欧州CLグループリーグ「チェルシー対バルセロナ」雑感 「モデルチェンジ」と「継続」

■何はともあれ勝ってよかったなぁ

いや~見事に勝ちましたね。ドログバがやってくれました! グループリーグでの戦いで「ゆるかった」ところもありましたし、ホームでの戦いでもありましたが、何はともあれ勝ってよかったなぁと。で、この試合について何を書こうかなぁと思っていたんですが、私はモウリーニョの「対CLバルセロナ戦」って視点で書いてみたいと思います。

■「2シーズンの延長・発展」よりも「変化&モデルチェンジ」で臨んだチェルシー

なぜ、モウリーニョはバラックを獲得したのだろうか。チェルシー着任後、2シーズンで築いた4-1-4-1のフォーメーションは完成の域に近づいたはずだったが、みずから捨て去ろうとしている。まさかバラックのためではないだろう。いい選手ではあるが、チェルシーの命運を左右するほどの実力者ではない。
 モウリーニョが考えるモデルチェンジは、あまりにも危険だ。http://www.ocn.ne.jp/sports/soccer/magazine/0461.html

おなじみスカパー解説者である粕谷氏がシーズン前に提言していたこちらの考え。まぁ私も2つのシステムについてはプレビューでちょろっと書きましたが、この試合を語る上で「今シーズンのチェルシーのモデルチェンジ」論から考えることは1つのポイントであると思ってます。要は、なぜにモウリーニョが「2シーズンで築いた4-1-4-1のフォーメーションは完成の域に近づいたはずだったが、みずから捨て去った」のかということ。まぁ単純にバラックとシェフチェンコを獲得できたから変えたと言えばそうなのかもしれませんが、そうじゃなくて、モウリーニョはたとえ彼らが取れなくても今シーズン何らかの「モデルチェンジ」を実行していたのは間違いないんでしょう。雑誌のインタビューとかでも「今期のチェルシーは複数のシステムが使えるので、相手に読まれないのが利点」と言っていますし、そもそもポルトの監督時代にもモウリーニョは「4-4-2」と「4-3-3」の併用が理想であるとその著書に書かれています。で、このバルセロナ戦でなぜに「4-4-2」で戦ったのかと考えてみますと、それは「4-3-3」がバルセロナに研究されて通じないとモウリーニョが感じていたからだと私は妄想します。「2シーズンで築いた4-1-4-1のフォーメーションは完成の域」に近づいてはいましたが、一方で相手(バルサ)に研究されて、行き詰まりなところがあったわけで、これ(=4-3-3)をさらに完成させるよりも「変えた」ほうがいいと思ったんではないかと妄想するわけです。チェルシーの熱心なファンの方ならご存知かと思いますが、モウリーニョは昨シーズンのカンプノウでバルセロナに敗れたあとの直近の試合「対スパーズ戦」の後半から「クレスポ&ドログバの2トップ」を使い、その後シーズンの後半では何度か「2トップ」「4-4-2」で戦っていました。つまりモデルチェンジは今シーズンから始まったのではなくて、昨シーズンCLの決勝トーナメント1回戦でバルセロナに負けてから始まっていたと言いたいわけです。それはプレミアで3連覇するために必要なことであり、そして欧州CL制覇のために必要なことであり、もっと言えば宿敵バルセロナに勝つために必要な「モデルチェンジ」であったと。まぁさすがモウリーニョもまさかグループリーグでバルサと一緒になるとは思ってなかったと思いますが、CLで優勝するためには「どこかで倒さなければならなく、必ず戦うことになる相手」と思っていたのは間違いないでしょう。というわけで「2シーズンの延長・発展」よりも「変化&モデルチェンジ」! これが今期のチェルシーの1つのテーマであり、対バルセロナ攻略の戦略だったわけですが、とりあえずはその戦略が功を奏したというところなんでしょうかね? まぁグループリーグでの戦いではありますし、バルセロナの選手のコンディションがあがってないところもありそれが有利に働いたところは多々ありましたが、「ウイングがいないこと」「2トップであること」によって攻撃が画一&パターン化せず、バルセロナの守備陣が混乱していたところがあったような気がしましたし、ドログバのゴールもそれゆえに生まれたと思うわけです。ドログバのシュートはすばらしかったですし、彼の「個の力」の部分が大きかったとは思いますが、それは「2トップ」にして「ウイングをなくしたこと」によって開放されたから生まれたところもあると思うんですよね。もちろん「ウイングありの4-3-3」でも同様のゴールは可能だとは思いますが、ドログバが決勝ゴールを決めたシーンを良く見ると、彼のすぐそばにバラックが映っているわけで。そこにバラックがいることがバルセロナ守備陣に混乱をもたらし、そしてドログバのマークを軽減させていたことは言うまでもないところです。

■「これまでのやり方の発展」で臨んだバルセロナでしたが…!?

