ジーコ日本代表W杯プレビュー「対オーストラリア代表」②  リヒテンシュタイン戦を見て

■ポイント①:オーストラリア代表のサイド攻撃をチェックしてみますと…!?

中2日の試合。さすがに疲労の色を隠せなかった。オーストラリアはリヒテンシュタインに3-1で勝ったものの、ヒディンク監督は「最初の20分間には腹が立った」と内容に不満を漏らした。
 立ち上がりはプレイが緩慢で、前半20分に相手FKからDFニールのヘディングがオウンゴールとなって先制された。
 4日のオランダ戦は1-1の引き分け。充実ぶりを見せつけたが、この日は大型FWビドゥカが出場しなかった。脚の付け根の故障に苦しむキューウェルが復帰したが、左サイドで思うような働きはできず完調にはほど遠い。「日に日によくなっている」と話すが、日本戦までに完全復調できるかは未知数だ。
 それでもゴール前の高さは日本にとっての脅威だ。1-1の後半30分、途中出場のケネディが右クロスを力強いヘディングで押し込み逆転。「秘密兵器」とも言われる191センチの23歳が代表初ゴールをマークした。さらに同38分にアロイージも頭で得点。サイドからのハイボールに、どう対処するかが日本守備陣の重要なポイントだろう。
 「きょうはいいレッスンになった。あとはコンディションを整えたい」とヒディンク監督。12日の決戦が、刻一刻と迫る。(ウルム共同)http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=worldsoccer&a=20060608-00000054-kyodo-spo

オーストラリア代表の直前マッチ見ました。ベストメンバーではなかったみたいですが、見ていて気になった点をいくつか。まず、この日のシステムですが、「3-4-3」。最終ラインはポポビッチ、ニール、ムーアの3人。で中盤は4人で右からエマートン、カーヒル、スココ、ラザリディス、FWはステリョフスキ、アロイージ、キューエルの3トップでした。



【オーストラリア先発】          ●GK

          CB●ムーア    CB●ニール   CB●ポポビッチ


    SH●エマートン    MF●カーヒル   MF●スココ   SH●ラザリディス

        
        FW●ステリョフスキ          FW●キューエル

                   FW●アロイージ

図にするとこんな感じでしょうか。で、この試合は守備よりもポゼッションからの攻撃するシーンが目立ちましたが、特にお得意のサイド攻撃をバシバシやっていたのが印象的でした。

この試合でのサイド攻撃は、主にSHのエマートン、ラザリディスへスルーパスを出してオーバーラップさせてサイドをえぐって逆サイドのウイングFWが絞りアロイージと「2枚」がゴール前に詰めるというもの。1点目のゴールシーンもそんな感じ。ボランチのスココから左サイドに展開してラザリディスが抜け出してグラウンダーのセンタリング。これをアロイージがスルーして、ステリョフスキがシュートしてゴールというものでした。



【オーストラリア1点目】
↑攻撃方向

  SH●ラザリディス      FW●アロイージ 
    ↑              ↑      FW●ステリョフスキ
    ↑                       ↑
    ↑       →FW●キューエル
    ↑       

                   MF●スココ(パス出し)
この攻撃時もそうでしたが、3トップのサイドのキューエルとSHのラザリディスの関係が曲者なんですよね。キューエルがサイドの裏のスペースを突くこともあれば、ラザリディスが突くこともある。
DFする側としては、この2人をどう抑えるかがポイントとなるんでしょう。キューエル、ラザリディスとマンマーク気味に対応するのか、それとも特定のマークをつけずにゾーンで対応するのか? このあたりの対応の仕方が非常に難しいと思いました。で場合によっては中央のMFのケーヒルがこの2人に成り代わって「左サイド」のスペースへ走り込むこともありました(オフサイドでしたが)。で、たぶんジーコ日本代表との試合でもサイドを突いてくるんでしょうが、ここの守り方が大きなポイントになるのは間違いないでしょう。
【オーストラリアのサイド攻撃に対する守備例】
                CB○宮本 
                      
               CB○坪井     CB○中澤     
               ↓           ↓
            FW●キューエル     FW●アロイージ(ビドゥカ)

     WB○駒野               MF○福西→ FW●ステリョフスキ
                                 
    SH●ラザリディス                              WB○サントス
                                           SH●エマートン

単純に考えればマンチーマン的に対応するのがいいのかもしれませんね。オーストラリアのSHにはそれぞれ駒野、サントスが対応し、3トップには坪井、中澤、宮本の3人と福西を合わせた4人で数的有利な状況を作ってマークするというのが現実的な守り方でしょうか。中田英にこの役回りをさせるのはもったいないというか、難しいでしょうし。ただ問題はオーストラリア代表が状況に応じてポジションチェンジをバンバンと仕掛けてくることです。

■ポイント②:オーストラリア代表のポジションチェンジをチェックしてみますと…!?

