W杯「ジーコ日本代表対オーストラリア代表」雑感   茂庭の起用とジーコとヒディンクの信念

残念な結果に終わりました。

まず結論から言わせていただくと、どんな試合にせよ勝利という結果を出せなければ「監督のせい」であると私は思ってます。なので、敗因は監督ジーコにあると思う次第です。私はジーコの監督としての基本方針や、チームの作りの考え方については支持しているので、それに関しては特に意見はないんですが…。ただ、やっぱ「バックアップメンバーの選定」に関しては、ちょっと意見があったりするんですよね。

■まず、茂庭が交代でCBをしていたことについてから…

予想外の怪我人が出てしまった不運はあったと思いますが、この大事な決戦にCB茂庭というのはちょっと彼には荷が重かったような気がした次第です。

後半88分の逆転されたシーン。ケイヒルのシュートはすばらしかったですし、アロイージ、ケネディ、ビドゥカとFW3枚投入したお馴染みヒディンクマジックもすばらしかったと思います。ただ私的には、あのシーンでの茂庭の守備のやり方がまずかったと思えたんですよね。まず、アロイージにクサビパスが入ったときの対応。ちょっとプレッシャーが緩かったように見えました。まぁ、すでにイエローカードをもらっていた状態でしたし、あの場所でファウルをするのは避けたいと思っていたんでああいう守備になったんでしょうけど、あまりにアロイージに楽にパスを出させてしまったように見えました。ついで、そのアロイージからケイヒルにパスが渡った時の対応。茂庭の選択はアロイージにそのまま密着でしたが、あのシーンはやっぱ、そのまま「前に出て」ケイヒルのシュートをブロックが正解だと思うんです。チェルシーのテリーとかカルバーリョなら、間違いなくそうしていたと思います(たぶん)。体を張ってシュートを止めに入ったと。あそこでアロイージの裏に抜ける動きを後追いしても、あまり意味ないと思ったんですけどね。

■茂庭は悪くはない!? 選んで使った人の責任だと思いますから。

というわけで、あのシーンでの茂庭の守備は個人的に疑問に思っているのですが、ただ茂庭を責めるのは酷だと思ってます。茂庭は途中出場ながらがんばっていたと思いますし、彼なりによくやっていたと思います。ベストを尽くしたと思います。ただジーコのチームにはフィットしてなかった。経験が足りなかった代表に値する選手でなかったと思ってます。で、結論としては、責任はそういう茂庭を選んだ監督のジーコにあると思う次第です。オーストラリア戦で茂庭を起用したのはジーコの責任であると。もちろん選ぶの監督の特権ですしそれは尊重しますが、今回の敗因はジーコの茂庭選出と、それにともなう「バックアップ層の薄さ」が敗因の理由であったと。まぁ田中誠、坪井と2枚欠くと厳しいというのはわかりますが、現実的に「茂庭が試合に出た」のは事実なわけで、それ以外での以下でもないわけです。

もちろん、その失点は茂庭のせいだけではないと思います。中盤の誰かがもっとケイヒルをケアしていればシュートを防げたかもしれませんし、何よりオーストラリアの3トップ変更に応じて、中盤の誰かがCB的な役割をして3トップの1人をマンマーク気味に対応すべきだった気もします。もしくは3バックとボランチでしっかりと2ラインのゾーンを敷いてバイタルエリアのスペースを潰すというやり方だってあったはずです。ですが、残念ながら、そのどちらもできませんでした。やれませんでした。選手は自分たちでそういう判断が出来ませんでしたし、ベンチのジーコもそういう指示を出せませんでした。で、結果としてケイヒルにやられてしまいました。バイタルエリアでフリーでシュートを打たれれば、そりゃゴール許します。

戦前に、私はオーストラリアを難敵だと思っていたので、勝てなくても負けなければOKという感じで思ってました。ドローで万々歳だと思ってました。で、それを実現するためには、日本の攻撃力を考えると0-0か1-1? そう。1-1でOKだったと思うんですよ。勝てなくても負けなければOK。そういうサッカーをあの1-1の時間帯ですべきであったと思うんです。

■ジーコの采配について:小野の交代の意図と、攻撃陣への信頼

ジーコの交代采配について。まず小野への交代ですが、私はなんとなく納得してました。投入時はまだ1-0で勝っていたんで「攻めの姿勢」「つなぐ意識」が必要と感じたんでしょう。後半、日本は良くも悪くもカウンター一辺倒になっていて「体はバテテいて動かなけど、早い攻撃を仕掛ける」体制になっていたのは気になりました。確かに速攻・カウンターは有効でしたが、もっと繋ぐ攻撃をしかけてもよかった気がしました。オーストラリアにとって一番イヤなのは「日本がボールポゼッションしていること」だと思うんです。ボールをキープされて日本に時間を費やされることが一番イヤだったと。というわけで、あの小野の意図はわかるのですが、その意図が「功を奏したかどうか」と考えると……。まぁ結果的には失敗であったと思う次第です。あのシーン、稲本をアンカーにおいて福西とダブルボランチでよかったと思うんですよね。確かに2点目を上げれば決まりだったと思うので攻撃陣のテコイレはありだと思うんですが、私ならあの場面で日本の「シュートを打たない」攻撃陣を信じることはできませんでしたね。直前のドイツ戦のいいイメージがあったのかもしれませんが、オーストラリアの守備はもっと整備されていたわけで、あれを期待するのは間違いだと思うんですけどね。まぁ「選手の力を信じる」ジーコ采配はわかるし評価したいんですが、あのシーンでは「勝ち」にこだわってほしかったです。

