CL準決勝「アーセナル対ビジャレアル」第1戦  アーセナルの「6日間」の始まり

■誤審をされるのはよくあること!? CLでのジャッジの基準は確かにバラバラですが

欧州チャンピオンズリーグ準決勝第1戦アーセナル1-0ヴィジャレアル(19日、ハイバリー) 失点直後の前半終了間際、ヴィジャレアルのFWホセ・マリがペナルティーエリア内で倒されたが、笛は鳴らなかった。「ヴィジャレアルのような小さなクラブでは、ああいう誤審をされるのはよくあること。重要な試合での審判のミスはやはりこたえるが、第2戦は気を取り直して戦いたい」ホセ・マリは仕方ないといった表情で振り返った。http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=worldsoccer&a=20060421-00000019-sph-spo

確かに誤審のように見えましたが、ペナルティーエリア内のファウルって「流す審判」と「躊躇なくファウルを取る審判」に分かれるんですよね。で、この試合の審判は前者の「流すタイプ」であったと言うことなんでしょう。いい方に解釈すれば。ちょうど今売りのWSDで、ミランのガットゥーゾがコラムで審判のジャッジについて述べているんですが「欧州CLはジャッジの基準がバラバラ」みたいなことを言っています。これについては私も同意なんですが「バルサ対ミラン戦」と「アーセナル対ビジェレアル戦」では、もうまったくもってファウルを取る基準が違うように見えたんですよね。「バルサ対ミラン戦」は主審はふつうにファウル取ってましたが、「アーセナル対ビジェレアル戦」の主審は、もう全然ファウル取らないで「流しまくり」な感じに見えました。たぶんファウルを流すことが多いプレミアリーグ以上にファウル取らなかったような(笑)。

■中盤でのプレス合戦となれば、「CL仕様の4-5-1」で臨んだアーセナルが有利?

というわけで「ファウルをなかなか取らない」審判の元で行われたこの試合。それに乗じてというか、まぁ両チームのスタイルなんでしょうけど、中盤での激しいプレッシング合戦により拍車がかかることになります。中盤でのプレス合戦となれば、「CL仕様の4-5-1」で臨んだアーセナルが有利? 前半11分のアンリの幻のゴール(オフサイド判定)は、中盤でのボール争いでこぼれたセカンドボールをアーセナルの「アンカー」のジウベルトシウバが拾ってピレス→アンリと繋いで生まれたものでしたが、「4-4-2」で臨んだヴィジャレアルに対して中盤で「数的有利」だったアーセナルのほうが何度か決定的なチャンスを作っていたように思えました。で、ゴールが41分に生まれるんですが、ゴールはCK崩れからヴィジャレアルのオフサイドトラップの裏をアンリとフレブでうまく突いて、最後はコロトゥレが押し込んで決めたもの。あの場面での「オフサイドトラップ」は危険であることはビジェアレアルDFも承知だったと思うのですが、まぁそれしか手立てはなかったというところでしょうか?

41分のゴールはヴィジャレアルのオフサイドトラップのズレが原因。後ろに残ったディフェンダーがエルブをオンサイドにしてしまった。とはいえ、あれだけ攻め続けられれば、どこかに綻びが出るのが当たり前だ。11分のアンリのゴールは微妙な判定で取り消され、その前の9分にセンデーロス、20分にリュンベルグ、31分にピレス、後半に入ってからは56分にアンリ、93分にベルカンプにゴールチャンスがあった。いつ2-0になってもおかしくない展開だったのだ。http://www.ocn.ne.jp/uefa/cl/report/kimura_0419.html
この後の展開については省略させていただけます。簡単に言えば上で木村氏がおっしゃっているように、いつ「2-0」になってもおかしくない展開であったように見えましたが、このままタイムアップ。1-0でアーセナルが勝利してファーストレグは終了します。