リヒテンシュタイン戦もけっこう選手が入れ替わってました。例えばこんな感じ。


【オーストラリア代表:ポジションチェンジ例】
          CB●ムーア    CB●ニール   CB●ポポビッチ


  FW●ステリョフスキ   SH●エマートン   MF●スココ   SH●ラザリディス

        
        MF●ケーヒル             FW●キューエル

                     FW●アロイージ
この試合ではケーヒルを中心にかなり流動的に動いてました。特に後半は上のようなポジションで言うことが多かったんですが、流れの中でケーヒルがSHに行ったりトップ下みたいな位置でプレイしていたりしてました。またSHのエマートンとラザリディスという、前半は両サイドにいた選手が近くでパス交換する場面なんかもありました。ってなわけで、かなり激しくポジションチェンジします。単なるマンマークで対応しているとスペースを空けてしまうことになりかねません。例えば前半、日本のサントスがエマートンをマークしていたとして、上の図のように後半サイドハーフの位置にステリョフスキが入ってきた場合、サントスはマークの対象を「エマートン→ステリョフスキ」に変えないとサイドのスペースを突かれてしまうことになりかねません。このようにオーストラリア代表のポジションチェンジに対して、日本代表の守備陣も迅速に臨機応変に対応してマークする相手を変えないと守備が混乱してしまうと感じました。まぁ、相手がどうポジション変えても、日本はつきっきりでマークするというやり方もあるとは思いますが、それは現実的に厳しいと思うんですよね。まぁジーコに何か秘策があるかもしれませんし、キチンと守れればどんな方法でもいいと思いますが、オーストラリア代表の流動的なポジションチェンジの対応はしっかりしてもらいたいですね。

あと気になった点は高さ? ケネディのヘッドもアロイージのヘッドもすばらしかったですが、このケネディは状況によって日本戦に使ってくるのでしょうかね? まぁ高さもさることながら、それを生かすセンタリングの精度がすばらしいという点を忘れてはいけませんね。2点目はエマートン、3点目はステリョフスキだったと思ったんですが、彼らに自由にセンタリングを上げさせないことが重要ですね。って結局はこれもサイドの選手へのマークってことになるんですが、やっぱこれがポイントです。

以上、オーストラリア代表で気をつけないといけないことですが、最後に弱点と思われる点について。

■ポイント③:オーストラリア代表の弱点がないかとチェックしてみましたが…!?

この試合で中盤の底でボールを捌いていたスココがプレスに弱いということですかね。あと、3バックのポポビッチ、ムーアあたりもプレスされるとミスする可能性は高い。なので日本の狙いとしてはまずボランチのスココ(もしくはDF)にプレッシャーをかけて「高い位置で奪って速攻」というアレを狙うことでしょうかね。2トップと中村の役回りか? あと、狙いどころと言えば3バックの裏のスペース? けっこう最終ラインは高い場合が多いんですよね。ルヒテンシュタインも最終ラインから両サイドの裏のスペースに放り込むこと多かったですが、これはジーコ日本代表もやるべきでしょう。


【ジーコ日本代表の狙いどころ】
                        ●GK
  ※このスペース                             ※このスペース

          CB●ムーア     CB●ニール   CB●ポポビッチ


  FW●ステリョフスキ   SH●エマートン   MF●スココ   SH●ラザリディス
図を見てもらえばわかると思いますが、まぁオーストラリアが日本代表を狙う場所と同じく「3バックの裏」だったりします。要はどちらが「サイドの裏を突けるか」「サイドの攻防を制するか」ってことなのかもしれません。もっと言えば両チームとも狙いは一緒。ポゼッションからはサイドの裏を狙い、カウンターからは高い位置(ボランチとか)にプレスを掛けてゴールを狙うというという戦術をどちらが実行できるかということでしょうか? まぁ、もちろんどうなるかわかりません。この試合は3バックでしたが、オーストラリアは4バックで来るかもしれませんし、リヒテンシュタイン戦からガラッとメンバーを変えてくるかも知れません(3バックとカーヒル以外は総とっかえ?)。そうなると、当然、ジーコ日本代表も戦い方を変えないといけないわけですが、どこまで事前にいろいろな状況を想定して準備しておけるか、試合で臨機応変に対応できるかというのが一番のポイントになるんでしょうか。「3-4-3」「4-3-3」「ポジションチェンジ」などなど、その時々でオーストラリアの変化へ対応できれば勝機が見えてくると思う次第です。それができればヒディンクがプレイオフのウルグアイ戦前半で「キューエル投入」したような博打采配にも対応できると思うんですが、どうでしょう? 
キューウェルは日本戦に先発しない!?オーストラリア代表の番記者が口をそろえた。主力のFWハリー・キューウェル(27=リバプール)は2日の練習試合で実戦に復帰。6日の練習でもフルメニューをこなした。W杯1次リーグ初戦で対戦する日本にとっては要注意選手だが、ヒディンク監督はスーパーサブとしての起用の可能性も示唆。担当記者もそろって途中出場を予想した。http://www.sponichi.co.jp/wsplus/news_w/07262.html


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