コンフェデ杯「日本代表vsギリシャ」プレビュー  70年のドイツサッカーvs80年ブラジルサッカ-

70年代のドイツ的なギリシャのサッカーは嫌いですが、リベロがポイントです。

優勝したギリシャは守備のチームだった。グループリーグ以降の3試合はすべて1-0、3ゴールのうち2つはCKからのヘディングで、残りの1つもヘディングシュート。先行したチームがリードを守りきれない試合が相次ぐ中、ギリシャだけが先行逃げきりに成功していたのは何より強固な守備力ゆえだ。徹底したマンマークによる守備戦術を古くさいと感じた人も多いだろうが、それが効果的だったことを否定する人もいないだろう。戦術は古い新しいではなく、選手に合っているかどうかが最も重要なのだという事実をギリシャは明確に示していた。セイタルディス、カプシス、カツラニスという3人の強力なマンマーカーと傑出したスイーパーのデラスを生かして、相手チームの強力な「個」を抑えきった。ユーロ2004を振り返る 西部謙司http://number.goo.ne.jp/soccer/world/euro2004/20040713.html

正直、ユーロでのギリシャの戦い方は大嫌いでした。優勝したことはすごいと思うし結果を出したことは認めますが、そのサッカーには魅力を感じなかった。よく今シーズンのチェルシーのサッカーがギリシャ的であるという人もいますが、冗談ではない。確かに「守備が堅い」という点は同じなのかもしれないが、両チームの守備戦術は違うと思いますし、そもそもチェルシーは守備だけのチームでもない。
 今回はチェルシーの話はどうでもよく、ギリシャについてである。コンフェデで月曜日深夜に日本代表はギリシャと戦うわけですが、正直このチームにだけには負けてほしくない。なんとしても勝ってほしいし、点を取ってほしいわけですが…。ユーロで優勝したギリシャですが、W杯予選では苦戦しています。欧州W杯予選グループ2では、現在ウクライナ、トルコについで3位。Numberの「ギリシャが目論む「死の2組」からの脱出」という記事で、アルバニア代表のブリーゲル監督はギリシャのレーハーゲル監督ことを「中身は古いドイツのそれと変わりなかった」と言ってます。またドイツ代表のクリンスマン監督も 「彼は誰になんと言われようとも、これからも70年代のドイツサッカーを続けるつもりなのだと思う。それがレーハーゲルという人物なのだ」 と、ブリーゲルと似たようなコメントをしています。この2人の言うことはあながち間違ってないでしょう。つまり「レーハーゲルは70年代のドイツサッカーをギリシャ代表でやっていて、それは彼がそれしかできないから」だということ。もちろん西部氏が言うように「レーハーゲルの戦術が、ギリシャの選手と合っていた」というのこともあるのでしょうが、その理由はどうであれ、確実なことは「ギリシャ代表のサッカーは、70年代のドイツ的なサッカー」ということです。ですが、70年代のドイツサッカーと今のギリシャ代表の戦術がまったく同じであるかと言うと、そうではなかったりします。それはどこかと言いいますと、どちらも「リベロ」と呼ばれる「ポジションがあってないような自由な役割」を与えられた選手を置くシステムをとっているのですが、その「リベロ」に据える選手のタイプがまったく違うわけです。varietyfootballというサイトの「モダンサッカーとリベロの死(2)」でリベロについて詳しく書かれていますが、その中でユーロでのギリシャについて以下のように書かれてます。

非常に稀有な例ではあるが、現代のサッカーにおいてもこのようにハッキリしたリベロを置く布陣も厳しい条件付ではあるが可能である。例えば、ギリシャのリベロは華奢で知的なベッケンバウアーとは全くタイプが異なり、大柄で力強い完全なストッパータイプだ。ワントップに入るロングボールの類を全て跳ね返すことで、簡単に攻撃の基点を作らることはなかった。またリベロの前に非常にマーキングの意識の高い選手たちを多数配置することで、そこから裏へ抜けようとする相手選手は全員マンマークで対応していた。加えて、シーズンオフに行われた大会ということからトップレベルの選手達のコンディションが特に悪く、両サイドの生じているスペースを効果的についていくことが難しかったのも、リベロシステムを破綻させなかった要因だといえる。http://www.fujix.co.jp/varietyfootball/archive/detail_05.html

要は、70年代のドイツ的な「リベロ」システムをさらに守備的にしたのがオットーレーハーゲルのギリシャ代表ということです。徹底したマンマーク守備と、最後尾で「1人余ってカバーリングする強烈なストッパ-」を置くギリシャの守備システムの堅さユーロでも実証済みです。ですが、このユーロでは通じたギリシャの守備もどんな対戦相手にも通じるような完璧なものではないということです。格下と呼ばれるアルバニアはギリシャを研究してW杯予選で勝ちました。このコンフェデでブラジルは、アドリアーノの「強烈な左足ミドルシュート」とジュニーニョペルナンブカノのFKという「個」の力でギリシャを粉砕しました。では我が日本代表は、この堅守「ギリシャ」に対してどう戦うべきなのか? 勝算はあるのか?

