プレミアリーグ第15節「ボルトン対チェルシー」雑感  チェルシーの「4-4-2」が機能するには!?

■バラックのゴールも見事でしたが、それ以上によかったのはクディチーニですかね

人それぞれ見方は違うかもしれませんが、私にとってのMoMはカーロでしたね。グレートセーブが3回くらいあったと思います。「空中はまだ怖いみたいだ」とか言われてましたが、私にはあまり感じられず、むしろ試合数が増えて勘を取り戻してきているように思えました。アシュリーの股を抜かれたシュートとか、見えない状態でよく止めてたし、速いグラウンダーもすんでのところでキャッチ。やっぱりチェルシーのキーパー陣は贅沢です。http://hinakiuk.sakura.ne.jp/blog/2006/11/30_0554.php

「すべてが蒼に染まるまで」のヒナキさんのところからの引用ですが、私も同意ですね。バラックのCKからのヘディングシュートのゴールは見事でしたし、そのゴールがなければ勝ち点3はゲットできなかったわけですが、それ以上にこの試合でのクディチーニのプレイがすばらしかったと思いました。「空中はまだ怖いみたいだ」はスカパー解説の粕谷氏の言葉でしたっけ? そうかもしれませんが、私的にクディチーニは「もともと空中戦にそれほど強くないGK」という認識があったりします。もちろん、しいて弱点をあげればという感じですが、その「空中&高さがちょっと弱い」ところがチェフに第1GKの座を明け渡している理由なのかなぁと思っていたりします。で、その考えから言わせてもらえば、ロングボール攻撃が得意なボルトン戦で「空中」もちゃんと守れたと評価したいくらいなんですよね。というか、厳密に言えば、ボルトンが思ったよりも高さで勝負してこなかったことに救われましたが、クディチーニが高さの対応のまずさを「抜群のシュートへの反応力」で防いだことがすばらしかったという感じです。特に後半の最後にハーフウェイラインあたりから放り込まれ、ディウフに至近距離から打たれたシュートを防いだシーンはすばらしかったですし、「高さよりも瞬発力」というクディチーニのすばらしさが出たシーンだったと思いました。クディチーニが怪我で欠場中の第3GKイラーリオもがんばっていたと思いましたが、こういうシュートへの反応はクディチーニのほうが断然すばらしいし、安定感もやっぱクディチーニだよなぁと個人的には思ってます。というわけでこの試合は彼でなければ無失点では抑えられなかったと思いますし、勝ち点3をゲットできなかった気がしますんで、私もこの試合のMoMはGKカルロ・クディチーニなんですよね。

■チェルシーの「4-4-2」時の攻撃のメカニズムについて考えてみる

さて試合の内容についてですが、正直、攻撃陣はよくありませんでした。先週のCLブレーメン戦あたりからずっとよくないというか、まぁシーズン当初からよかった試合を数える方が早いくらい今期は「いつも良くない」んですが、今回は少し具体的にどのあたりがよくないんだろうかって、素人なりに考えてみました。

結論から言えば、前から指摘していますように「うまくサイドを使えてない」ところが問題であると思っているのですが、もう少し突っ込んで「何が問題でサイドを使えないのか」というか「誰がサイドを使うべきなのか」ってところを考えてみたいと思います。


【チェルシー:4-4-2】
                      GK●クディチーニ

               CB●カルバーリョ      CB●テリー
      SB●ジェレミ             ○            SB●アシュリーコール
                       
                         MF●マケレレ

              MF●エシエン            MF●ランパード
     ○            ○             ○            ○
                        MF●バラック

                         ○
               FW●シェフチェンコ      FW●ドログバ
    ○                                        ○
                  ○             ○