■ヒディンクの戦術について:ケイヒル温存したのはすごいけど、まぁ私的には…

ヒディンクの采配について。まずケイヒルをスタメンで使わなかったのは驚きでした。やられたと思いました。結果的に、そのケイヒル温存&途中起用が功を奏したと思いますが、これってかなりギャンブル的で、すごいことであると思うんですよね。ケイヒル温存って、日本代表で考えれば「中田英、中村」をベンチにおいて「スパーサブ」で起用する感じだと思うんですが、それって普通はやらないことだと思うんです。哲学の問題なのかもしれませんが、ヒディンクのすごさやヤバサはこのような選手を「駒」として扱うサッカーなのかもしれません。これはヒディンク自身が選手としては大成しなかったことが影響しているのかもしれませんが、選手を尊重するジーコはまずやらないと思いますし、普通の監督ならできないと思う次第です。このヒディンクの「選手を駒として考えるサッカー」か、ジーコの「選手ありきのサッカー」という考えの違いは、この試合でもろに出ていた気がします。ヒディンクがケイヒルを温存したのに対して、ジーコは中村や中田英が動けなくなっても代えませんでした。そのあたりの「サッカーに対する考え方」はおもしろいなと思いましたし、個人的にはどちらの哲学も尊重したいと思います。まぁこの試合においてはヒディンクの哲学が勝利したわけですが、ヒディンクのやり方のみが正しいとは思いませんし、ジーコのやり方もありだと思うんですよね。

あと、気になったのがヒディンクが対日本代表戦略として「サントスの裏」でなく「中澤のいない方」を突いてきたこと。前半からビドゥカが坪井を逆マークしていたのはセオリーと言えばそうなのかもしれませんが、「中澤をサイドに釣り出してドカン」でなく、「中澤のいないところを1対1で仕掛けてドスン」だったのは、まぁヒディンクらしいと言えばそうなのかもしれませんね。日本の3失点目はアロイージが駒野に「1対1」を仕掛けて勝ってシュートだったんですが、そういった「1対1の仕掛け」もヒディンクサッカーの哲学ということなんでしょう。まぁこれはジーコも同じだと思うんですが、残念ながら日本代表にはこの4年間で、その哲学が浸透することはありませんでした。まぁ残り2試合で、日本代表選手のそういうパフォーマンスを期待したいです。

■日本代表の気になった選手について:駒野、福西、中田英、中村など

最後に、日本代表で気になった選手やプレイについて。まず右WBの駒野ですが、この試合ではちょっとビビってましたかね? 後半、何度も何度も右サイドを突破してセンタリングを上げてましたが、どれもお話になりませんでした。「4度失敗しても5度目に決まればいい。」ジーコの本で、こんなコメントを読んだ記憶があるのですが、このチャレンジ精神がこの日の駒野には足りなかったように感じました。何度か勝負してサイドを「えぐって」センタリングをいれたシーンもありましたが、もっとトライすべきだったと思った次第です。「エグッて、ニアサイド」というのが、一番ゴールの可能性があるわけですが、それを第一に考えて、ついで2列目からの中田英合わせでいけばよかったと思うんですよね自身がフリーでドリブルでまだ進めるのに、それをしないで中途半端なアーリークロスは×です。やはり加地の離脱は大きかったなぁ。と、ここでも選手層の薄さを実感してしまうわけですが…。まぁ、もちろん駒野もがんばってやっていたとは思いますし、いい選手だと思いますが、あのセンタリングの精度では世界では勝てないです。

続いて、福西。2本のミドルシュートは評価したいですが、やっぱ枠には飛ばしてほしいなぁ。その後、ロシツキーのスーパーゴール見ると余計にそう思ってしまいました。まぁ、その役回りは本来は中田英なんですが…。その中田英。直前のヒデメールの文読んだら「ヤバイ香り」がしていたんですが、蓋を開けてみれば現実的なプレイぶり。まぁそれは評価したいですが、もっとミドルシュートを打つシーンを期待していたのは事実。だって日本の唯一のゴールである中村のゴールも、遠くからでもシュート打ったから決まったわけですよ。あれがシュートなのかセンタリングなのかわかりませんが。もっと積極的に狙ってよかったと思うんですよね。残り2試合での課題です。最後に2トップについて。こちらも同様なんですが、シュート打たないFWはどうかと思いますよ。やっぱ。

■というわけで、結論。残り2試合、コンフェデギリシャ戦のようにがんばってください。

というわけで、グダグダ書いてきましたが、残り2戦がんばってもらいたいですね。特にクロアチアは勝機ありだと思ってますんで、コンフェデのギリシャ戦みたいにふっきれてがんばってほしいですね。
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