プレミアリーグ第14節「ポーツマス対チェルシー戦」雑感  ウイングを使った攻撃と鉄人ランパ-ド

■チェルシーの攻撃陣の最大のポイントであるダフ&ジョーコールの「両ウイング」が活躍!?

José was dignified in his response. “Let Joe do his work. He’s one of the best wingers in the country, that’s no doubt,” he said. “They couldn’t stop him because he was too powerful. He got one penalty and might have had another.” http://www.chelseafc.com/article.asp?hlid=328928&m=11&y=2005&nav=news&sub=latest+news

ちょっと遅くなりましたが先週土曜日に行われたポーツマス戦について。モウリーニョも褒めてますが、私もこの日のMVPはジョーコールであったと思いました。この試合、チェルシーの攻撃陣の最大のポイントであるダフ&ジョーコールの「両ウイング」が機能していてすばらしい活躍をしていたと思ったのですが、中でもジョーコールはすばらしかった。ということで、今回はチェルシー攻撃陣の最大の武器である「両ウイングを使った攻撃」を焦点を絞りつつ試合を振り返ってみたいと思います。そういえばちょうど先日、このブログによくコメントしていただいてますRRさんから、私のチェルシーの攻撃の分析(クレスポへの不満)について「WGとSBの絡みについて言及がない」、「WG型チームは下手に中央から散らすより、縦に縦にスピードを求めた方が良い場合もある」というご意見、ご指摘をいただいていたんですよね。まさに仰せの通り、チェルシーの攻撃の最大のポイントは「ウイング」であると思いますし、そのウイングを使った「ポゼッション」からの攻撃について書いていきたいと思います。

■スタメン:右サイドバックにはパウロフェレイラ! クレスポが連続スタメンに!

スターティングメンバーですが、CLアンデルレヒト戦から2カ所変更。両サイドバックが変わりました。右サイドバックにはパウロフェレイラ。ひさびさの登場です。でギャラスが左サイドバックに回って、デルオルノは休み。GKチェフ、DFギャラス、テリー、カルバーリョ、フェレイラMFランパード、エシエン、グジョンセン、FWダフ、クレスポ、ジョーコール。システムは4-3-3です。FWは好調クレスポ。このところスタメン出場してゴールという結果を出しているクレスポですが、それが認められた形か?

■前半①:チェルシーが優勢! 両ウイングのプレイヤーを基点にした攻撃方法とは!?

試合はアウェーながらチェルシー優勢で展開します。エシエン、ランパ-ドを中心とした「ポゼッションからの攻撃」を、ポーツマスがある程度引いて守るという感じでした。さて、そのチェルシーの「ポゼッションからの攻撃」についてですが、以前このブログで、「クレスポのクサビを受けるプレイが少ない」&「バイタルエリアを使うプレイが少ない」と苦言を書きました。この試合も似たような感じだったのですが、じゃDFラインでボールを回すだけかといわれれば、当然そんはことはないわけで。じゃ、どうやって攻撃を仕掛けるか? どうやってDFラインのボール回しから(横パス)から、前へボールを運ぶか(=タテパスを放つか)と、言えば……それはズバリ、両サイドのウイングのプレイヤーを基点にして攻撃するというわけです。

■前半②:両サイドのウイングへ「クサビのパス」を出してサイドの高い位置で基点

これはチェルシーに限らず、「4-3-3」などのサイドにウイングを配したフォーメーションのチームなら同じであると思いますが、両サイドのウイングへ「クサビのパス」を出してサイドの高い位置で基点を作る形がよく見られます。



       ●ダフ                               ●ジョーコール
   (サイドで基点)                               (サイドで基点)
               
             ↑                      ↑  
              ○ランパ-ド(クサビのパス)     ○エシエン(クサビのパス)
 
       ↑(クサビのパス)                        ↑(クサビのパス)
       ○ギャラス                            ○フェレイラ

