中田英の「中盤の底」での可能性と課題!? FA杯「ボルトン対アーセナル戦」雑感

ボルトンMF中田英寿(29)が、明日2月1日のポーツマス戦で先発することが確実になった。1-0で勝った28日のFA杯アーセナル戦でフル出場。終了間際にパスミスからピンチを招いたが、30日に会見したアラダイス監督は「大事なのは失敗から何かを学ぶこと。ヒデのミドルからロングレンジのパスは良くなってきている」と評価した。徐々に信頼が回復しており、左MFに入る見込み。(春日洋平通信員)http://www.nikkansports.com/ns/soccer/p-sc-tp0-060131-0009.html

FA杯ボルトン対アーセナル戦を見ました。全体的に中田英はよかったのではないでしょうか。特にカンポが怪我して退いてから中盤の底でプレイしてましたが、そこでのパスの正確さ&パスの判断力といったゲームメイク力は改めてすばらしいと思った次第です。ただやはり守備面ではまだ修正の余地ありというところでしょうか? ブラックバーン戦ではファウルから退場を食らってしまいましたが、その反則につながった体の寄せの遅さやボールの奪い方といった技術的な面の問題はあるとは思います。が、それよりも守備時の判断力の向上が中田英にとっては重要なのかもしれない、なーんて思ったりして。この試合のように「中盤の底」でプレイするなら、もっと「全体のバランスを考えたポジショニング&全体のバランスを考えたプレッシング判断力」などが必要な気がしたんですよね。

■中田英の「中盤の底」でのプレイ! 攻撃面はすばらしいが課題は「守備の判断力」?

例えば相手の攻撃選手がドリブルで仕掛けてきた場合に、「バイタルエリアのスペース」をケアすべきか(=自らプレスをかけない)、そのスペースを空けてでもボールを奪いに行くべきか(=自らプレッシングをかけて奪いに行く)というような選択をいかに的確にできるかが、この中盤の底のポジションでは問われると思うわけです。



                ●相手攻撃選手
                 ↑
            (自らプレッシングをかける?)
                 ↑
                 ○中田
                 ↓ 
      (このバイタルエリアのスペースをケアする?)

  ○DF      ○DF        ○DF        ○DF

また状況に応じてはセンターバックの位置まで下がったり、サイドバックの後のスペースをケアしたりする必要もあると思います。この「中盤の底」というポジションは湯浅氏が「前目のリベロ」って言う通り、「リベロ=自由人?=ポジションなし?」として、自ら守備の仕事を探し「相手の攻撃の芽を積んだり、チームの守備組織の穴を埋めたりすること」が求められるポジションであると思うんですよね。で、FA杯アーセナル戦を見た限り、このあたりの判断がイマイチなところがあったように思えました。まぁいきなり完璧を求めるのは酷であると思いますし、そういう判断力は「技術」というよりも「経験」で養われる類のものである気もするので、とにかく試合をこなせば自然とできるようになるのかもしれませんが…。

■「ボールをつなぐ」か「セーフティ」か、これもまた守備の判断ってやつでしょうか?

それとあわせて、上の記事で指摘されている「終了間際のパスミス」ですが、あれは絶対にやってはいけないプレイであると思いました。ハーフウェイライン付近でボールを奪った中田英が、そこからサイドチェンジのパスを出すのですが、このパスがアーセナルの攻撃陣に読まれてインターセンプト。そのままドリブルで突破されて危うく同点にされてしまうピンチを招いてしまったわけです。この中田英のプレイ。「ボールをパスでつなぐ」って発想自体は間違いであるとは思いませんし個人的には評価したいですが、時間帯や試合の状況を考えた場合あのプレイはすべきではなかったと思うんですよね。つまり1-0でリードしているロスタイムにするべきプレイではなかったと。ロスタイムに入る少し前からボルトンの選手たちは「時間を稼ぐプレイ」を選択していました。そして「無理して攻めない」でもいました。不用意に攻めてアーセナルにカウンターを食らってゴールされるというのが、最悪なシナリオなわけですから。中田英も当然わかっていたと思いますし、そういうプレイをしてました。ただちょっと「色気」と言いますか「欲」が出てしまったのが、あのサイドチェンジのパスであったと思うんです。確かにあのサイドチャンジパスが決まれば「駄目押しの2点目」が決まる可能性もあったとは思いますが、ただ同時に「カウンターを食らう」可能性も十分に予想できた「リスクはゼロでないパス」であったと思うんです。で、結果としてインターセプトされカウンターを食らってしまうわけですが、そういう「リスクのあるプレイ」は選択すべきではなかったと思うんですよね。ちょっと状況が違いますが、中田英は日本代表での親善試合ホンジュラス戦でも「無理なつなぎからのミス」から失点シーンを演出してしまったわけですが、これで2回目? このような「つなぐべき」か「セーフティでいくべきか」という判断は難しいとは思いますが、中田英は危険な場面でちょっとチャレンジしすぎな気がするんです。まぁもともと攻撃的なメンタルの持ち主なわけで、そういった攻撃的なポジションではそれでありだとは思いますが、中盤の底でプレイするならもう少し「守備的なメンタル」っていうのを養う必要があるのかもしれません…。

