欧州CLグループリーグ「レアルマドリード対ディナモキエフ」雑感  ディアッラとカシージャス

■カペッロが就任後、初めての観戦となった今季のレアルマドリードについて

セルティック戦とどちらを見ようか少し迷いましたが、今期まだ見てないレアルマドリー戦を観戦。試合のほうは一方的な展開で、もう少しディナモ・キエフががんばるかと思っていたんですが第1節のステアウア戦と同様の守備の脆さを露呈し、5-1でマドリーが大勝という結果に終わりました。というわけで、カペッロが就任後、初めての観戦となった今季のレアルマドリードについての雑感をちょいと。

■レアルマドリードの攻撃について①:システム

>まずレアルマドリードのフォーメーションですが、この試合は4-2-3-1で臨んでました。GKカシージャス、DFは右からメヒア、カンナバロ、セルヒオラモス、ロベカル、MFエメルソン、ディアッラ、2列目、レジェス、グティ、ラウール、ワントップにファンニステルローイという布陣。


【レアルマドリードのスタメン&フォーメーション】
                  GKカシージャス

           CBカンナバロ    CBセルヒオラモス
  SBメヒア                        SBロベルトカルロス

           MFディアッラ    MFエメルソン

  MFレジェス           MFグティ        MFラウール


                   CFニステル

前の4人のポジショニングはかなり流動的で、「ラウール&ニステル」の2トップみたいな時間帯がけっこうありましたが、一応は上の図のような感じでした。Numberのインタビューで基本は4-4-2で、2トップなのか「ワントップ+トップ下」であるのかは人それぞれで見解が違うので意味なしみたいなこと言ってましたが、まぁこの試合もそういうことなんでしょう。

まず攻撃について書こうと思いますが、まず興味を引いたのはMFディアッラでした。彼の守備ではなくて攻撃に関わるプレイに驚きを感じた次第です。そのディアッラが基点となって前半終了間際の3点目、後半70分の5点目が生まれたんですが、この試合を見た限りでは彼が攻撃に絡むと相手の守備陣を崩せていたように感じました。

■レアルマドリードの攻撃について②:ディアッラ

3点目を振り返ってみます。まず中盤でボールを持ったディアッラが、前線のラウール(?)とワンツーから右サイド前方のスペースへオフザボールの動きを見せます。中盤のボランチの位置から、4-2-3-1の「3の右サイド」の位置へポジションチェンジ。右サイドの高い位置で起点となります。そこにサイドバックのメヒアが攻撃参加。ディアッラからパスをもらってセンタリングしますがキエフDFがそれを阻止、で、そのボールをまたディアッラが拾います。そこから再び攻撃を立て直すディアッラ。周りをよく見て、ゴール正面ペナルティエリアの後ろに位置したレジェスへパス。パスを受けたレジェスが、そのままミドルシュートを打って見事にゴール。とまぁこんな展開でした。



                     ○レジェス
            ▼          ▼
  MF○ディアッラ  ▼          (ミドルシュート)
              ▼
             SB○メヒア
                     キエフのGK

このゴール、MFディアッラの思い切ったポジションチェンジによってキエフの守備陣を混乱させ、レジェスをフリーにできたことがポイントだったように思いました。3列目からの攻撃参加が利いたとでも言いますか。

いわゆる「4-2-3-1」フォーメーションですが、1つの弱点としてボランチより後ろの「4-2」部分と、ワントップ+2列目の3人の「3-1」部分が分断してしまうところを指摘する人もいます。確かクライフか誰かが言っていたと記憶してますが、要はポジションごとの役割がある程度決まってしまうため、サイドはある程度崩せても中央に人が足りない状況に陥りやすいということです。「ウイングとサイドバックの2人」でサイド攻略をする戦略のため、ボランチはそのサイドバックが上がったスペースを埋めたりする「守備専門」もしくは「守備能力に長けた選手」が起用するのがふつうで、なかなか攻撃参加することが難しいとでも言いましょうか。というか、そもそもボランチに攻撃参加を求めない? そこでマケレレ大先生みたいに「水運んでおけ」と指令する監督もいるとかいないとか。で、私は現実主義のカペッロも当然、「マケレレになれ派」なのだろうと思っていたのですが、どうやらマケレレに守備だけを求めていたのではなかったみたいで。というか、まぁ正直言うと、私が勝手にディアッラをリヨン時代のイメージから「マケレレ的な守備専門MF」であると思っていただけなんですがね。カペッロがレアルにディアッラを入れたのは「失ったマケレレを取り戻すこと」であるとずっと思ってました。カペッロはもう1人のボランチにローマ&ユベントス時代からカペッロが重宝するMFエメルソンを引き抜いて起用しているわけですが、私はカペッロがそのエメルソンにゲームメイク&攻撃&守備全般を、相方のディアッラには守備を求めるのだとずっと妄想していたんですが、そうではなくてディアッラにも攻撃力があり「単なるマケレレのコピー」ではなかったことが驚きでした。

■レアルマドリードの攻撃について③:脳内イメージ

もっとぶっちゃけて言えば、脳内イメージではエメルソンとディアッラのダブルボランチは守備&バランスはいいけど、攻撃ではあまり威力を発揮しないだろうと勘ぐっていたんです。で、結果として「攻撃と守備が分断」して失点は少なくなるけどゴールも少なくなるサッカーが展開するのかなぁと勝手に想像していたわけですが、このキエフ戦を見てその妄想は間違いであったと認識しました。やっぱイメージで語ってはいけませんね。反省です。