その攻撃パターンをチェルシーで考えてみますと、こんな感じ…。DFラインやMFがボールを回している間に、両ウイングのダフ、ジョーコールがオフザボールの動きで相手DFのマークを外します。両ウイングのどちらかがフリーとなるのを見計らって、MFランパードやエシエン、そして両サイドバックのギャラス、パウロフェレイラがクサビのパス(タテパス)をウイングへ出します。で、後ろ向きの状態で「くさびのパス」を受けるウイングのプレイヤー(ダフ&ジョーコール)がサイドの高い位置でポストとなり、そこからさらなる攻撃を展開。そこからの攻撃パターンは、主に以下の3つ。
①、相手DFのプレスが厳しいならMFやSBへバックパスし、再度攻撃を作り直す。
②、サイドでボールをキープし、攻撃参加してきたMFやSBの選手へパスを出す。
③、後ろを向いた状態から、個人技で前を向いて「サイド突破」もしくは「中に切れ込んでシュート」

 大雑把に言えば、こんな感じでしょうか? で、このように「サイドの高い位置で基点を作れるかどうか」は、チェルシーをはじめとした「4-3-3」システムを採用するチームにとっては非常に大きなポイントとなるわけです。これまでこのブログで散々「クレスポが中央で(バイタルエリアで)基点になれないのは厳しい」って書いてきたわけですが、実はそれができなくてもそれほど問題はないわけで(笑)。もちろん中央でも基点ができたほうがいいわけですし、中央で基点を作れることによって相手DFのマークがサイド&中央への広く閑散し、それによってサイドでも基点を作りやすくなるという効果があるという意味で「中央のポストプレイの重要性」を書いたんですけどね。

■前半③:先制点はフェレイラのアーリークロスから! クレスポの技ありゴールでした。

話をポーツマス戦に戻します。前半15分にこんなシーンがありました。ポゼッションからパスを回してランパ-ドがボールをキープ。そこから右サイドのダフへ「クサビのパス」を出します。後ろ向きでパスを受けたダフは体をうまく使って、そのまま中央へドルブルしミドルシュートを放ちます。惜しくもゴールにはなりませんでしたが、このようなウイングへのタテパスからのチャンスメイクの形がこの試合何度も見られました。それはダフの「左サイド」みならず、ジョーコールのいる「右サイド」でもしかり。

という感じで「ウイング」を使った攻撃からチャンスメイクするチェルシーでしたが、先制点はそれとはすこし違う形から生まれます。前半27分。右サイドからサイドチェンジして高い位置でパスを受けたパウロフェレイラが、シュート性の低くて早い「アーリークロス」をゴール前へ。そのボールをクレスポが抜群の飛び込みで足に当ててシュート。右サイドへうまく流し込みゴールとなります。クレスポの技ありゴールという感じでしょうか? 飛び出し&ボールコントロールは見事でした。3試合連続ゴール? すばらしい。このゴールでチェルシーが優位に立ちます。先制点が入る少し前に、ポーツマスのルアルアにミドルシュートを打たれチェフのファインプレイで防いだシーンがあったわけですが、この先制点はチェルシーにとって大きかった。先制して優位に試合を展開するチェルシーですが、前半終了間際にアクシデント発生。ゴールの立役者であるクレスポが負傷し、前半39分にカールトンコールと交代となります。クレスポのこの交代ちょっと心配ですが、あまり重症でなければいいですが??

■後半①:カールトンコールへの交代で、バイタルエリアで基点を作る「攻撃の形」自体は前半よりも増える!?

