「オシム日本代表」アジアカップ準決勝雑感。

ゴールシーンだけちょろっと見ることができたくらいで、残念ながらちゃんと試合をTV観戦できませんでした。なのでサウジ戦に関しての感想は特にないのですが、やっぱ3失点は厳しいですよね。ちなみにプレビューで「先制されたら、今度はすぐに追いつけないだろう」と予想していたのですが、その予想は見事に外れ、この試合でも失点後にすぐ同点。これはある意味評価できると思うのですが、そもそも先制される展開になってしまったことが敗因だったんでしょう。月並みですが。

■2バック? 3バック?

「どういうシーンで失点したかを分析しないといけない。もうひとつ、我々はリスクを冒してプレーしていたということだ。リスクを冒すということは失点する確率も高いということ。相手の2トップに対して、2人のストッパーで守備を長い時間続けたわけだ。そのリスクを冒すことで、もう1つ別のポジションでフリーになる選手が1人出てくるという考え方だった。それがプレーメーカーだったり、素晴らしい選手だったりするわけだが、逆にリスク回避してリベロを置く、つまり3ストッパーを相手の2トップにつけるとするならば、中盤での数的優位を失われることになる。そのどちらを選ぶかだが、私は今のサッカーの信奉者である。その方が魅力的ではないだろうか。その方がオープンなゲームになるし、美しいフットボールになる。しかし今日は残念ながら何かが伴わなかった。何が足りなかったかはお分かりだろう」http://www.jsgoal.jp/news/00051000/00051869.html

試合後のオシム監督のコメントから。「2トップに対して2CB」「2トップに対して3CB」という選択肢があるとして、2CBの信奉者であるとおっしゃってます。そのほうが魅力的であり、「(2CBという)リスクを冒すことで、もう1つ別のポジションでフリーになる選手が1人出てくる」のを生かすサッカーを目指しているという考えみたいですね。で、そう選手を配置した結果「リスクを冒すということは失点する確率も高い」こともあり、3失点してしまったと分析されているみたいです。ちなみにサウジ戦の前日は以下のような練習をしていたみたいです。

守備陣は23日の練習からヤセル対策に着手した。「相手の2トップに対して、2対2プラス1で守りたい」とMF中村憲が明かす。センターバックの中沢、阿部がサウジの2トップをマークしながら守備的MFの鈴木、中村憲のどちらかが下がって挟み込む。ヤセルをDFとボランチの連係でつぶす作戦だ。
 完封がないとはいえ、川口は手応えも感じている。「最終ラインに啓太と憲剛、そしてシュン(中村)の運動量を生かしたDFができている」。ヤセルを止め、必勝データを完成させることができた時、3連覇が現実的になってくる。http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2007/07/24/02.html

最終ラインを2CBバックにすることで「2対2のリスクを冒す状態」になるわけですが、そこをボランチが下がってマークし数的有利な状態にして対処することで守れると考えていたのが伺えます。これはたぶんサウジアラビアの攻撃を研究した結果の「対処法」だったんでしょうが、これが試合でできたのかできなかったのか? 研究したどおりにうまくいったのかいかなかったのか? というわけで試合後の選手のコメントを見てみます。

(相手2トップに対して?)彼らへの守備はそんなに問題にはなっていなかった。失点シーンも人数がいる中でやられている。最終ラインだけの問題じゃないし、その前から始まっている。いろんなミスが重なった結果として失点した。http://www.jsgoal.jp/news/00051000/00051873.html
センターバック2人が2トップにつくのはリスクもあるし、僕らより相手の方が仕掛けてくるから、啓太(鈴木)がカバーしながらやっていた。1対1でも前を向かせないようにと心がけたけど、スペースができた。3点目なんかは2対1で数的優位だった。ああいう時はボールを取らないといけない。http://www.jsgoal.jp/news/00051000/00051872.html
3点目は個で完全にやられた。完全に見たまんまだと思う。(サウジのFW?)イメージしていたのより能力が高かった。全て抑えられたら完璧だけど、そこで抑え切れなかったということ。DFは1つのミスで失点につながってしまうので。それくらいで重いところだと思うので。それを止められなかったのが全てだった。http://www.jsgoal.jp/news/00051000/00051877.html

鈴木啓太選手は「守備はそんなに問題にはなっていなかった」と言ってます。なぜなら「人数がいる中でやられている」から。遠藤選手も「3点目なんかは2対1で数的優位だった」と言っていますが、これ要は試合前日に行っていた「最終ラインに啓太と憲剛」というDFができていたので、それは問題ないということなんでしょう。やり方は問題なかったのに、ではなぜ失点してしまったのか? 阿部選手は「イメージしていたのより能力が高かった」とし、「個で完全にやられた」とも言ってます。また鈴木啓太選手は「最終ラインだけの問題じゃないし、その前から始まっている。いろんなミスが重なった結果」と分析しています。遠藤選手は「ああいう時はボールを取らないといけない」と言っておあり、これはたぶん自分たちのミスということなんでしょう。

ゴチャゴチャしてしまったので、3人の意見を要約すると。

①前日の練習どおりに「2CBとボランチで守れた」が、相手が予想以上だった。
②前日の練習どおりに「2CBとボランチで守れた」が、最終ラインの前からのミスがダメだった。
③前日の練習どおりに「2CBとボランチで守れた」が、最終ラインがミスした。
こんな感じですかね。この3つの意見は果たしてどれが正しいのか? それとも、どれも正しいのか? もしくは、そもそもどれも正しくないのか? そもそも「2CBとボランチで守れた」と考えるのが間違いなのか、それとも「2CBとボランチで守れた」までは間違ってないのか。つまり「対サウジアラビア攻撃の対策」のやり方は合っていたけど、実践できなかったのか? ではなく、そもそも「対サウジアラビア攻撃の対策」自体が間違っていて、失点は必然だったのか? というあたりまで掘り下げて分析してもらいたいところですが…。

■フィジカル

そういえば日本には、選手のフィジカルを管理する専門家がいなかった。そのことについては、以前にも当連載で指摘していたことだが、それがこのような形で現れるとは……。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/column/200707/at00014014.html

連日、ほとんど休養なしに、かなりハードなトレーニングが行なわれた。貴重なトレーニングの時間を休養に当てるわけにはいかないのだ。試合前のウォームアップのときも負荷のかかるトレーニングが行なわれた。大会を勝つためのトレーニングではなかったのだ。http://www.jsports.co.jp/press/column/article/N2007072613421602.html

フィジカルに関して、2つの意見。「管理がうまく行かなかった」「そもそも管理しなかった」。どちらが正解? 日本サッカー協会とオシム監督は、そのあたりをどう考えていたのかは知りたいところです。で、仮に「大会を勝つためのトレーニングではなかった」とするなら、それはあえてアジアカップでやらなかったのか? それとも、そもそも「大会を勝つためのトレーニング」なんてものは存在しないのか? そのあたりも知りたいところです。というか、アジアカップという公式戦で「試合前のウォームアップのときも負荷のかかるトレーニングが行なわれた」のが本当とするなら、それは正しいのか? やる意味があるものなのかについても考えてほしいですね。本当にオシム監督が「試合前のウォームアップのときも負荷のかかるトレーニングが行なわれた。大会を勝つためのトレーニングではなかった」ことをしていたのなら。まとまりませんが、本日は以上で。
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