■中田英の攻撃面での好プレイ! 「スペースをみつける目」と「スペースをつく目」

ちょっと批判的になってしまいましたので、締めくくりは好意的に。攻撃面やゲームメイクではいくつかいいプレイがありました。中田英のすばらしさはその「パスの正確性」や「スペースをみつける目」であると思っているのですが、後半にこんなシーンがありました。中央のハーフウェイラインあたりからボールを持って、右サイドウイングのヴァズテに「矢のようなスルーパス」をズバッと通すのですが、このパスの「スピード」「位置」「タイミング」はどれもすばらしかったと思いました。


                ●GK

                                   ※このスペースへスルーパス
                                              
             ●アーセナルのCB(若手)  ●キャンベル       ○ヴァズテ
 ●アーセナルのSB                                     ●DFセンデロス?

                 ●アーセナルのMF(新人)

             ○中田英

ちょうどアーセナルの左サイドバックのセンデロスの後のスペースをついた「スルーパス」であったのですが、ヴァズテの飛び出すタイミングやスピードを考えて「ここしかない」ってところにパスを出しているんですよね。まぁアーセナルのSBが、本来CBでスピードがないセンデロスであったので「通った」ところもあったかもしれませんが、こういう相手DFのウラを取るスルーパスは中田英の武器であると改めて思った次第です。このところジーコ日本代表では「バイタルエリアへのクサビのパス」ばかりが注目されている感のある中田英ですが、このような「ウラを狙ったパス」もバッチリと決めれればかなり攻撃の形が増える気がするんですけどね。

■「縦のポジションチェンジ」や「スペースへの飛び出し」! これがボルトンでの生き残れる道!?

あと前半にはこんなシーンもありました。このときのポジションは3ハーフの左でしたが、左サイドのスペースに飛び出してSBガードナーから縦パスを受けてドリブルで突破。エンドライン近くからグランダーのセンタリングを入れてCFデービスにきっちりと通し絶好のチャンスを演出したシーンがありました。



                        ●GK
    ※この左サイドのスペースに自ら走りこむ

         ↑     →→○ヤンナコプーロス(?)
          ↑
    ↑      ↑○中田      ●アーセナルDF  ●アーセナルDF
   (パス)    ●アーセナルDF         
    ↑
    ○ガードナー

この場面、中田の左スペースへの飛び出しがすばらしかった。ボルトンのウイングが中に絞って空けたスペースに走りこんで、ガードナーからパスを受けて最終ラインを突破するわけですが、こういう「縦のポジションチェンジ」も中田英の真骨頂。どちらかというと「スペースを空けるプレイ」のほうが得意なんでしょうが、味方が空けたスペースを「自ら走りこんで突くプレイ」も見せてくれました。こういうプレイはもっともっと見せてほしいです。センタリングもすばらしかったですが、こういうプレイがもっとできれば「自らシュート」を打てるチャンスというのももっと出てくると思うんですよね。日刊スポーツによれば週中にあるポーツマス戦は「左MFに入る見込み」らしいですが、もしも本当にその位置でプレイするならばこのような「縦のポジションチェンジ」や「スペースへの飛び出し」をどんどん狙ってほしいですね。それが中田英のすばらしさであり、ボルトンの攻撃的MFとして生き残れる手段であると思いますので。ただ攻撃的MFでなくて、「中盤の底」での中田英起用ってのも、全然ありだと思うんですけどね。確かに守備はまだまだなところはあるかもしれませんが、この位置で中田英が機能するとボルトンは確実に「攻撃面での進化」を遂げられると思うんですカンポが今期絶望の今、アラダイス監督にはぜひとも「中田英を中盤の底」という布陣で挑んでもらいたいですが…!?

最後に負けたアーセナルについて。カップ戦ということでちょいと主力を落として戦ってましたが、この布陣でボルトンに勝つのは厳しいように見えました。ファンペルーシはよかったように思いましたが、彼1人では勝てないですよね。フレブとレジェスあたりがもっとフィットしてこないと、これからも厳しい戦いが続くかもしれませんね。まぁFA杯の敗退で残すはリーグ戦とCLなわけですが、リーグで4位の座を死守というのが絶対に譲れない目標というところでしょうか?
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