ジーコ日本代表の守備戦術の成り立ちを再考  Numberの宮本インタビューを読んで!

■Numberのチャンピオンズリーグ特集号で、面白かった記事とは…!?


CL特集号ということで購入したNumber651号でしたが、その特集内容は個人的にちょっと物足りなかったですね。アンリ&インザーギの記事はよかったですし、西部さんのCLベスト展望もよくまとまっていたと思いますが、新たな驚きや発見みたいなものはなかったのが物足りなく感じた要因というところでしょうか? まぁチェルシーがCL敗戦して記事がなかったのでつまんなく感じただけかもしれませんが(笑)。で、その期待はずれのCL特集の記事よりも楽しめたのが、日本代表のCB宮本のインタビュー記事でした。ライターは佐藤俊氏。エクアドル戦前後のジーコ日本代表の「守備」の状態を、宮本が詳細に語っているのですが、これがなかなか興味深かったんですよね。
――3バックになったけど、佑二や坪井(慶介)とは守備についての話をした?「したよ。アレのサイドにボールがあって外からオーバーラップしようとする選手がいたら、それが深い位置ならストッパーが出てって対処して、佑二がついているマークがフリーになるんやったら俺がつく。ツボはマークがいるならマークについて、その空いたゾーンにはボランチが下がってDFラインに入る。そんなことの確認。まぁ大体はできたと思う。ボスニア戦はできていなかったからね。」
Number651号 宮本インタビューより

上の引用は、そのインタビューからの「エクアドル戦」の後の宮本のコメント。巷で話題(?)の守備組織について、特に「アレックスがいる側」のサイドの守備の仕方について語っています。で、この記事によるとエクアドル戦の前に「宮本がジーコと守備について話し合いたい」と書かれており、それが本当なら上で書かれている「守備の決まりごと」はたぶん宮本主導で、ジーコと一緒に決めた「方法」なんでしょう。このような決まりごとを「選手主導で決めること」に違和感を覚えるか方もいるかもしれません。確かに珍しいのかもしれませんが、個人的にはそういうやり方も全然OKであると思ってます。

例えばバルセロナでテンカーテというコーチが実際の守備組織などを考えているのは有名な話ですが、そのような「攻撃、守備」に専門コーチを置くのは珍しくもなんともないところ。もちろん監督が自らコーディネイトする場合もあると思いますが、コーチが考えたやり方をそのまま採用する監督だっているわけです。要は自分で考えたにせよ他人が考えたにせよ、その戦術を採用するかどうかの「最終判断」を下すのが監督の仕事だと思うわけで、その理論から考えると選手が案を考えて、それに対してジーコがきちんと「最終判断」していれば問題ないわけですよ。ただ、うまくやらないと、それとは別の問題が生じる可能性が無きにしも非ずだと思う次第です。

■「選手主導で決めること」自体は問題ではない、ただ問題があるとするならば!?

選手のやりたい「案=戦術」が1つの方向に固まってない時に、どうやってまとめるかというところでしょうか? いわゆるコーチなり監督なりが決めた戦術は、限りなく「トップダウン」に近い形である種強制的に選手に課せられるわけで。個人的に選手がその戦術に対して文句がある場合でも「従う」「従わせる」「まとめる」ことは、それほど難しいことでないと思うんです。よっぽどトンチンカンな戦術でもない限りね。ですが、それがトップダウンという形でなく、選手からの「ある種、自発的な案」だとすると……。まぁ意見の食い違いが出てくる場合も、あると思うわけですよ。

さて、Numberの宮本の記事を読んでからかなり経った本日、「そういえば、佐藤俊氏が書いた宮本の本(主将戦記 宮本恒靖)が出ていたなぁ」ってなぜか急に思い出して本屋へ向かう私がいました。実際は本屋に行っておもしろい本ないかなって、ブラブラしていたら目の前にあったというのが真実なわけですが、Numberの宮本の記事を思い浮かべながらパラパラ立ち読みをさせていただきました(って立ち読みでなく、買えという話も)。そしたら、お目当ての「もの」が出てきました。おぼろげながら、その「もの=出来事」はニュース記事で覚えていたわけですが、宮本視点から見た、その事件の詳細がしっかりと書かれているではありませんか! その事件とはこちらですが、覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

練習場に不穏なムードが流れた。守備のポジショニングを確認する“追い込み”練習を始めた直後だった。控え組の選手が主力組の右サイドからボールを持ち込もうとした。中田はそれを防ぎにいったが、右ボランチの福西が詰めてこなかった。これに対し中田が怒った。しかし、福西も負けず言い返した。お互いの意見を身ぶり手ぶりで言い合う姿は怒気すらはらんでいた。ただならぬ雰囲気にたまらず小野、宮本、最後はジーコ監督まで割って入ってきた。 練習後、中田は無言だったが、福西は口論について「ボランチの意見とヒデさんの意見とDFの意見を言い合った。相手が(自陣深くに)入ってきた時にどうするかという話」と説明した。また、DF加地は「例えば相手が(自陣の)右に張っている時は僕がその選手を見ることになっている。ヒデさんは基本的にはその1つ前の選手を見る。しかし、相手がもっと深く入ってきた時はどうするのか。福西さんはDFにも言われているので中を固めるのが先だと言っていた」と補足説明した。http://www.sponichi.co.jp/soccer/special/2004_2005nakatahide/KFullNormal20050324063.html

■古い話で恐縮ですが「中田英と福西の口論」! そこに問題は隠されている!?

で、宮本の本にはこの事件の顛末を「宮本視点」で書かれているわけですが、立ち読みした感じでは、要は「宮本案」と「中田案」で揉めていたと書かれてます。簡単に言うと宮本は「守備重視」で、中田英は「攻撃重視」。この場合の中田英が言う攻撃重視というのは「最終ラインを高くし、高い位置からプレッシングして、高い位置でボールを奪ってハーフカウンターでゴールを狙う」ということだったみたいですが、その守備の仕方は「1つの方法論」として存在すると思いますし、当然、間違いではないわけです。それに対して、宮本案というのは上のNumber651からの引用に近い形なわけですが、結局のところその2つの案の対立は宮本と中田英の話し合いの末、一応の決着をみるのですが……。ここから先は、ぜひ宮本の本を読んで自分の目で確認してもらいたいですが、まぁお察しの通りです。

で、ここで言いたいのは「宮本主導」&「宮本案」に対して、ジーコ日本代表のメンバーの誰もが納得しているのかどうかってことです。中には、おもしろくないと思っている選手もいるかもしれませんし、宮本主導を許す監督のやり方に対しても違和感を持っている選手もいるかもしれません。もちろん初めからメンバーすべての意見が同じなんてことはないわけですし、意見の対立はあって「しかり」だと思います。激しい討論を重ねて、その対立が解決していけばそれで問題はないと思うんですが、もしも最終的に選手がきちんと話し合えないでどこか不満があったり納得しないでいるとしたら…。

■宮本の視点から書かれているわけで、事の真相はわかりませんが…!?

すでにこの「主将戦記 宮本恒靖」を読まれている方からすれば、今さら何を書いていると思われたかもしれません。本を読んでの感想も違う人もいると思います。まぁ、この本はあくまで「宮本の視点」から書かれているわけで事の真相はわかりませんが、今さらながら興味ある人はご一読をオススメします。私は残念ながら宮本について本買うほど興味ない&金欠のため買えませんでしたが。

ちなみに、これを読むとなぜ中田英がしきりに「声が足りない」と言っていたとかの意味もわかります。あくまで、宮本視点ですが。
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主将戦記 宮本恒靖

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