プレミアリーグ第11節「チェルシ-対ブラックバーン戦」雑感 ミスが出ても「勝利できた」というのは強い

「攻撃は失敗を恐れず、守備は安全に」
土曜日に行った近所の美容院で古い週刊サッカーダイジェスト読んでいましたら、今話題の大分のシャムスカ監督がインタビューでこんな感じのことを言ってました。
この「守備は安全に」って言葉は当たり前な言葉に思えますが、それを実践するとなると実はけっこう難しい。ブラックバーン戦のチェルシーの2失点目のシーンは、まさにそんな言葉が身に染みるシーンであったと思うのですが…、というわけでミスによる失点はあったもののランパードの活躍などで4-2で勝利したブラックバーン戦を振りかってみます。

■試合開始前:右にギャラス、左にデルオルノという布陣がベストのサイドバック?!

チェルシーのスターティングメンバーは、先週のエバートン戦と同じ。GKチェフ、DFはギャラス、カルバーリョ、テリー、デルオルノ、MFはエシエン、マケレレ、ランパード、FWはションライトフィリップス(SWP)、ドログバ、ジョーコール。ここ数試合サイドバックは右にギャラス、左にデルオルノという布陣で戦っているモウリーニョですが、現時点ではこれがベストのサイドバックということなんでしょうか? 個人的にはこのサイドバックの出来、不出来が今のチェルシーのポイントだと思っているのですが、そのあたりを特に注目して試合を観戦することにしました。

■前半①:ケンカをさせないランパードの「早いサイドチェンジ」が功を奏す!

試合開始前に「肉弾戦」「ケンカサッカー」を想像していたこの戦いですが、そんな予想に反して(?)前半はお互い比較的クリーンな「ポゼッションサッカー」を両チームが展開することになります。というか、たぶんブラックバーン的には「ケンカ」したかったけれども、チェルシーの攻撃陣、特に中盤の選手がそうさせなかったという見方が正しいのかもしれません。立ち上がりからブラックバーンの守備陣が中盤でプレッシングしてきたのですが、そんなブラックバーンのプレスをあざ笑うかのような素早いボール回しで両サイドから攻撃を仕掛けます。そんな素早いパスの出して=ゲームメイカーが、中盤のランパードでした。中盤やDFラインでのボール回しから、中盤のランパードを経由して逆サイドへ大きな展開。このランパードの素早いサイドチェンジが効果的に見えました。まぁどの試合もランパードのパスから攻撃を仕掛けているわけですが、この試合はいつも以上に「ワンタッチかツータッチでのサイドチェンジパス」が多かったように感じました。

■前半②:ギャラスが高い位置で基点に! サイドバックが組み立てに参加するサッカーとは!?

このブラックバーンのプレッシングをあざ笑う速いパス回しはモウリーニョの指示だったのか、それともランパードの判断であったのかわかりませんが(たぶん両方)、そのパンパードからサイドへ展開するパスの受け手が、私が注目していたチェルシーのポイントである両サイドバックの2人であったりするわけです。

記者:両サイドを起点とする攻撃も、大きな特徴です。
駒野:監督からはサイドでは常に数的優位に立つように言われています。ボールを持った選手を孤立させないように、ほかの選手がフォローしたり、オーバーラップしてパスコースを作ったりすること。それが1試合のうちに何回もできれば、サイドを制することができるので。それをみんな意識していて、中盤の選手も近い位置に寄ってきてくれるので、プレーの選択肢が多くなっている。やりやすいですよ。コンビネーションがしっかりしていて。
http://www.soccer-m.ne.jp/interview/1046/index.html