ギリシャの「リベロ」システム攻略法は?

ウォーミングアップののち、フォーメーション練習を行なった日本代表の、最終ラインに並んだ選手は4人。ジーコ監督はギリシャ戦に向け、3月25日のW杯アジア最終予選・イラン戦以来となる4―4-2を採用した。システム変更について「メキシコ戦の結果は関係ない」と語ったジーコ監督。「ボール回し、選手の早い動きなど、自分たちのよさを活かして確実に勝てるようにということを考えている」と付け加え、あくまで日本のよさを活かすための4バック採用であることを強調した。http://sports.yahoo.co.jp/soccer/wld/headlines/ism/20050619/spo/10321900_ism_00000092.html

ジーコは、本当に4-4-2でいくのでしょうか? まぁもともとブラジル的というか80年代のテレサンターナ監督の「4-4-2」サッカーを支持するジーコなので、最終的にやりたいサッカーのスタイルはこの「4-4-2」で攻撃的SBを駆使するサッカーなんでしょうけど。まぁ好きなのはわかるけど、まだこのシステムで戦うことを諦めてなかったんですね。くしくもコンフェデ初戦で「4-4-2」のブラジルがギリシャを叩いたので何かインスピレーションが沸いたのかもしれませんが、日本にはアドリアーノもカカもロナウジーニョもエメルソンもカフーもいないってことは十分にわかっているkとだと思うのですが…、攻撃を考えての変更でなく中澤がいないから「4バック」ってことなんでしょうか。まぁふたを開けてみないと「4-4-2」なのかわかりませんが、攻撃面から考えての「3-4-2-1」から「4-4-2」への変更ならそれはどうでしょうか?と思う次第です。

「3-4-2-1」から「4-4-2」への変更? マンマークに対してはワントップのが効果的では?

「4-4-2」と「3-4-2-1」の大きな違いは、FWの人数です。「2トップ」か「1トップ」か。個人的にギリシャに対しては「ワントップ」の方が機能するような気もしてます。なぜかと言うと1トップの方がギリシャDFに「マンマーク」させにくいからと思うからです。FWが2人いれば、確かに前線のターゲットマンが増え日本からすると「選択肢が増える」とは思いますが、逆にギリシャからみれば「マークすべき=潰すべき基点」がはっきりして「守備=マークしやすくなる」ような気がするんですよね。マンマーク守備に対して有効なのは、ポジションチェンジなどをしてマークを外すことか、もしくは対峙するDFに「1対1で勝って「数的有利な状況」を作り出すことだと思う次第です。となると「個」で劣る日本代表としては、FWやMFのポジションチェンジを織り交ぜて「スペースを生かす攻撃方法」が有効だと思うんですが…。玉田と柳沢が、うまく動いてギリシャDFの穴を空けることができれば勝機があるのかもしれませんが、はたして? まぁ、そもそも日本代表レベルの「個」の技術でギリシャ相手にポゼッションで上回れるのかわかりません。もしギリシャが「ポゼッションで日本を上回り」、その結果、日本が「守備からカウンターを狙うという展開」になった方が「勝機」があるような気もしますが、そういう展開にはならないんでしょうね。まぁどちらにせよ最後は「個」の力が問われるのかもしれません。ブラジルのアドリアーノみたいな「個」を生かしたミドルシュートや、またはジュニーニョペルナンブカノのみたいな「個」を生かしたFKを、日本代表ができるのかどうか? たぶんギリシャは「引いてカウンターから、高さを生かした攻撃」を徹底して仕掛けてくると思います。いつも通りの70年代のドイツ的なサッカーをしてくるハズです。だってジーコ日本代表同様、ギリシャも「対戦相手がどこであれ、自分たちのスタイルを貫く」サッカーなのですから。よくも悪くもね。ということで、結局のところ見どころ&ポイントはこれです。

「引いて守ってくる『格上』をいかにこじ開けるか?」

 メキシコ戦に続いて、ギリシャ戦でも、また「この命題」を突きつけられることになると思いますが、結果はどうなるのか? 
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