モウリーニョ監督と新潟の鈴木監督との共通項を考察! 状況判断とフィジカルについて

■J1第15節「新潟対鹿島」を見ようと録画しておいたのですが…

J1第15節「新潟対鹿島」を見ようと録画しておいたのですが、思いっきり失敗して前半しか撮れてませんでした(涙)。なので前半を見ただけの本当の雑感というか、システムなどについてちょろっと感じたことを書いておきます。

新潟のほうが守備からのカウンターを意識して戦っていたようにも感じましたが、両チームとも「4-4-2」のブラジル風味のシステムで戦っていたのがなぜか印象的でした。単純に4-4-2=ブラジルと言うと語弊があるかもしれませんが、鹿島にはフェルナンド、ファビオサントス、アレックスミネイロ、新潟にはシルビーニョ、ファビーニョ、エジミウソンというそれぞれ「3人のブラジル人の助っ人」がいたので余計にそう感じたのかもしれません。まぁ鹿島のブラジル風味は昔っからで、今のアウトゥオリ監督も昨年までサンパウロを率いていたブラジルの名将だったりするんですが、今期から指揮を取っている新潟の鈴木監督の方は特にブラジルを意識してチームを作っているわけではないんでしょうかね…!?

って、わけで試合レビューは止めにして、今回は新潟の鈴木監督にスポットを当ててみることにしました。

■というわけで予定を変更して、新潟の鈴木監督について考察!

まずはググって出てきた監督のインタビューから紹介(笑)。4-4-2に関して、こんなコメントを残してました。

――4-4-2のシステムながら、ポジションをガチガチに固定せずに中盤にはある程度の自由を与えているということですか?
鈴木監督:スピードのある選手とか、一対一に強いとか、身体能力のすごい選手を揃えていれば、はめ込んだシステムのなかで攻撃したり、守備をしても大丈夫だと思うのですけれど、ウチには特別な選手はいません。だから、全体が動きながらスペースを作っていくことが必要になってきます。基本的なことですけどパスをしたら動く。そういったことです。動いている間に判断して、次のプレーを瞬時に選択する。その場、その場の判断。状況、状況に応じて選択するプレー。ある程度、チーム内に決め事は作ってありますけど、ゲームの流れのなかで選手がそれぞれ判断していくことが重要になってきます。
――好きなチーム、理想のチームにバルセロナ(スペイン)を挙げていましたが?
鈴木監督:見ていて面白いし、やっている人たちも、やっぱり楽しいんだろうなと…。新潟も選手の質が違いますから、形はまったく違うものになるとは思いますけれど「やっている人たちも楽しいんだろうな」というチームにはしていきたいと思っています。できることと、できないことはあるのですけれど…。http://inews.sports.msn.co.jp/football/albirex/interview/suzuki.html

ブラジルというよりもバルセロナというキーワードが出てきましたんで目指す方向性は「それ」なんでしょうけど、「プレーを瞬時に選択」「状況、状況に応じて選択」「ある程度、チーム内に決め事は作ってありますけど、ゲームの流れのなかで選手がそれぞれ判断」という考えは私も賛同するところです。

あと、JsGOALにキャンプでのインタビューも残ってました。
http://www.jsgoal.jp/news/00029000/00029326.html
上の動画インタビューで、「攻守にアグレッシブ」「前からボール奪って早く攻める、あるいはボールをつないでポゼッションしながら攻めていく」というようなコメントしているのが興味深いですね。結局は2つのインタビューで同じようなことを言っているわけですが、このサッカーの考え方ってチェルシーのモウリーニョと似てたりするんですよね。講談社から出ている「ジョゼ・モウリーニョ」にこんなモウリーニョの言葉が掲載されてます。

■新潟の鈴木監督とチェルシーのモウリーニョ監督の共通点とは…!?

「中盤に関してはトライアングルを形成し、デコには決まったポジションを与えず、自由な動きをさせた。攻撃はボールポゼッションを重視していたが、もちすぎてもいいくらいの指示は与えていた。その頃には、ボールポゼッションの考えが、チームの全体の目標としてすっかり浸透し、選手は自分たちの間でボールが回せるようになっていた。ボールを回すためのボール回しと言ってよかった。そして徐々に相手のゴール前へと上がって行き、ゴールチャンスを伺ったんだ。
これを実践するためには、ハードな練習が必要だった。トレーニングではあらゆる状況を想定して、どの状況が、ボールを奪ってたらすぐにリスクを冒して攻めるべきなのか、どの状況が、チャンスを作る可能性が少ないから、ボールをキープすべきかを、徹底的に教え込んでいった。しかしこの方法は、さっきも言ったように、選手の体力を消耗させる。ボールを持っていなかったら、たとえ相手陣内に攻め込んでいっても、奪い返さなければならなかった。そしていったんボールを奪い返せば、すぐに攻められるチャンスがあるか、体力がまだ残っているか、あるいは、そのままボールをキープし、体力を回復させる方に集中するべきなのかを、即座に判断しなければならなかった。」
「我々の、つまり私とルイ・ファリアの、という意味だが、基本コンセプトは、フィジカル面だけでなく、心理的な部分も重視するというものだった。」
「精神的に安定していれば、自信を持ってプレイができ、チームメイトを信頼し、連携がスムーズに運ぶ。そしてチームの結束力も強くなっていく」
(「ジョゼ・モウリーニョ」講談社刊:著者/ルイスローレンスより)

モウリーニョ監督のほうが「ポゼッション重視」なのかもしれませんが、両監督とも状況判断の重要性を語っているのが同じだったりするんですよね。「ボールを奪ってたらすぐにリスクを冒して攻めるべき」なのか「ボールをキープし、体力を回復させる方に集中するべきなのか」を、選手が「即座に」判断する必要があるとモウリーニョは言ってますが、鈴木監督の「状況、状況に応じて選択するプレー」というのもこれと同じことなんでしょう。まぁこれはモウリーニョ監督や鈴木監督だけでなく、すべての監督が思っている「当たり前の事」なのかもしれませんが、その当たり前のことをちゃんとチームとして実践させることができるのか、選手に実践させることができるのか、そしてその理論でチームを勝利させることができるのかどうかが監督の手腕なのかもしれませんね。

■モウリーニョ監督は「フィジカル」を重要視してますが、新潟の鈴木監督は…!?

