FA杯「チェルシー対コルチェスター戦」雑感! 「4-4-2」への対応と「4-4-2」の崩し方!

■CL直前のFA杯と言えば、昨シーズンのニューカッスル戦の悪夢がよぎりましたが…

思い起こせば、昨シーズンもちょうど同じような時期にFA杯が行われチェルシーは敗れたんですよね。そう。同じような時期とは「CLバルセロナ戦直前」ということ。まぁ昨シーズンの対戦相手はニューカッスルというプレミアリーグの強豪であり、今回のコルチェスターは下部リーグのチームという「大きな違い」はあるのですが、CLを考慮してメンバーを若干落として臨んだのは同様でした。このあたりの選手の起用法は、いろいろ考え方もあると思いますし難しいところはあると思いますが、モウリーニョの行った「バルサ戦を見越した選手起用」というのは間違いではなかったと思います。コンディション調整の問題はもちろん、技術が劣る格下のチームとの対戦では「予期せぬ怪我」の心配もありますしね(ちなみに、昨シーズンはバルサ戦の前のニューカッスル戦では、敗戦しておまけにブリッジが骨折し、ダフも怪我という最悪の展開でしたっけ)。

ってことでメンバーを落として臨んだFA杯コルチェスター戦でしたが、かなり苦戦してしました。まぁ格下相手にありがちな展開といえばそうなんですが、先制点取られたときは正直ちょっとヒヤヒヤしましたね。ってことで、ゴールシーンを中心に試合を振り返ってみます。

■スタメン:当然、メンバー落としましたが、ランパード、ジョーコールはベンチスタート!

先発メンバーは、先程も言ったように主力は温存されました。テリーはもともと出場停止でしたが、彼以外にもグジョンセン&ロッベン&チェフはベンチ入りせずスタンド観戦。そしてランパード、ジョーコールはベンチスタートで、先発はこんメンツとなりました。GKクディチーニ、DF右からフェレイラ、フート、カルバーリョ、ジョンソン、MFエシエン、ディアラ、マニシェ、FWはSWP、ドログバ、ダフのお馴染み「4-3-3」。対するコルチェスターはオーソドックスな「4-4-2」。メンバーは勉強不足のためによくわかりませんが、スイパー実況の西岡さん曰く「ウエストハム時代のジョーコールの同僚」というガルシアとかいう選手が前線にいたみたいです。まぁウエストハム出身なんて腐るほどいるのでしょうが要注意です。

■前半①:雨のスタンオードブリッジ! それはバルセロナの皆さんにとっての悪夢!?

天候は雨でした。で、その結果スタンフォードブリッジ農園は、当然、悪い状態になってましたが、「酷い」なりにも一応ふつうにサッカーはできる状態であったと言っておきましょう。「水たまり」とかはなかったですし(TV画面から見る限りでは)、このくらいのピッチ状態ならバルセロナの皆さんでも問題なくプレイできるハズです。

■前半②:「豊富な運動量」と「献身的なプレス」という、少しばかり技術で劣るチームが戦うためのまっとうな戦術に「苦戦して!

って、それはさて置きコルチェスター戦。序盤はチェルシーがSWPの個人技を中心に比較的押し気味に試合を進めます。ドログバが2度ほどシュートチャンスを迎えます。フェライラのアーリークロスに反応して直接ボレーシュート&SWPのクロスにオーバーヘッド的なボレーでゴールを狙いますが、どちらも枠を捉えられません。見た感じコンディション的に万全でないような感じでしたが、試合に出ているからにはそんなことは言っていられないわけで…、この試合、ちょっと精彩を欠いてましたそうこうするうちにコルチェスターが盛り返してきます。「豊富な運動量」と「献身的なプレス」という、少しばかり技術で劣るチームが戦うためのまっとうな戦術を武器にチェルシーに挑んできたコルチェスターでしたが、これが功を奏する形となります。

前半21分にこんなシーンがありました。コルチェスターの名前は未確認ですが7番の選手(たぶん右SH)がフリーでボールを受けて、チェルシーのSBジョンソンが対応する前にアーリークロス。このクロスが逆サイドの深い位置へ流れ、コルチェスターの右SHの選手がフリーでゴールに近い位置でこのボールに追いついてシュート。GKクディチーニの左脇を抜けたシュートは、そのまま左ポストを叩くもののノ-ゴール。チェルシーDF陣が肝を冷やしたシーンでした。

■前半③:「4-4-2」対「4-3-3」どちらが有利かって!? それは使い方次第!?