■アーセナル:CL仕様の「4-5-1」は狙い通り?! 2トップでゴールを狙う戦いという選択肢もあったと思いますが

ここからは両チームについて、個別にちょいと。まずアーセナルについてですが、「主審のジャッジ」をうまく味方につけて「プレッシング合戦」で試合を有利に進めることができたのは計算通りなのでしょうか? あわよくば「もう1点」ほしかったとは思いますが、私的な感想ではこの試合はCL仕様(?)のアンリのワントップでなく、ファンペルシとのアンリの2トップの得意の「4-4-2」で戦ってもよかったのではないかなと、思ったんですよね。確かにこのところの「4-5-1」で結果を出してますし、一発勝負のCLでは守備が安定している「4-5-1」というのは判りますし正解だとは思いますが、1点しか取れなかったのは「アンリのワントップ」であったことが大きな理由だと思うんですよね。まぁアウェイゴールを与えず1-0で勝てればOKというベンゲルのプランであったのかもしれませんが、「1-0」で終わったことがセカンドレグにどう影響するのかは興味深いところ。インテルみたいにセカンドレグで「自爆」することはないと思いますが、一方でインテルみたいにホームでトドメを刺せなかったことがヴィジャレアルに「奇跡」をもたらす可能性だって無きにしも非ずなわけです。ただまぁ追加点を奪えなかったとは言え、ビジェレアルの攻撃のキーマンであるリケルメとソリンに何もさせなかったことはベンゲルの思惑通りであったと思いますし、それを考えての「4-5-1」であったようにも思えます。審判のジャッジに助けられた感もありますが、MFジウベウト・シウバの厳しい守備がリケルメに仕事をさせなかったのが、この試合のすべてであったようにも見えました。思えばジウベウト・シウバはブラジル代表で、リケルメはアルゼンチン代表なわけで、両者のマッチアップには国の威信を賭けた(?)因縁みたいなものがあったようにも見えたんですが、ハイベリーでの勝負はジウベウト・シウバの完勝というところでしょうか? ソリンも元気なく、得意のゴール前への飛び込みもほとんどできなかったわけですが、第2戦でもこの2人を抑えることができるかがアーセナルのカギとなりそうです。

■ビジャレアル:リケルメ&ソリンがダメなら中盤省略もあり!? 知ってますか? ボルトンはアーセンルに強いんですよ。

続いてヴィジャレアルについて。って、今言った「リケルメ&ソリン」が生きなかったのがすべてなんですが、まぁ「0-1」というのは絶望的な数字でないのが救いというところでしょうか? チームカラーを度返しして言えば、アーセナルに対してはボルトンみたいな「ロングボール攻撃」がボディーブローのように利いたりすると思うんですが、第2戦ではもう少しそういう戦い方をしてもいいような気もします。この試合でも前半にハイボールの処理をコロトゥレがすべってミスしてしまい、フォルランにフリーでセンタリングを上げられてしまうシーンがあったわけですが、こういうDFの裏を狙う攻撃も絡めればゴールの可能性もあると思うんですよね。

それは果たしてアーセナルからボールを奪い返すことができるのか、ということだ。ボール支配率で下回るようだと、この試合のように攻撃の形を作ることができず、頼みはセットプレーだけとなりかねない。そうしてその唯一の希望の光も、点を取りに行かねばならないという焦りが出れば、高速カウンターの餌食となっていつ消えもおかしくない危うさだ。
 さらに悲観的なことを言えば、たとえボールを支配できたとしても11人で守りスペースも時間も与えてくれない相手から、どうやって点を取ればいいのか? マンチェスター、インテルと強豪を倒してきたヴィジャレアルだが初めて大きな壁にぶつかった。これがヨーロッパ最強リーグ準決勝の敷居の高さというものだろう。http://www.ocn.ne.jp/uefa/cl/report/kimura_0419.html

木村氏が言うようにあまりに中盤で繋いで攻めれば「高速カウンターの餌食」になる可能性が高いわけですし、その「厳しい中盤」を避けて責めるのも1つの手ではないかと。もちろんCL仕様の「4-5-1」のアーセナルは固いわけで、放り込みも「意味なし」となる可能性もありますが、何はともあれ攻めてゴールを奪わないと勝てないわけですよ。放り込みでもロングシュートでもいいので、相手ゴールの近くにボールを運ばない限りはゴールが生まれる可能性はないわけでし、逆に相手ゴール近くで仕掛けることができれば相手のミスからゴールが生まれることだってあるわけですよ。まぁ、その危険性についてはアーセナルのベンゲルも充分承知の上であるとは思いますが。