一方のバルセロナですが、彼らの戦い方は「これまでのやり方の発展」でした。エトーは怪我でいませんでしたが、これまでと同様の「4-3-3」で、ロナウジーニョが右ウイングの位置に入り、メッシが左に入るのも同様。そこに「サプライズ」や「変化」はありませんでした。私でも読めたこのバルセロナの布陣ですが、チェルシーは想定通りにロナウジーニョにブラールズ、メッシにアシュリーコールをぶつけて対処します。まぁサッカーでは「わかっていてもやられる」こともありますし、別にサプライズであることが必ずいいとは思いませんが、この試合のバルセロナの攻撃には「想定した以上の怖さ」はありませんでした。まぁ前半、何度かメッシにチェルシーの左サイドを突破されてしまいますが、最後のところでゴールを許さずに踏ん張れたのは想定の範囲内?? で、迎えた後半。ドログバがゴールを上げてチェルシーが先制するわけですが、その後バルセロナのライカールト監督が同点を狙うために動くことになります。左SBジオに変えてMFイニエスタ投入。システムを「4-3-3」から「3-4-3」に変えてきました。結果として、この変更は失敗に終わるのですが、なぜにライカールトがシステムを変えてきたのかと考えますと、それはチェルシーに先制され守られたら「一時的でもリスク承知でモデルチェンジ」しないと、もう攻撃が機能しないと考えたからだと思う次第です。まぁロナウジーニョらの調子がよければ、たとえチェルシーに研究されていたとしても「4-3-3で打破」できるのでしょうけど、この試合の選手のコンディションではその可能性は低い。なので同じ「4-3-3」システムのままで選手だけを交代してもチェルシーの守備は崩せないとの判断から、バルサ首脳陣が「3-4-3」にシステムを変えたのではないかと想像したのですが…。まぁ想像する何も、そのまんま誰でもわかることなんですが、私はたとえテンカーテコーチが残っていたとしても「システムを変えていた」と思うんですよね。もちろん、同じ「3-4-3」ではなかったと思いますし、彼がいた方がチェルシー的には苦しかったと思うのですがね。

■総括:「モデルチェンジ」と「フォーメーションの継続・完成」の行方!?

というわけで総括しますと、シーズン当初から積極的に「モデルチェンジ」してきたチェルシーが勝って、試合が「これまでのフォーメーションの継続」でスタートしたけど試合中に「モデルチェンジ」を余儀なくされたバルセロナが敗戦したわけですが、この「モデルチェンジ」と「フォーメーションの継続・完成」という視点で両チームを見ると興味深かったりします。チェルシーもバルセロナも「4-3-3」というシステムはある種「完成の域」まできていたわけですが、それをさらに発展させていくのか、それとも別のものに変えたり、別のものを加えていくのかという選択はそれぞれなわけで、そういう視点から両チームの戦いを見ていくのもおもしろいと思うんですよね。もちろん実際にプレイするのは選手ですし、システムやフォーメーションはあくまで「選手ありき」なものだと思うのですが、また一方でフォーメーションやシステムによってピッチ上の選手が生きたり、殺してしまうこともあると思う次第です。まぁ、この試合はチェルシーは勝ちましたが、「モデルチェンジ」はまだまだうまくいってませんし、もしかしたらシーズン後半には「以前のシステム」に戻っているかもしれません。逆にこの試合ではイマイチだったバルセロナですが、選手のコンディションが上がってきたら「4-3-3」がさらに機能し、「わかっていても止められない」チームに戻る可能性もあると思います。というわけで「モデルチェンジ」したチェルシーと、「フォーメーションの継続・完成」で戦うバルセロナ。最後に笑うのは、はたしてどちらになるのでしょうか!? …って、そりゃもちろんチェルシーですよ。ガッハッハ!
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