さて、このシーンですが、ちょいと「システム的」な側面から考えてみます。ミランのアンチェロッティ監督は「4-4-2へのカウンターとして、3ハーフが生まれた」と以前某雑誌でコメントが出てました。簡単に言うと「4-4-2の2ボランチ」に対して「4-3-3の3ボランチ」は中盤で「数的有利の状況」が形成しやすく中盤を支配できるので「3ハーフ」が有利って発想だと思うのですが、確かにその通りの面もあると思います。ですが、その一方でボランチの数だけで考えずに単純に「中盤の人数」で量システムを対比させると「4-4-2」が4枚いるのに対して、「4-3-3」は3枚であったりするわけです。つまり単純に中盤の人数では「4-4-2」のが上回ると。まぁこんな「数合わせ」は机上の空想なところもあるとは思いますが、「4-4-2」と「4-3-3」のマッチアップにおいて、どの部分をクローズアップするかでそのメリットデメリットは変わってくるというわけです。で、この日のチェルシーですが、前半は完全に中盤の数的ギャップからピンチを迎えてました。簡単に言うとコルチェスターの両SHのマークがあいまいで、この2人を自由にさせてしまい、この2人への対応が後手後手に回った結果「システムが崩壊」してしまっていたように見えたと言うことです。先のピンチとなったシーンなんか、まさにその典型。「右SH」をフリーにしてセンタリングを上げられ、「左SH」をノーマークにしてフリーでシュートを打たれてしまったわけで、「4-4-2」の中盤の「4」の対応のまずさが、そのままピンチにつながった感じでした。



【前半21分のチェルシーが崩されたシーン】
                GK○クディチーニ

      ●コルチェスター左SH     ○フート  ○カルバーリョ
      ↑          ●FW    ●FW       ○ジョンソン
     ↑    ○フェライラ(?)                       
    ↑               ○ディアラ(?)              
                              ●コルチェスター右SH
                                ↑
                              ○ダフが対応

このシーンで右SBのフェライラがどこにいたかは未確認で申し訳ありませんが、コルチェスターの左SHを完全にフリーとしてしまったのはミスであったように思えました。まぁゴール前でフリーにしてしまったSBフェレイラのミスと言えばそうなのかもしれませんが、コルチェスターのSHへの対応があいまいであったために、フェレイラのミスが生まれてしまったところもあると思うんですよね。では、どう対応すればよかったのか?? いくつかやり方はあると思うのですが、まず単純にチェルシーのDF&MFの「4-3ブロック」での守り方を単純に図にすると以下の感じです。




      ○SB      ○CB      ○CB     ○SB
            ●FW         ●FW
 
                ○MF(ディアラ)           ……3人
          ○MF(エシエン)  ○MF(マニシェ)
  ●SH     ●ボランチ       ●ボランチ     ●SH ……4人
 (フリー)                     (フリー)

※●=コンチェスター攻撃陣、○=チェルシー守備陣

相手のボランチ2枚に対して「3ハーフ」で数的有利な状況の図ですが、このままでは両SHがスリーとなってしまいます。でSHがボールを持った時の考えられる対応策は3つ。
①、3ハーフのうち位置が近い1人が対応する
②、SBが前に出て対応する
③、ウィングが下がって対応する

たぶん、この3つの方法が考えられます。その中で一番「堅いやり方」はウイングが下がって「中盤を5枚」にする方法でしょうか? これだと単純に相手の4枚の中盤に対して数的有利を作ることができるわけで、「相手にスペースを与えず、マンマークもバッチリ」となり穴のできにくい守備陣形を形成できるわけです。図にするとこんな感じ。



    ○SB      ○CB      ○CB      ○SB
          ●FW         ●FW
               ○MF(ディアラ)           ……5人
         ○MF(エシエン)  ○MF(マニシェ)
  ○WG(SWP)                          ○WG(ダフ)
  ↑                                  ↑
    ●SH     ●ボランチ     ●ボランチ    ●SH ……4人


これって、いわゆる「4-1-4-1」に近い形と言えるかもしれませんが、当然、この場合はウイングがSH的な低いポジションとなるわけで、攻撃面で考えるといい状況ではないと言えるわけですなので状況に応じて、上の①、②、③の守り方をうまく行うのが理想で、特に①の「3ハーフ」の流動的な対応で対処できるのが攻撃面から考えると理想だと思っているのですが、この日の前半のチェルシーのメンツではそれは厳しい注文であったのかもしれません。