■セカンドレグ展望! 「この6日間で今期が決まる」byベンゲル。

相手にアウェイゴールを与えなかったことを高く評価したベンゲル監督も「2戦目も無失点が優先。記録が自信になっている」と手応えを口にした。ただ、22日には中2日でリーグ4位を争うトットナムと直接対決。ヴィジャレアルとの第2戦はさらに中2日だ。来季CL出場はCL優勝かリーグ戦4位が条件でいずれも捨てられない。「この6日間で今季が決まる。自信を持って臨むつもり」と指揮官。決勝が行われるパリへ近づいたが、まだ気は抜けない。http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2006/04/21/03.html

「無失点が優先」とベンゲルが語るのが驚きですが、アーセナルのCLでの運命を左右するのは間違いなくこれなんでしょう。なので、第2戦も当たり前のように「4-5-1」で闘うことになるんでしょうが、アーセナルの守備がどれだけビジャレアルの攻撃を抑えることができるかがポイントとなることは間違いないでしょうで、そのアーセナルの戦いに影響をあたえそうなのが「明日のトットナムと直接対決」であり、審判のジャッジの基準であると思うんですよね。ご存知のようにアーセナルはスパーズとCL出場権を争っており、明日の試合はかなりポイントなわけです。負けられないわけです。主力を温存なんてもってのほかなわけです。ベストメンバーで臨まないと危険なわけです。でヴィジャレアル戦は間髪おかずそのまた中2日後。まさに過密日程なわけですよ。

アーセナルのフィジカル管理はどうなっているのだろうか? こんな戦い方で長いレギュラーシーズンを戦い抜くことが果たして可能なのだろうか? なにせバルセロナにしてもヴィジャレアルにしても、シーズン終盤のこの時期は肩で息をしている段階なのである。先週末はたまたまこの両チームの対戦だったが、日にちを稼ぐために金曜日に試合をし、ローテーション制で主力を休ませてチャンピオンズリーグに臨んでいる。リケルメもソリンもフォルランもタキナルディも休養していたのだ。ケガ人も相次いでいる。センターバックのレギュラー、ゴンサロとペーニャは先週続けて負傷してしまった。一方のアーセナルで先週末の試合を休んだのは、ケガから回復していなかったセスクとリュンベルグだけ。この差はいったい何なのか? 
 運動量がアーセナルの攻撃と守備の分厚さの鍵である。全員攻撃、全員守備なんて芸当も、何重にもサポートとカバーリングができる走力と持久力があればこそ。チャンピオンズリーグで9月27日から無失点を続けているアーセナルの堅守とは第一にずば抜けた体力のこと。寄せの速さ、プレスの強さが尋常ではないのだ。http://www.ocn.ne.jp/uefa/cl/report/kimura_0419.html

木村氏が驚いているアーセナルの体力、運動量ですが、ポイントはまさにそこ。スパーズとの死闘(になると思うんですよね。たぶん)のあと、はたしてアーセナルの選手たちのコンディションはどれくらいのものなのでしょうか? どれくらい体力が回復するのでしょう? 果たして、この第1戦のように動けるのでしょうか? そして、そのコンディションが影響すると思われる「寄せ、プレス」は、この第1戦のようにできるのでしょうか? ズバリ、そこがポイントとなる気がしてます。もしも、コンデョションの影響で寄せとプレスのスピードが落ちてしまったとしたら!? この試合ではインターセプトできていたものが「ファウル」となったり、「抜かれてしまう」可能性も出てくるわけですよ。さらにその上でポイントとなってくるのが審判のジャッジの基準!? この試合ではあまりファウルをとられなかったアーセナルのプレッシングでしたが、コンディションの影響はもちろん、主審の基準が「変わる」のか「変わらないのか」によって、アーセナルの守備が機能するかどうかは変わってくると思うわけです。

「この6日間で今期が決まる」。まさにヴェンベルが言う通りなのですが、もっと厳密にいえば「この6日間のフィジカル管理と審判のジャッジで今期が決まる」というのは言い過ぎでしょうか? 
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