえる「足止め」を固めることから始まった。諦めるな、最後まで頑張れ、という簡単な状況ではない。4バックでは、笛が鳴った地点からスピードを上げてゴールに向かい、サイドからも「ボールを巻いて」入れろ、とクロアチアDFと「時差」をつくるように指示が出され、シュートまで10人は、流れを作って練習を終えた。
http://sports.nifty.com/saposta/cs/masujima/details/060615004389/1.htm

どうやらクロアチア戦は「4-4-2」みたいですが、勝たなくてはいけない試合なのでその変更は納得です。この試合のポイントは攻撃力であり、ゴールを奪うことであります。中央突破、サイド攻略、ミドルシュートなどなど、多彩な攻撃でなんとかクロアチアゴールをこじ開けてほしいですね。

■相手DFと時差を作るということの意味、そしてポゼッションからの崩し!

上で引用した部分で「クロアチアDFと時差を作る」と指示しているのが興味深いですね。この文面からだけですとわかりにくいのですが、要は「緩急をつける」とか「タイミングを外す」とか「相手の裏をかく」とかそういうニュアンスなんでしょうかね? 「3-5-2」の場合は、システム上「中盤を作る」というよりもカウンターなどの「早い攻撃」に自ずとなっていたと思うんですが、オーストラリア戦ではこの「早い攻撃」が空回りしていたように見えました。もちろん「スピードは大切ですし」「カウンター」も大事だと思いますが、そればかりだと一本調子になりますし相手DFも読みやすいんですよね。そればかりか攻撃する方も常に早さだけ求めると、肝心なところでプレイが雑になったり、正確性を欠いたりする。もっとスピードにメリハリをつける必要があると思うんです。スピードを上げたり、落としたりして攻撃することで相手DFを翻弄させることができると思います。人の動きだけでなく「ボールの動き」もそうです。ゆっくりと横パスして、急に縦に早くワンツーとかやると相手DFはついていけません。ボールを散らして左右に揺さぶったり、前後に揺さぶるほかに、スピードの変化をつける揺さぶりを心掛けてもらいたいものです。で、そういう風に相手を揺さぶるためには「ボールを保持すること」が必要となります。こちらがボールをポゼッションして、パスを回したり、ポジションを変えたりしながら「揺さぶる」ことによって、相手ゴールをこじ開けることができると思うからです。ただし、問題はここから。要はフィニッシュのところです。いくらいい形で崩せても、シュートが入らなくてはダメなのは言うまでもないところです。

■オーストラリア戦でのサイドからの崩しから、ゴールのイメージを考えてみると…

オーストラリア戦の後半に、こんなシーンがありました。駒野が右サイドを抜けて切れ込んでセンタリングしたんですが、そのセンタリングはGKとDFの間を狙った感じの軌道。キックミスだったのかもしれませんが、そのボールは直接ゴールラインを割ってしまいました。駒野のイメージでは、たぶんGKが触る前にFWが頭から飛び込んでちょっと触って角度を変えてゴールという感じ? まぁそういう狙いも間違いではないと思いますが、そのイメージでゴールするには「ピンポイント」でタイミングが合わないと厳しいわけで、ゴールが決まる確率的にはかなり低かったと思うんですよね。高原と柳沢にはオーストラリアDFのマークがついてましたし、ゴール前で競り勝つようなスピードがないようにも見えました。まぁ、そのセンタリングしか駒野に選択肢がないなら仕方がないですが、他にもっとゴールになる可能性がある選択があるなら、そちらを狙うべきというのは当然の話? で、このシーンではそれがありました。中田英が後方から上がってきており、ペナルティエリア内にフリーでいたんですよね。駒野が中田英にパスするほうを選択していたら??? ゴールになったかわかりませんが、可能性は高かったと思うわけです。