最近、日本代表に選出されている駒野のインタビューを持ち出すまでもなく、サイドバックが「両サイドで攻撃の基点となる」「攻撃の組み立てに参加する」ことはポゼッションサッカーを行うためには重要なことです。で、この日のチェルシーは、いつも以上にこれが出来ていたように感じました。特に右サイドバックのギャラスがハーフウェイラインを越えて、相手陣の高い位置でパスを受けて攻撃の基点となっていたのがよかったように思えました。前半6分にこんなシーンがありました。中央でランパードが素早く右サイド展開。ペナルティエリアの少し外からギャラスがアーリークロス。このクロスをゴール左サイドに走り込んだドログバがシュート(というかセンタリング?)。ゴールにはなりませんでしたが、ランパードのサイドチャンジ&サイドバックの攻撃参加が絡んだ見事な攻撃であったと思いました。



    ○ジョーコール                  ○SWP

○デルオルノ                          ○SBギャラス
     サイドチャンジパス←← ○ランパード →→サイドチャンジパス           

このような「ランパードを中心とした素早い展開」&「両SBの攻撃の組み立ての参加」で前半早々から主導権を握ったチェルシーがセットプレイから先制点を上げることになります。前半10分。左サイドのCKから一度はDFに弾かれるものの、ランパードがもう一度センタリング。そのクロスを相手DFの前に出てドログバがヘッドで合わせてゴール! 押していたチェルシーが前半早々にあっけなく先制! ランパードのクロスもよかったしドログバのポジショニングも見事でした。このゴールで勢いに乗るチェルシーが、またまたセットプレイから追加点を上げます。今度は先ほどとは逆サイドの「右」からのCK。ランパードの蹴ったボールにテリーが合わせようとしたところでブラックバーンのDFが押さえつけてPK。ブラックバーンDF陣の闘志が空回りしてしまったという感じか、あまりに露骨な「肉弾戦」は明らかなファウルでした。このPKをランパードがキチンと決めてチェルシーが追加点。変なサーカスプレイはせずにきっちりとゴールを決めたランパードのPKでしたが、もしかしたらリーガエスパショーラだったらブーイングを浴びたかもしれません(笑)。

■前半③:堅守チェルシーで2-0ならば、「ほぼゲームは終了」という感じになるのですが…!?

という感じで相手のミスに乗じて前半15分で2-0としたチェルシー。堅守を誇るチェルシーですので、いつもならこの時点で「ほぼゲームは終了」という感じになるのですが、この日はそうはなりませんでした。4分後の前半18分にブラックバーンのCKからカルバーニョがペナルティエリア内でファウルをして、PKをお返ししてしまいます。これをベラミーが決めて1点差。ゲームはわからなくなります。

その後、お互いポゼッションからのサイド攻撃を仕掛けますが決定的なチャンスを作れない感じのこう着状態となります。そのまま前半終了かと思われた前半44分。堅守を誇るチェルシー守備陣の信じられないミスによって、ブラックバーンに同点に追いつかれてしまいます。デルオルノのバックパスをGKのチェフがキックミス。そのミスしたボールをブラックバーンに繋がれ、またしてもベラミーに決められてしまします。

■前半④:結果論ですが、チェフとデルオルノのプレイは安全なプレイであったのか!?

「守備は安全に」冒頭で紹介したこのシャムスカの言葉どおりにチェルシーが対応していたら、たぶんこの失点はなかったことでしょう。まぁ思いっきり結果論ではありますが、チェフのミスしたキックはもちろんのこと、そもそもバックパスしたデルオルノのプレイも「安全」であったかどうかは微妙だった気がしてます。バックパスももちろん選択肢ではありだと思うのですが、キーパーが蹴りづらいようなバウンドでパスするくらいなら思い切ってクリアしたほうがよかった気がするんですよね。もちろん結果論です。チェフがデルオルノのバックパスを難なくキックしていたら、それはそれでOKなプレイであったと思います。ですが、そうはできなかった。なぜか? それはチェフにとってそれほど簡単なプレイではなかったから、すなわちチェルシ-にとって「完全に安全なパス」でなかったからだと思う次第です。もちろんミスしたのはチェフですが、そうしいミスが起こらないようなプレイを選択するのが守備をする上で大切なことであると思うんですよね。これはチーム組織の問題でもあると思いますし、個の判断力の問題でもあると思います。昨シーズンはこの「安全なプレイ」はかなりできてました。今シーズンも開幕から数カ月は出来てました。ですが最近、ちょっと軽率なプレイというか「リスキーなプレイ」が守備陣で出てきているように感じるんですよね。堅守が売りのチェルシーらしくないこういうプレイは気になるところです。ってことで前半終了。2-2のまま後半を迎えます。

■後半①:マークヒューズ監督の退場で何かが変わる! ランパード&ジョーコールがゴール!