※○ボルトンの選手

こちらがボルトン戦のチェルシーのフォーメーション。おなじみの「ダイアモンド型4-4-2」ですが、「4-3-3」の場合と違って基本的にはサイドの高い位置に選手はあらかじめポジションを取ってないのが特徴。というかサイド専門のプレイヤーが両SBのみで、中盤にサイドのスペシャリストを置いてないブラジル的システムが特徴とでも言いますか。たとえばマンチェスターユナイテッドみたいにC・ロナウド&ギグスという中盤の両サイドに、ウイング的なSH(サイドハーフ)の選手を置く「フラット型4-4-2」ならば、単純に両SHがサイドの高い位置でプレイすることになるんですが、チェルシーの「ダイアモンド型4-4-2」はそうではありません。MFのランパード&エシエンは本来サイドの選手でなく、彼らに求められているのはウイング的にサイドに張って「ライン際の縦の上下動」のプレイではなく、中盤全域にわたって動いてプレイする「ゲームメイカー的」なもの。もちろん状況に応じてSH的にサイドのライン際をドリブルでボールを運ぶ時もありますが、そういうプレイよりも、DF最終ラインの近くまでボールをもらいにいってパスを受けて「FWへのクサビのパス」を出したり、「サイドチェンジのパス」を出したりするプレイが得意であり、モウリーニョに求められてタスクなんです。

■「パスを出してゲームメイクする選手」と「走ってパスを受ける人」の役割分担!?

特にランパードはそういうプレイを得意としているわけですが、チェルシーのポゼッションからの攻撃を見ると、MFマケレレとMFランパードがDFからのパスを受けて中盤の後方からパスを散らしているシーンが多く「攻撃の出発点」となっているケースがほとんどです。まぁ、今更、言及するまでもないことかもしれませんが一応書いておきます。

ちなみにモウリーニョがこの「ダイアモンド4-4-2」を使う理由を考えてみると、それはたぶん以下の4つ。
1、ポゼッションサッカーを行うため
2、2トップにすることにより、FWの決定力を生かすサッカーをするため
3、ロッベン、ジョーコールをSHに起用する中盤では守備が不安で、「マケレレ、エシエン、ランパード、バラック」という攻撃も守備もできる中盤のエリートであり労働者でもある4人を起用するほうが安定感があるため。
4、「4-3-3-」「4-4-2」の複数のシステムを使いたいため
こんな感じでしょうか?

それについてはおいておいて、今回言いたいことはチェルシーの4-4-2において、「オフザボールの動き」でサイドを攻略する役目を担うのは「ランパード&エシエン&マケレレ」の基本的な仕事ではないということ。つまり、彼ら3人(+GK&2CBの計6人)以外の選手たちが、もっと積極的にサイドにポジションを移動してプレイすべきだと言いたいわけですが、具体的に名前をあげれば2トップのドログバ&シェフチェンコ、MFバラック、SBジェレミ&アシュリーコールがもっとサイドを攻略できれば、4-4-2がもっと機能するのではないかなぁと思ということです。この5人の選手たちが状況に合わせて、積極的に、臨機応変に、サイドの高い位置に動いてプレイすれば、もっと攻撃が機能すると思うし、ゴールも増えると思うんですよね。で、実際にそのようなプレイができている場合もありますし、そういうプレイはゴールが生まれるようなビックチャンスになっているんですよね。

■ボルトン戦の前半にランパード、アシュリーコール、ドログバの3人で左サイドを攻略したシーンを振り返って…

ボルトン戦の前半22分に、こんなシーンがありました。ボールポゼッションからのプレイでアシュリーコールが左サイド高い位置に上がり、さらにドログバも左サイドに動いてパス交換。さらに、そこにMFランパードも絡んで3人のパス回しでサイドを攻略し、最終的にはドログバの左サイドからのミドルシュートで終わった攻撃シーンがありました。


                           ↓ 
     ○            ○             ○     ↓       ○
                                   ●ランパード
                          ○           (パス)
                              ×   ○       ×   ○
     ○                        ↓   ↑      ↓    ↑
              FW●シェフチェンコ     ↓   ×      ↓    ×
                 ○        SB●アシュリーコール   FW●ドログバ
                            (オフザボール)  (オフザボール)