で、モウリーニョはそのサッカーを実践するために必要なものとして、「選手の体力」「フィジカル」の重要性を説いてます。さらにそれにプラスして「選手のメンタル面の重要性」をモウリーニョは説いているんですが、それに関してフィジカルコーチの「ルイ・ファリア」の名を出しているのは興味深いところ。現代サッカーにおいてフィジカルコーチの重要性は言うまでもないところなんですが、それは新潟の鈴木監督についても同様というところでしょうか?

鈴木新監督が掲げたキャンプのテーマは「フィジカル、そして選手の特性の把握」。
去年までの新潟の試合をほとんど生では観ていないという鈴木監督。標榜する「攻守にアグレッシブなサッカー」を具現化するための細かい戦術に関しては、このキャンプの中で選手の適正を見て判断していきたいという考えだ。
実際、キャンプインから鈴木監督は「見る」ことに力を注いできた。「ここまでとにかくフィジカル中心。ボールを使った練習はほとんどどやっていない(鈴木監督)」こともあり、キャンプ11日目を迎えるこの日までのメニューはフラビオ・フィジカルコーチが組んだものが中心だ。グラウンドにはフラビオコーチの激しい声が響き、選手は新監督の鋭い視線にさらされる。
もちろん3年目となるフラビオ・フィジカルコーチのキャンプメニューの厳しさは今年も健在。2月2日までは7時、10時、16時の3部練習も連日行われた。メニューは午前に筋トレとインターバル走、午後には砂場で筋トレなど。2月5日にはオフも与えられたが、選手の表情から疲労の色は隠せない。しかし高いモチベーションが、止まりそうになる足を前進させる。「新監督になって、選手たちは自分の居場所を必死で探している」とフラビオコーチは話してくれた。http://www.jsgoal.jp/news/00029000/00029244.html

新潟のフラビオ・フィジカルコーチは現U-21日本代表の反町監督が新潟の監督であった時代からのコーチみたいですが、これによると2001年にブラジルで「最優秀フィジカルコーチ」に選出された経歴を持っているみたいです。たぶん、すばらしいフィジカルコ-チなんでしょう。ちなみに、そのフラビオコーチのキャンプでのインタビューはこちら。

というわけで今回、試合が見れなかった&モウリーニョとの共通している点があるということで新潟の鈴木監督についてちょろっと取り上げてみました。まぁ、この鈴木監督の目指すサッカーが、今の新潟でどれくらい出来ているのかは定かではありません。それに「判断」「運動量」「スピード」があるサッカーが出来たとしても、サッカー-で最後にモノをいうのは「プレイの正確性」であったり「決定力」であったりするんですよね。昨日の鹿島戦の前半を見ていても、新潟がゴール前で「正確性を欠いたプレイ」が目についたわけですが、結局はそれが勝敗を左右したりするのかもしれません。

●鈴木 慎吾選手(新潟)
「決めるべきところで決められなかった。相手は2列目からの飛び出しについて来られないと思った。いいところに走れたのだが。前節よりもいい内容の試合はできたが、勝点1は取らなければならなかった」http://www.jsgoal.jp/news/00035000/00035864.html

■最後に、日本代表のオシムとモウリーニョの比較なんかもしてみたり

ちなみに鈴木監督&フラビオコーチの情報に関しては新潟ファンの方にとっては当たり前のことなのかもしれませんし、もっと詳しいかと思います。何か間違いがあれば指摘していただきたいですし、補足などもしていただければ幸いです。最後に関連して日本代表のオシム監督とモウリーニョ監督の比較なんかもしてみたり(笑)。モウリーニョ監督は「ボールの休息」という戦術で、ポゼッションを利用した体力の消耗の回復を説いているんですが、オシム監督的にはそのあたりの「90分での体力維持」をどう考えているのでしょうかね? ジェフ千葉の選手に厳しい走り込みを選手に課したのは「オシムの言葉」という本にも詳しいわけですが、今回のブログで書いていてふと本来ならそのあたりのトレーニングはフィジカルコーチと連動して行うのがふつうなのかなぁなんて思ったんですが、どうなんでしょうか!? さらに、そう考えるとオシム監督がジェフ千葉就任当時に、ジェフ千葉にはフィジカルコーチがいたのかどうかは気になるところだったりします。で、最先端の科学的なフィジカルトレーニング学から考えて、オシム監督のやり方がどうなのかってのも気になったりするんですが…。もちろんオシム監督は自身のやり方でジェフの選手を鍛えてチームを強くしたわけで、その手腕に疑いはないわけですがね。
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追記:ちなみにアントラーズのアウトゥオリ監督も、アントラーズ監督就任時にサンパウロからジルヴァン・フィジコを連れてきてたりしてます。

ジョゼ・モウリーニョ