オシム日本代表の攻撃とオシム交代術について考えてみた 3位決定戦「対韓国戦」を見て

■PART①:オシム監督の交代術について

今更ながらアジアカップ3位決定戦について。試合をするからには勝つにこしたことはないと思うのですが、オシム監督は必ずしもそういう感じでもなかったんでしょうか? 韓国が1人退場になってからの戦い方ですが、選手の交代策を含めてちょっと消極的だったように思えました。羽生、佐藤寿、矢野投入の時間帯や順番には深くて壮大な意図があったのかもしれませんが、個人的にはもっと単純に勝負にこだわった采配をしてほしかったというのが正直なところ。

たとえばチェルシーのモウリーニョ監督は勝負どころではリスクを冒してでも点を奪いに行きますよね。単にFWを投入するのみでなく、3バックにしたり、MFエシエンをサイドバックにする超攻撃的な布陣にしたりして。同様にユーロ2004の話になりますが、ポルトガル代表スコラーリ監督はイングランド戦でデコを右サイドバックにする攻撃的布陣にして同点に追いついたこともありました。ドイツW杯でイングランド代表のエリクソン元監督がベッカムをSBで起用してゴールを奪いにいった采配もありましたが、このアジアカップでもオシム監督にそのような「リスクを冒した積極采配」をしてほしかったんですよね。というか、オシム監督がそういう積極的な采配ができる監督なのかどうか注目してたんですが、このアジアカップでの采配を見る限りではそういうリスクは冒さない監督であるように思えました。まぁオーストラリア戦でそういう「リスク」が冒せなかったのはわかる気もするんですが、この韓国戦では恐れるものはなかった気がするんで。加地下げて俊輔を右サイドバックにするくらいのリスクを冒してもよかったと思うんですよね。そういうポリバレントとかはダメですか? っていうか、ポリバレントって所詮は相手に合わせた受身の采配でしかないのですか。あっ、本当はそういうリスクを冒す采配ができるんだけど、今回はあえてやらなかったんでしたっけ。そもそもそういった戦術的な交代要員を考えての選手選考はしてなかったんでしたっけ。まぁ、いいや。

■PART②:オシム日本代表の攻撃について

次いで、この試合のオシム日本代表の攻撃についてちょいと。この試合の主な攻撃の形はこんな感じでしたかね? 
①、最終ライン&ボランチでボールを回し、韓国の高いDFラインの裏のスペースへロングフィード。オフサイドラインギリギリを狙って、山岸選手や遠藤選手や中村憲剛選手が2列目、3列目から飛び込む。
②、最終ラインでボールを回し、SBが高い位置でパスを受けてそのままアーリークロス。SBがたまに中に切れ込んでワンツーでサイド突破もしくはシュート。
③、主に右サイドで中村俊輔選手が駒野選手らとのコンビで崩して、サイドを崩してセンタリング(センタリングは基本ファーサイド?) もしくは中村俊輔選手がサイドでボール持って、ゴール正面にいる高原選手、羽生選手へクサビパスみたいなスルーパスで高原、羽生がそのままシュートとして相手GKに弾かれる。
④、中村憲剛選手とかが高原選手へクサビパス(というかパス&ゴー)。高原選手が潰されFKゲット。

他にもあるかもしれませんが、だいたいこんな感じでしたかね。で、見ていて改めて感じたのが「サイド攻撃を狙いすぎている」ことと、「チャンスメイクできる選手のバランスと、ゴールゲットできる可能性のある選手のバランスが悪い」というところですかね。

■PART③:オシム日本代表の攻撃「サイド攻撃を狙いすぎている」に関して

まず、「サイド攻撃を狙いすぎている」に関してですが、もっと中央突破というかFWへのクサビパスを出して中央で基点を作るように努力すべきだと思うんですよ。それによって、サイド攻撃も生きてくると思うんで。サイドを攻略すること自体は正しいと思うんですが、そればかりですと守る方にとっては予測しやすいですからね。そりゃ韓国もおもしろいようにインターセプトできるってものです。

■PART④:オシム日本代表の攻撃「チャンスメイクできる選手のバランスと、ゴールゲットできる可能性のある選手のバランスが悪い」に関して

次いで、「チャンスメイクできる選手のバランスと、ゴールゲットできる可能性のある選手のバランスが悪い」についてですが、要は中村俊輔が完璧なセンタリングしたとしてもそれをゴール前で確実に決められる人がいないということです。この試合では高原以外にゴール前に飛び込んでゴールを決めることができる選手がいなかったということです。巻がいればその可能性は高かったと思うんですが、山岸、遠藤、中村憲剛、羽生、鈴木、加地らに「FW的な嗅覚でゴールを」を求めるのは厳しいと思うんですよね。もちろん、彼らが絶対にFW的な得点ができないってことじゃないです。あくまでその可能性が低いという話。この試合、途中出場の羽生選手が2度ほど絶好のシーンでシュートを打つもGKの正面をついて弾かれてしまうシーンがありましたが、私にはあれは運が悪かったというよりも必然の結果だったように見えてしまいました。もちろんFWだからって必ずゴールできるとは限らないかもしれませんが、ゴールできる確率はやっぱFWのが高いと思うということです。