このシーンで、ボルトンの最終ラインがアシュリーコール&ドログバの動きに混乱し、ランパードが左サイドのDFラインの裏にスルーパスを出すことに成功するんですが、チェルシーの「4-4-2」の場合、この形が1つの理想と言える気がしました。要はゲームメイカーであるランパードが相手DFの2ラインの間で前を向いた状態でボールを持ってパスを出し、その他の選手(アシュリーコール、ドログバ)が相手サイドバックの裏を取ってシュートを打ったりセンタリングを入れたりする形。こういう「パスの出し手」と、その「もらい手」の関係が、両サイドを中心にスムーズにできるようになれば、攻撃が機能すると思うし、ゴールが量産できるようになると思う次第です。そして、そして、ここが肝心なのですが、そのサイドを突く役回りをトップ下のバラックと、FWシェフチェンコが、もっと積極的にできるようになれば、チェルシーの攻撃は飛躍的に機能すると思っているのですよ。これが今回の言いたかったことです。

■トップ下のバラックが「走ってパスを受ける人」と化して、アシストできるようになった時に化学変化が起こる!?

まぁ実際シェフチェンコはそういう動きをやっているんですよね。ただ、それが周りの選手とイメージがあってないというか、呼吸があってないところが多いのが問題なだけで、動きそのものは悪くないんです。なのでシェフチェンコに関しては、実はそれほど心配してないのですが、問題はバラック。現状、「パスのもらい手」の役回りというよりも、ランパード的な「パスの出し手」となるようなプレイが多過ぎというか、ぶっちゃけランパードやエシエンとポジションが被ってしまうようなシーンが多いのが問題だったりします。さらに、彼らのフォローに回って中盤のオールラウンダーとしてプレイに関与するようなプレイが多かったりするのですが、それよりも、もっと「ホール(穴)プレイヤー」として相手DFの2ラインの間のバイタルエリアをかき回したり、相手SBの裏のスペースを突くような「チャンスメイカーとしての動き」をすべきであると思うし、そうなればかなり攻撃が機能するようになると思うんですよね。まぁ、以前書いたようにバラックの決定力は魅力でし、中盤の底の位置まで下がっての守備もすばらしいと思ってます。ボルトン戦で見せたように「ヘディングでゴールできる」のはチェルシーにとって間違いなく武器ですし、そういう「後方からペナルティエリアに入って、センタリングに合わせてシュートを狙う動き」も期待しているのです。ですが、今現在のチェルシーではそういうプレイよりも「バイタルエリアやサイドバックの裏のスペースを突くオフザボールの動き」を執拗に行って、相手DFラインを混乱させて、前線で起点となってシェフチェンコやドログバへセンタリングしてゴールをアシストするといったジェフの羽生選手のようなプレイが必要であると思うわけです。ボールのないところでの動きというヤツです。よし、この1月に羽生選手を獲りますか! なーんて冗談はさておいて。

■ミランシステムでいうところの、カカが足りないわけです

ちなみに昨年までのACミランの「4-3-1-2」システムってのは、レジスタにピルロ、右SBカフーがゲームメイク&ラストパサーで、トップ下のカカ&2トップのトリオで前線のスペースをかき回して相手DFを崩していたと思うんですが、今のチェルシーの“シェフチェンコ”システムに特に足りないのは「カカ的なプレイ」ができる選手であり、その役回りをしなければならないのはバラックであると思うんですよね。もちろんカカとバラックは違いますし、それぞれすばらしいところを持った選手であるのは間違いないわけですが、もっと「走って」パスを受けて前線で基点になるようなプレイをしてもらいたいんですよね。まぁ、別にミランシステムの真似する必要はありませんが。なんだか言っていることが湯浅氏になってしまいましたが、というわけで結論。
Q:チェルシーの「4-4-2」の現状の問題点は?
A:サイドを攻略できてないこと。特に「オフザボールの動き」でサイド基点となるような動きが少なく、サイドバックの攻撃参加を含めた分厚い攻撃ができてない。
Q:それを改善するために必要なことは?
A:トップ下のバラックとゲームメイカーランパードの役割分担をもっとはっきりさせる。もちろん流れの中で両者の役割が入れ替わることも必要だが、基本はゲームメイクにランパード(&エシエン)、「サイドやバイタルエリアを羽生のように走ってパスをもらい、前線で起点となってアスストする」役目をバラックが担う。
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