後半。特にメンバー交代なし。クレスポの離脱で急遽、起用されたFWカールトンコールでしたが、ポストプレイを得意とする彼が入ったことで、バイタルエリアで基点を作る「攻撃の形」自体は前半よりも増えることになります。

後半開始早々。カルバーリョがロングボールを前線のカールトンコールへ放り込み、さっそくバイタルエリアで基点を作るプレイが見られます。その後もランパードやジョーコールからカールトンコールへクサビのパスを出すシーンがありましたが、後半はこのようなカールトンコールのポストプレイを生かした「前線の中央で基点を作るプレイ」が多くなります。そしてそういう中央を突くプレイが出ることによって、前半同様の「サイドを基点とするプレイ」もより生きるようになります。

後半61分のこんな攻撃のシーンがありました。DFラインのボール回しからジョーコール、ランパード、エシエンと回してテリーへ。そしてテリーから「クサビのパス」がダフへ。サイドで基点となったダフが、そのボールをランパ-ドへ戻します。



              ●相手DF       ●相手DF
              ○ダフ
            (サイドで基点)     (パス) →→ ○ランパード 
              ↑  
              ↑
 ○SBギャラス    ↑(クサビのパス)
              ↑
              ↑
              ↑    
              ○テリー        ←○エシエン
ランパ-ドがSBギャラスへパスを返し、そのボールをギャラスが今度は相手DFの裏へスルーパス(下図①)。ダフが縦に抜け出してパスを受けて、ペナルティエリア横で基点となります。そこから、サイドから中央へ攻撃参加してきたギャラスへダフがパスを返し(下図②)、さらに中央のエシエンへパス(下図③)。エシエンが中央からゴール前でまつグジョンセンへスルーパスを出しますが、このボールをグジョンセンがトラップミスしてシュート打てず…。

     ○ダフ
    (スペースへパス)   ●相手DF   ●相手DF  ○グジョンセン    
     ↑
     ↑  ●相手DF    ②ギャラス→   ③エシエン
     ↑
     ①ギャラス

まぁ最後の部分はミスが出ましたが、そこへいくまでの「過程」「崩し方」はすばらしかったと思いました。特にダフの「クサビ」と「裏へ抜ける」プレイがよかったと。

■後半②:ダフとジョーコールで考える、ボールのない時の動きのすばらしさ!

攻撃時のボールのない時の動き(オフザボールの動き)は大きく分けて2つあると思います。1つは(A):相手DFの前で「相手を背負って」ボールを受けること、そしてもう1つは(B):相手DFの後ろへ走りこんで「スペースで」ボールを受けることです。こんなプレイ今更言うまでもないかもしれませんが、(A)はいわゆるポストプレイというやつで、相手DFよりも一歩早く動いて、相手の前でボールを受けて体で相手をブロックしてボールをキープするプレイです。ゴールを背にしたプレイですが、こういうプレイは相手DFにマークされている場合のパスの受け方の基本となるプレイと言えるでしょう。



【(A):相手DFの前で「相手を背負って」ボールを受けるプレイ】
                     相手ゴール
         ●相手DF
         ○ダフ
         ↑
         ↑
         ↑
         ○ギャラス(足元へパス)

そしてもう1つの(B)ですが、これはいわゆる「(相手DFの)ウラでボールをもらう」プレイというヤツですね。これまた相手DFよりも早く動いて、相手DFの後ろのスペースへ走って「前を向いて」パスを受けるプレイです。相手DFの前でボールを受けるふりをして一瞬の動きで相手DFの背後を取る動きと、パスが必要となります。相手DFの後ろに「スペースがあること」もポイントとなりますし、パスの精度もポイントです。強すぎると追いつけませんし、弱すぎると相手DFにカットされてしまいます。またオフサイドにかからないようにするのもポイントです。



【(B):相手DFの後ろへ走りこんで「スペースで」ボールを受ける】
                            相手ゴール
          (広大なスペース)
            
            ●ダフ          
            ↑ 
         ○相手DF
       
            ↑
            ↑
            ●ギャラス(ウラのスペースへパス)

かなり話が脱線してしまいましたが、こんな感じの相手DFの「前のスペースと後ろのスペース」をうまく利用したダフのプレイが連続して出たプレイはすばらしかった。まぁこの動き、ウイングというかFWの基本的な動きと言えるのかもしれませんがね。

そして、このような「基本の動き」から追加点が生まれることになります。

■後半③:チェルシーが追加点! ジョーコールの「クサビパスを受ける」動きとエシエンのパス!