■前半④:マニシェとディアッラの「消極さ」に、ジーコ日本代表の遠藤&福西を思う…

マニシェとディアッラの出来はよくありませんでした。ふだん出場してないので試合感の問題はあったと思いますし、ピッチの問題もあったと思いますが、ちょっとミスが多かったように思いました。マニシェにしてもディアッラにせよ、ほんと単純なパスミスが目立ち、それによってチャンスが潰れたり、パスカットされてピンチを招いたりしているシーンが目立ちましたまぁ百歩譲って「ミスは付き物だし、仕方ない」としましょう。ただ、それ以前になんかこう「消極的なプレイ」というか「消極的な姿勢」が気になったんですよね。前半に象徴的なシーンがありました。24分くらいだったと思うのですが、チェルシーの攻撃の場面でした。ボールポゼッションからカルバーリョがDFラインでボールキープしていたんですが、そこからまずディアッラへパスします。でディアッラはコルチェスターのFWへプレスされ、すぐにパスをカルバーリョへ戻します。次いで、今度はカルバーリョがマニシェにパスを出しますが、マニシェもプレスされ、すぐにカルバーリョにボールを戻します。で結局、カルバーリョが自らウイングのダフ(だったか?)へパスを出すんですが、なんかこうディアッラとマニシェのプレイが「セイフティ第一」すぎて、自ら「ゲームメイクしよう」という意思が感じられなかったんですよね。もちろん危ないときはバックパスOKですし、カルバーリョも「パス」センスがあるので任せるのもありだと思いますが、もっとエゴを出してプレイしてもらいたかったんですよね。「俺に攻撃の舵取りは任せろ」的なね。これは日本代表のところで言ったのですが、要は「小野にはゲームメイクする意思」が感じられるが「福西&遠藤」には感じられなかったというのと一緒ですこの試合で後半から登場したランパ-ドと、この「ディアッラ&マニシェ」のプレイを比べてみれば一目瞭然ですが、ランパ-ドには「自ら中盤のコンダクターとなってゲームメイクしよう」という意思があり、そういうプレイを実際に行っていたわけですよ。そしてそれがチームのリズムを作り、その結果、好守においてチームが機能することにつながることになるわけです。まぁ「若いディアッラ」と「加入して間もないマニシェ」にそういうリーダー的なプレイを求めるのは酷かもしれませんが、そういうプレイができないとチェルシーで中盤を務めるのは厳しいような気がしました。

■前半⑤:「両SHの対応の甘さ」&「ハーフの出来の悪さ」が、やはり失点に!? 

話が脱線してしましましたが、試合に戻ります。チェルシーの「両SHの対応の甘さ」&「ハーフの出来の悪さ」が、ついに失点という最悪の形で出てしまうことになります。前半28分の出来事でした。

【失点シーン】後方からロングボールを入れられコルチェスターFW(28番)がオポストプレイ。カルバーリョが前を向かせない対応するも、フリーの右SHにパスを回され、チェルシーのSBジョンソンがこれに遅れて対応。そのジョンソンが空けたスペースをそのまま28番のFWに突かれ、右SHからそのスペースへパスが出てワンツーの形で最終ラインを突破されてしまい、センタリング。このボールにカルバーリョが後ろから追いついてクリアしようとしますが、そのままゴールへシュ-トという形となりオウンゴール。あららというシーンでした。

結局はコルチェスターの右サイドハーフをフリーにしていたツケがここで回ってきたってことなんでしょうが、左SBのジョンソンが釣り出され、その裏のスペースを使われたことが問題でした。このシーンでのジョンソンの対応は難しかったと思いますが、ちょっと中途半端だったような気がしました。個人的にあのシーンは前に出ないで後方のスペースをケアしたほうがよかったと思うのですが、まぁ所詮は結果論です。あとカルバーリョがいつものようにバイタルエリアでボールをキープされて前線で基点を作られて、その結果としてチェルシーの最終ラインが凸凹になって、ジョンソンがそんな凸凹を気にせずに飛び込んで、その穴をコルチェスターに突かれた結果の失点であったのは間違いないところでしょう。で当然、いつもならこういうヤバいときはチェルシー自慢の3ハーフがとっさの判断力で穴を埋めたり、やばいところに顔を出したりするのですが…、それは無理な注文なわけで(笑)。まぁこの失点カルバーリョのミスといえるのでしょうが、ゲームメイクからバイタルエリアのケア、そして穴のカバーリングと全部カルバーリョにやらせていたら、そりゃ無理な話ですって。以上、前半の話でした。

■後半①:後半頭から、ランパードとジョーコールが登場! ドログバはイマイチでありました。

おっと前半でチェルシーは同点にしていますCKからドログバとカルバーリョが競り勝って、最後はパウロ・フェレイラが押し込んでのゴールでした。フェレイラの気迫を感じました。久々の登場で100%でないとは思いますが、バルサ戦がんばってもらいたいですね。で、後半、ランパードとジョーコールが登場。マニシェとディアッラに変わって真打登場という感じです。この交代で「中盤ができるようになった」チェルシーが試合を完全に支配します。まぁコルチェスターはあの戦いが90分もつとは思えないので、後半にチェルシーペースとなるのは必然だとは思いますが。で、まぁチェルシーが攻め続けるわけですが、この試合のドログバはイマイチでありました。ダフの絶好のセンタリングからの簡単なシュートを外していたんですが、これがバルサ戦なら罰金ものというくらいイージーナミス。で、モウリーニョは後半途中にクレスポを入れて「2トップ」にします。チェルシーでは珍しい「4-4-2」の採用となります。こんな感じ。