後半。メンバーチェンジはありませんでしたが、チェルシーがまたまた主導権を握ります。前半同様のサイドからの攻撃とあわせて、後半はランパードがドリブルやパスで「縦」にも仕掛けるようになります。ボールポゼッションで上回るチェルシーですが、ブラックバーンの守備陣も固く、特に前半から良い守備を見せていたMFサベージと左サイドバックのルーカスニールを中心とした守備陣からゴールを上げることができません。とは言え完全にゲームはチェルシーペース。徐々にブラックバーンのファウルが多くなりますが、そんな矢先の後半50分過ぎにブラックバーンが退場者を出してしまします。退場はなんと監督のマークヒューズ。たぶん前半から審判の笛にイライラしていたんでしょう。暴言(?)で退場となってしまいます。この退場が何かを変えました。後半62分。中盤でトゥガイがジョーコールにファウル。このFKをランアードがゴール前にセンタリングをあげるのですが、なんとそのボールがそのまま直接ゴールイン! ブラックバーンのミスというかラッキーなゴールでチェルシーが勝ち越します。さらに75分。今度はジョーコールがドリブルから思い切ったシュートを放ち、これが相手DFに当たってゴール! 4点目。ジョーコールらしい、すばらしいゴール。ドリブルで単独でゴール前に持ち込んで「枠」に強烈なシュートを打てるジョーコールはすばらしいと思いますし、彼の存在はチェルシーにとって非常に重要であると改めて実感した次第です。

このゴールで勝負ありでした。その後、退場になったマークヒューズ監督が、ディコフやモコエナという殺人マシーンをピッチに送り込みますが時はすでに遅し。ブラックバーンは悪質なファウルこそ多くなったもののゴールを奪えず、そのままタイムアップ。4-2でチェルシーが勝ちました。

■総括:「守備陣のミス」は気になるが、ミスが出ても「勝利できた」ということは強い証拠!?

ブラックバーンがディコフやモコエナというケンカ要員を先発で使わなかったため、チェルシーにとっては比較的戦いやすかった相手のハズなのですが…、やっぱ前半の失点はいただけなかったと思う次第です。まぁ試合に勝ったのでOKではあるのですが、1失点目は得点直後、2失点目は終了間際という「相手にゴールを与えてはいけない時間帯」に取られているのが気になるところなわけです。しかも2つともミス絡みでしたしね。まぁチェルシーの得点もブラックバーンのミス絡みであったわけですが、ミスを多くした方が負けるという典型的な試合であったという感じでした。まぁ「守備陣のミス」は気になるわけですが、考えようによってはミスが出ても「勝利できた」ということが強いという証拠なのかもしれません。この勝利でエバートン戦から続いた「イヤな流れ」も断ち切ったわけですしね。

それにしてもブラックバーンが思ったほど「悪質なケンカ」を仕掛けてこなくてよかった。まぁアウェーなんで、ちょっと遠慮していたところもあるのかもしれませんが、そういう展開=ケンカにさせなかった「ランパードの速いパス」がこの試合のすべてだったということなんでしょうかね?

ちなみにドログバ、ランパード、ジョーコールという、チェルシーで「ゴールできそうな3人」が決めたわけですが、決めるべき人が決めたということなのでしょうか? それともやっぱ、この3人しかゴールできないってことなんでしょうか? あー、早くダフに戻ってきてほしいなぁ。
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