後半65分。左サイドからのスローインからポジションを「左」へ移していたジョーコールがパスを受け中央のエシエンへ。このボールをエシエンがミドルシュート。このシュートは惜しくも相手GKに弾かれますが、こぼれ玉をパウロフェレイラが拾って、ふたたびエシエンへ。中央でパスを受けたエシエンが、バイタルエリアで「相手DFを背にして」待つジョーコールへ「クサビのパス」。このボールがジョーコールへ渡り、ジョーコールが体をうまく使って強引にドリブル突破を狙い、それを防ごうとしたポーツマスDFが足を引っ掛けてPK。このPKをランパ-ドが決めて追加点となります。このPKをもらったジョーコールのプレイは見事でした。ドリブルもそうですが、その前の「バイタルエリア」でクサビのパスを受けたプレイがよかったと思いました。PKとなったのは相手ゴールの近い位置でボールをキープできたからでありますし、もしPKとならなくてもゴールとなった可能性は高いと思うんですよね。

このシーンのみならず、この日のジョーコールはこういう中央やサイドで基点となるプレイができてました。69分にもロングフィードから前線で相手DFと競って、こぼれ玉がランパ-ドへ渡り、そこからジョーコールが相手DFのウラへ抜けてパスを受けてドリブル突破。またしてもファウルを受けるというプレイがありました。「基点となるプレイ」に、そこから繰り出す「ドリブル突破」や「パス」などなど、この日のジョーコールのプレイハは機能していたように思えましたし、すばらしかったと思いました。あと、エシエンもよかったですね。DFラインの前ではゲームメイカーとして組み立てに参加し、機を見ては前線に攻撃参加してスルーパスにシュート。影のMVPは間違いなくエシエンでしょう。まぁジョーコールもエシエンもよかったのは、相手のポーツマスがイマイチであったこともあると思いますがね。

■総括:パス回しからの「崩し」はすばらしかった! &鉄人の記録達成はマジですごいです。

というわけで、このまま2-0で試合終了。見事にチェルシーが勝利しましたが、後半はちょっとポーツマスの悪質なファウルが目立ちましたしプレスがあまいところもありましたが、チェルシーがしっかりと「ポゼッション」からの攻撃を機能させての完勝であったと思いました。まぁもっとシュートを打ちたかったと言えば、そうかもしれませんが、この試合のはすばらしかったと。あとすばらしいと言えば2点目のPKを決めたこの選手であるわけですが、この記録は本当にすばらしい。

チェルシーのMFフランク・ランパード(27)が、リーグ戦連続160試合出場のプレミアリーグ記録を樹立した。後半22分には得点ランク単独首位に立つ今季11点目をPKで決め、2-0の勝利に貢献。自らの記録に花を添えたイングランド代表の鉄人は「最高の1日だ。素晴らしい区切りの試合になった」と喜んだ。 これまでの連続159試合出場は、マンチェスターCのGKデビッド・ジェームズがリバプール時代に記録したもの。モウリーニョ監督は「ケガや出場停止も多いフィールドプレーヤーには、信じられない記録」と、ランパードの偉業を絶賛。それでも本人は「止まらずに、記録を伸ばしていきたい」と話していた。http://www.nikkansports.com/ns/soccer/p-sc-tp0-051128-0014.html

「信じられない」とはまさにその通りであると思うし、こういう怪我しない&試合に出続けることができるプレイヤーはもっともっと賞賛されるべきだと思う次第です。もちろん体が丈夫のみならず、プレイがうまいことってのは言うまでもないですがね。

日本代表の小野や久保にランパードのつめの垢を煎じて飲ませたいくらいです。マジで。
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