○フェレイラ      ○フート     ○カルバーリョ   ○ジョンソン


              ○エシエン    ○ランパ-ド

   ○SWP                          ○ジョーコール

             ○クレスポ     ○ドログバ

これで「4-4-2」対「4-4-2」の対戦となります。で、この日のコルチェスターの守備ですが、先日の日本代表と戦ったフィンランド代表と同様「4-4」の2ラインのブロックで、ゾーンで守ってました最終ラインはフィンランドよりもぐっと低く、ペナルティライン近くでしたがね。欧州ではよく見られるこの「4-4」ゾーンですが、これを打ち破る方法はいろいろあると思います。

■後半②:「4-4」2ラインの崩し方教えます! クレスポ入れて「4-4-2」とした結果は!?

先日の日本代表はこの「4-4」に対してDFの裏のスペースへのロングパスやサイドからの崩し、そして中央突破やロングシュートなどを試みましたが、チェルシーはこうやって崩しました。

【チェルシー2点目】中盤下がり目の位置でボールを受けたクレスポがゴール中央へ向かってドリブル突破して、そのままシュート。ゴールキーパーが弾いたボールをジョーコールが詰めてゴール。チェルシーが勝ち越しに成功。



     ●SB  ↑    ●CB  ○(シュート) ●CB       ●SB
       ○ジョーコール    ↑       →○ドログバ
                  ↑
               ○クレスポ
    ●MF        ●MF       ●MF        ●MF 
【チェルシー3点目】後半終了間近、フートがインターセプトしたボールをドリブルで運んでジョーコ-ルへパス。このボールをジョーコールがドリブルで持ち込んでゴール中央からミドルシュート。このゴールで勝負ありの3点目でした。


   ●SB       ●CB  ○(シュート) ●CB        ●SB
                ↑       →○ドログバ
                ↑
            ○ジョーコール
    ●MF       ●MF ↑       ●MF         ●MF 
               ○フート(パス)

この2得点どちらもそうですが、2ラインの間での「ドリブル突破」がポイントとなってます。1点目はクレスポがドルブルからシュート、同じく2点目はジョーコールがドリブルでシュート。一見、単純なプレイですが、この単純なドリブルという攻撃方法が「4-4ラインディフェンス」を崩すのに最適なのは言うまでもないところです。特に「2ラインの間」をドリブルで掻き回すのが効果的なんですが、よく言われる「4-4-2にはトップ下を起用するのが有効」と言うのと同じ原理なわけです。以前、このブログでマンチーニのゾーンディフェンスのところでも書きましたが、これを参考にしてもみらうとわかりやすいかもしれません。まぁ要は、チェルシーのゴールシーンでドリブル突破した両選手がそのシーンで「トップ下」的な役割をしてチャンスメイクできたことがポイントであったと。まぁそういうことです。

■総括:弱い相手に対してもしっかりと勝つこともサッカーでは重要なわけですよ。

ってわけで長くなりましたが、苦戦しながらもなんとか勝てたFA杯。格下だってばかにできません。弱い相手に対してもしっかりと勝つこともサッカーでは重要なわけですよ。とくに強いチームであるなら尚更。ビックチームならでは、これ重要です。関係ないですが某日本代表の選手が、この前のフィンランド戦後にこんなこと言っていたみたいですね。まぁその通りかもしれませんし、思ったことを言うのも良いでしょう。ただね、コンディションが悪いチームや弱いチームにしっかりと勝つことも、大切なことだと思うんですよ。けっして無意味ではないと思うんですよ。確かに格上のチームとの対戦のがおもしろいかもしれないですし、選手やチームもタメになるのかもしれませんがね。

「(宮崎合宿で練習試合を行った)鵬翔(高校)の方が強かった。参考にならない」と皮肉を言うほど手応えはなかった。http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=japansoccer&a=20060219-00000011-spn-spo

まぁ協会批判ということなんでしょうが、国際Aマッチデーではない日時の試合で海外のチームを極東に呼ぶなら多かれ少なかれこういうチームが来ますよね。それがイヤならほんと、野洲高校とかと試合でもすればって思ってしまいました。当然、個人的には高校生との対戦は反対ですが、代表の主力でビッククラブの主力がこういう発言するのはどうかと思いますよ。
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