○早いクロスをGKの前に入れて、高原、柳沢が飛び込んでシュート打つイメージ
○マイナス方向にセンタリングして、後方から中田英がミドルでシュートを打つイメージ


どちらも「あり」だと思うのですが、よりゴールになる可能性があるのはどちらか? でそれ以上に重要だと思うのが、高原、柳沢、中田英の3人でよりゴールを明確にイメージして「ポジションを取っていた」のは誰かということだと思うんです。もちろん全員にゴールのイメージはあったと思いますが、この場面で3人の中ではたぶん中田英が一番ゴールのイメージをもっていたと思う次第です。「駒野からのゴロのパスにインサイドで面作って合わせてシュート」みたいな感じで。で、そういうイメージを「センタリングする人」と「シュート打つ人」で共有できることが重要であり、大切なことであると思うんですよね。この「共有する意識」は練習で培えるものかもしれませんし、その人の持つ「サッカーセンス」によるものなのかはわかりません。どちらも大切だとは思いますが、要は「誰がどういうふうにシュートを打ってゴールを決めるか」というイメージから、センタリングを上げたりオフザボールの動きをしたりするのが重要であると言いたいわけです。とにかくゴール前にセンタリングあげれば、誰かが何とかしてくれるではダメだと思うんです。そういう「放り込み」でゴールになることもあるとは思います。ですが、世界でプレイするには、もっと明確なシュートから逆算したイメージを持つことが必要であると思うんですよね。まぁ、こんなこと言われるまでもなく代表選手なら持っていると思うんですが、ジーコが練習で指示した「ボールを巻く」「時差」というのは、要は最終的なシュートを打つ人がフリーとなるための1つのやり方であるのは言うまでもないところです。FWやMFには「明確なシュートを打つイメージ」を持ってもらいたいですし、センタリングを上げる方は、そのイメージを明確に持っている人を見極めてパスしてほしい。当たり前のことですが、それを徹底してほしいですね。

■ミドルシュートは必須! 中村と小笠原にはどんどん狙ってもらいたい! もちろん中田英にも…

蹴って、蹴って、蹴りまくれ! W杯1次リーグ突破へ後がない日本代表のジーコ監督(53)が、18日のクロアチア戦(ニュルンベルク)でGKを除く「全員ミドルシュート」を選手に課す。オーストラリア戦の敗戦から一夜明けた13日と14日午後の練習で、約20メートルの中距離からのシュートを繰り返した。揺れやすい今大会の公式球の利点を生かすとともに、得点へのどん欲な姿勢を前面に出して勝利を狙う。
 ミドルシュートでゴールをこじ開ける。戦術練習を重点的に行った14日、シュート距離は遠めに設定された。ジーコ監督の笛の音を合図に、パス回しから一気に攻撃展開。FWが落としたボールをボランチの中田英や福西がダイレクトでミドルシュートを打つ。三都主と加地のサイドバックもハーフライン付近からドリブルで前線に持ち込んでペナルティエリアの外から思い切り蹴り込んだ。http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=japansoccer&a=20060615-00000088-nks-spo

あとはこれですね。ミドルシュートはほんと肝になると思います。もうバンバン打ってもらいたいです。ブラジル戦のクロアチアの守備はニココバチが負傷交代したこともあり、この相手のミドルシュートに対するケアがイマイチでした。カカのシュートもそうですが、後半56分のロナウドがミドルシュート打つシーンでも、その対応に完全に遅れてフリーで打たしているんですよね。またまたこちらのニフティさんの動画で見てもらえばわかるんですが、こういうシュートチャンスは必ず日本にもあると思いますので狙ってもらいたいです。特に中村と小笠原には。

ちなみに、言うまでもなくブラジル代表も4-4-2でクロアチアと戦っていたんですが、ブラジルのエメルソン、ゼ・ロベルトのボランチ2人はそれほど攻撃参加はしませんでしたが、うまくバランスを取ってました。カフーとロベカルが攻撃参加した時のケアをちゃんとしてましたし、自陣のバイタルエリアのケアもしてました。4-4-2なら中田英には、これと同様のプレイが求められることになると思います。3-5-2の時のような「イケイケな攻撃参加」は控える必要があるかと。もちろん状況によって攻撃参加できるときはしてもいいと思いますし、小笠原&中村とのポジションチェンジはありだと思いますが、あまりにバランスを考えない上がりは禁物かと。まぁ言うまでもなくわかっているとは思いますが、攻撃参加するときには豪快なミドルを決めてるイメージをもって上がってもらい決めてもらいたいですね。期待したいです。 

1つ負けただけで慌てる必要はない。14日の練習後、中田英は外国人記者の質問に英語で答え、そのことを強調した。決勝トーナメント進出のために背水の陣となるクロアチア戦に向けては「勝つしかない。それだけ。クロアチアは良いチームだが、われわれにもチャンスはある。日本の方が強いと信じている」と自信を示した。http://www.sponichi.co.jp/soccer/flash/KFullFlash20060615001.html

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