FW巻でなくMF山岸をスタメンにした理由はなんとなくわかります。山岸選手の起用は、たぶん韓国の高いバックラインの裏のスペースへの飛込みを狙ってのものだったんでしょうが、結果論から言えば山岸起用でチャンスメイクはできたけど、同時に決定力も落ちてしまったということ。当たり前のこと書いてすみませんが、要はチェルシーで言うとドログバがいるいないではゴールできる可能性は変わるし、ドログバがワントップか2トップ課で出ているかによってもゴールの可能性は変わるということです。

■PART⑤:50歩100歩の理論に関して

たまに、日本代表には個があるスーパーな選手はいない。50歩100歩。だから、少しばかりの個がある選手よりも「走れる選手」を使うほうがいい的なアホな意見を目にすることがありますが、これ間違いだと思います。たとえ50歩、100歩の違いだとしても、私はその僅かな「50歩」がめちゃめちゃ大きいと思うんです。その「50歩」がゴールを決めることができたり、試合をきめることができるんだって思ってます。もちろん「走れる選手」だって必要だと思いますが、同じように技術がある選手だって必要であると言うことです。ジーコの本で大黒を代表に選んだ理由が「シュートを打つ早さ」と書かれていたのが印象に残っているんですが、そういう選手たちが持っているすばらしい技術は大切にすべきだと思うんです。ゴールに直結するような技術は特にね。FWをGKみたいに特別に育成しているのはスイスでしたっけ? ある意味それは間違ってないと思うんですけど、オシム日本代表ではFWというポジションに関してどう考えているのかは興味深いですね。ちょっと昔のジーコ監督時代に「FWが主語となる攻撃が必要」について引用したことがありますが、今のオシム日本代表見てそう思う人すら出てこないように感じるのはいいことなのか悪いことなのか? まぁ高原が主語になっているんで、その必要がないだけなんでしょう。

■PART⑥:「ミドルシュートを狙う攻撃の形」について

もちろん、FWがゴールを奪うだけがサッカーではないですし、それ以外の形でゴールできるならそれはそれでOKなのかもしれません。ドイツW杯でも「ミドルシュート」でのゴールが多かったわけですが、オシム日本代表でも同じようにそれが重要な要素であると思うんですよね。ですが、韓国戦では「ミドルシュートを狙う攻撃の形」ができてないように見えました。それはオーストラリア戦でも同様でしたが、中村俊輔、遠藤、中村憲剛らミドルシュートの名手がいるのに彼らにそれを生かさない手はないと思うんですけどね。中央突破やクサビが少ないと書きましたが、それとミドルシュートを狙う攻撃の形の関係は大きいと思ってます。バイタルエリアでミドルシュートが打てるようなスペースを作る動きをどれくらい意識している選手がいるのでしょうか?

■PART⑦:オシム日本代表の攻撃の主語に関して

オシム日本代表の攻撃における主語は誰なんでしょう。高原であるのは間違いないとして、彼が徹底マークされたときに、彼の代わりに主語になる人は誰なのか? で、その人を主語とした場合、どのような攻撃が活きるのか? 攻撃における主語はやっぱ「ゴールを決める人」であるべきだと思うし、「ゴールを決める人」がゴールできるような形を作ることが一番大切な気がするんですが、そんな単純なものではないのでしょうかね?

しかし、来年から始まる10年W杯南アフリカ大会のアジア予選を勝ち抜くためには、パスを回すだけでなく、フィニッシュまで持っていく力が必要になる。中村も「もっと自分の持っているものを周りに引き出してもらったり、自分が引き出したりすることも必要。ジーコジャパンの時は、もっと個人で打開していた」と提言した。欧州組の力に頼っているだけでは限界があることを今回露呈しただけに、国内組、特に中村憲、鈴木らの底上げは急務だ。http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2007/07/30/01.html

中村俊輔が次に代表に呼ばれるのはいつなのか? そもそも次があるのかわかりませんが、呼ばれたらがんばってもらいたいです。

■PART⑧:韓国代表について

最後に韓国代表について。いい守備していたとは思いますが、攻撃はイマイチでしたね。やっぱパクチソンやイヨンピョら欧州組がいるといないでは違うように思えました。ただ、おもしろかったのはロングボールをサイドに放り込んでいたことですかね。たぶん中澤を避けて、駒野や阿部のところで空中戦を仕掛けたんだと思いますが、放り込むならそのやり方は間違いではないように思えました。それだけです。では
人気blogランキングへ
↑読んでおもしろかった人はクリック願います。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0