というわけでディアッラの攻撃参加は見事だったわけですが、後半25分の5ゴール目も彼が絡んだファインゴールでした。左サイドでボールをキープしたディアッラが、中央のグティへパス。パスを受けたグティは、オフサイドトラップを潜り抜けたニステルローイへラストパスを出し、ニステルはGKと1対1に。慌てたキエフのGKがニステルを倒してしまいPK、そしてゴール、5点目。見事な攻撃でしたが、このシーンでもディアッラが光ってました。グティのパスもすばらしかったですが、ディアッラが左サイドで基点となってパスを出したこと、もっと言えば「ボランチ攻撃に絡んだこと」が大きかったなぁと思った次第です。まぁ、この試合では相手が弱かったから、ディアッラが機能したところもあるのかもしれませんが、それにしても見事でした。

■レアルマドリードの攻撃について④:その他

というわけで、この試合のレアルマドリーはディアッラの攻撃参加が特別にすばらしかったと思ったわけですが、その他によかった点はありました。まずミドルシュートを積極的に打っていたこと。前半20分の先制点はそのミドルシュートのこぼれダマから生まれたものでしたが、ロベルトカルロスがサイドバックながらも積極的にシュートを打っていたのがすばらしかったなぁと。まぁ彼のシュートはカペッロ以前からお馴染みの攻撃ですが、相変わらずの攻撃力を見せてくれました。あと後半から登場したベッカムとニステルローイの「元ユナイテッドのコンビ」は息がバッチリですねえ。ベッカムのクロスはニステルローイがいると生きるし、ニステルローイもベッカムのクロスがくればよりゴールを上げられる? まぁ相思相愛の関係とでも言いますか。この2人対恩師&にっくきファーガソンの対決はぜひ見たいものです。

■レアルマドリードの守備について①:プレス

話がそれましたが(笑い)、続きまして守備について。一方的な試合だったのであまり参考にならないかもしれませんが、印象としては月並みですが「前線からの積極的なプレッシング」が利いていたように感じました。プレスからパスコースを切ってサイドに追い込んで、数的有利な状況に追い込む守備が特によかったと思いましたね。前半36分のシーンを解説します。まずニステルローイが相手DFにプレスに行くんですが、キエフのCBが左サイドバックへパスを回すと、ニステルがそのままボールを追いかけます。で、ボールがキエフのSBに渡った時、その対面にラウールがいてプレスするわけですが、そこに後方からボールを追ってきたニステルが加わって「2対1の状況」でボールを奪いに行くことになります。


  
                 ○キエフCB
                   ▼
                    ▼                
                    ○ニステル
               
                       ×キエフSB

                         ○ラウール

2対1で囲い込んで守備。これはどこでどうやって挟み込むかという共通認識がないと難しいわけですが、この試合のレアルマドリーは局地、局地でそのイメージが統一されていたように感じました上のシーンでニステルとラウールは結局ボールを奪えずパスを回されてしまうのですが、その後、さらにパスを受けたキエフのMFに対して、SBのメヒアとMFのディアッラの2人で連動してまたまた囲い込んで「2対1の状況」で奪いに行っていたんですよね。




              ○ディアッラ ▶ ▶ ▶  

                                   ×キエフのMF

                                     ▲
                                     ▲
                                     ○メヒア
                 

このような前線から連動してボールを奪いに行く「組織的な守備」が随所に見られたのはカペッロ効果というところでしょう。まぁ、カペッロでなくても、その昔のデルボスケやケイロスやルッシエンブルコの時代から、そういう前からのプレスはある程度はやっていたと思うんですが、この試合のプレスはかなり徹底されて実践されていたように感じました。そして、それがラウールの4点目につながります。前線からのプレスでラウールがそのままインターセプトしてGKを交わしてゴール。見事なプレスからのカウンターでした。カペッロのレアルマドリーの1つの武器は、このような前線からのプレッシング守備からによるハーフカウンターなのかもしれませんね。

■レアルマドリードの守備について③:カシージャスはイケル!

その他の守備では、GKカシージャスの「前への飛び出し」がすばらしかったです。前半にDFの裏のスペースをキエフに突かれるのですが、そのGKとDFの間の危険なスペースは「カシージャスの守備範囲の広さ」で楽々としのいでいたのが印象的でした。カシージャスがリベロ的な仕事ができるので最終ラインがある程度リスクを冒してプッシュできるのは、レアルマドリーの強みなんですよね。あと一度CK崩れのカウンターでキエフに3対2の状況を作られたんですが、ここでもレアルマドリードはカシージャスの守備範囲の広さで事なきを得てゴールを防いでました。ジーコのフェネルバフチェのGKがもしカシージャスだったら、キエフに勝てていたかもしれませんね。

というわけで超簡単ですが、今期のレアルマドリードの攻撃と守備について言及してきました。まぁ相手が相手だったんで、この試合でレアルマドリードについてどうこう言うのは妥当ではないかもしれません。ただ、たとえ調子がイマイチなキエフ相手とはいえ5得点したのは見事ですし、守備でもすばらしいところを見せていたのは評価したいです。

■番外編:セルティック中村について

一応、少しだけ見たセルティックの中村について。ともかくペナルティエリアで仕掛けたことがすばらしかった。こういうプレイに期待しているので、もっとがんばってほしいです。ちなみに相手チームのコペンハーゲンには元チェルシーのグルュンケアがいるんですが、この試合に怪我して出れてなかったのは残念でした。元気なのかなぁ? って怪我しているっての。
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