ドイツW杯を総括! 「ポゼッションからの攻撃」と「引いたプレス」と大会ベストゴールについて一考察 

■マテラッツィの言葉はコレだったのか!? まずはこれから振り返ってみたりして

また、11日付けの英紙タイムズは、読唇術の専門家の話を紹介し、マテラッツィ選手がジダン選手にイタリア語で、「テロ売春婦の息子。くたばれ」と言ったとした。ジダン選手はイタリアのチームに所属していたこともあり、イタリア語を理解するという。
 ジダン選手の両親はアルジェリアからの移民で、「テロリスト」はイスラム過激派とイスラム教徒である彼を結びつけるもの。サッカー界では人種差別的暴言がしばしば問題となっており、今大会でも、出場選手や大会運営者側が人種差別反対のメッセージを繰り返し発してきた。http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=worldsoccer&a=20060711-00000013-maip-spo

読唇術というのはけっこう信用できるものなんでしょうかね? この記事が本当かどうかわかりませんが、仮に本当だとしたら断固処分すべきだと思いますね。こういうのは許しちゃいけないと思っています。モッジシステムと変わらない「不の勝利至上主義」だと思います。まぁまだ事実はわかりません。兎も角、FIFAにはしっかりと調べてほしいですね。

■ドイツW杯を総括!? ポゼッションからの崩しをするチームが目立ったと某誌は書いてましたが、いかに!?

というわけで嫌なニュースから始まってしまいましたが、今回はドイツW杯の簡単に総括をしてみたいと思います。買い忘れていたワールドサッカーダイジェスト(WSD)や、最近ほとんど読んでないワールドサッカーマガジン(WSM)にもW杯の総括らしきものが掲載されてますが、WSDの総括で「カウンターサッカーが減って、ポゼッションサッカーが増えた」みたいなこと書いてあったのが興味深かったですね。このポゼッションサッカーが増えた理由はいろいろ考えられるんでしょうが、その要因は相手チームの守備戦術によるところが大きいと思ってます。これは同じくWSDで指摘されてますが、敵陣からのガンガンとプレッシングする守備よりも「相手を自陣に追い込んでからのプレッシング守備」=引いたプレスをするチームが増えた結果、自ずと攻撃ではポゼッションからの崩しを強いられたところもあったのかなぁと思う次第です。まぁ、これはW杯から始まった傾向でもなんでもなく欧州や南米のクラブシーンでは日常茶飯事なわけですが、そのクラブチームのスタイルが代表チームの戦術に影響を与えたのは間違いないところでしょう。

■ポゼッションからのゴールはあまりなかったですが、アルゼンチンのことゴールは今大会のベストゴールであり象徴でした!

この「ポゼッションサッカーへの移行」という点に関しては私もW杯前に提言していたんですが、まぁこれは欧州のサッカーを少しでも見ている人なら誰にでも予測できたことでしょう。で、そういう「ポゼッションからのすばらしい攻撃サッカー」を期待してW杯を見てたわけですが、私がすばらしいと感じた「ポゼッションから崩したシーン」「ポゼッションから生まれたゴールシーン」って実際のところあまりなかったんですよね。で、そういう数少ない「ポゼッションからの崩し」で一番印象に残っているシーンは、アルゼンチン代表が見せてくれたこのゴールでした。
http://www.youtube.com/watch?v=z0O7KkZn4rk
 

W杯の歴史に間違いなく刻まれるゴールが生まれた。16日のセルビア・モンテネグロ戦で31分にアルゼンチンが挙げたチーム2点目。9人の選手が入れ代わり立ち代わり、1分近くにわたって25本のパスをつなぎ続けた末に生まれた美しい得点。「今後何年間もテレビでリプレーされるであろう」(ロイター通信)華麗なパスワークに、世界のサッカーファンが酔いしれた。http://www.yomiuri.co.jp/wcup2006/news/20060617ifw5.htm

セルビアモンテネグロの守備に問題があったとは思いますが、それを差し引いて考えてもすばらしいゴールだったと思います。DFラインからの正確なパス回しから、ソリンが左サイドの高い位置にポジショニングして基点となったところはすばらしいですが、そこまでの攻撃スピードと、それ以降のペナルティエリア付近での「相手を崩すスピード」の違いは圧巻ですね。緩急のスピードをつけた攻撃の見本といっていいくらい。ここでは「トラップしてからのパス」「ダイレクトパス」の使い分けもちゃんと表現されてます。で最後に決めるのが「ボランチのカンビアッソ」なわけですが、ポゼッションからの崩しではこういった「縦のポジションチェンジ」「2列目、3列目からの飛び出し」ができるかどうかがポイントであったと思ってます。

■ポゼッションからの崩しでポイントとなったのはボランチの攻撃参加!? ビエラ&マニシェのゴールを振り返る!?

この2列目、3列目のいわゆるボランチの攻撃参加についてですが、WSM誌ではシステム論からこれについて述べています。うろ覚えですが、フランス代表のビエラやポルトガル代表のマニシェを例にとって、「3ハーフの流動的なポジションチェンジ」という表現をされていたと記憶しているのですが、個人的にはこういう「攻撃的なボランチ」を起用していたチームの躍進はうれしい限りでした。

ビエラ、マニシェともすばらしかったと思ってますが、彼らの「ボランチからの飛び出し」で生まれたゴールシーンをちょろっと振り返って見ます。まずビエラから。

■フランス代表ビエラ:オフザボールの動きは言うまでもなく、FW顔負けのポスト&シュートはすごかった!

トーゴ戦のこのゴールはほんと見事です。するするとオフザボールの動きでペナルティエリアに進入して、相手DFを背負った「FW顔負けポストプレイ」から「FW顔負けのシュート」を決めているのは圧巻です。このゴール、個人的には上の「25本パスからのゴール」に次いでドイツW杯で2番目にすばらしかったゴールと認定しましょう(笑)。スペイン戦でのリベリーへのアシストも「FW的なポストプレイ」から生まれているのですが、ボランチながらもこういうFW的なプレイをできるビエラは改めてすばらしい選手であると思いました。

■ポルトガル代表マニシェ:典型的ではありますが2列目からのミドルシュートを決めたのは評価すべし!

そしてマニシェ。メキシコ戦のゴールオランダ戦のゴールとともに見事でした。ビエラのような「FW的な動き」と違って、典型的な2列目からのミドルシュートからゴールでしたが、この2つのゴールはドイツW杯を象徴しているゴールである気がしているんですよね。今大会でミドルシュートからのゴールがたくさん生まれたわけですが、それはボールの性能のよさから生まれたところもおもちろんあるのでしょう。ただ、それよりも上で述べたように「引いたプレッシング守備」からゴールするための有効な手段が「ミドルシュート」であり、そういう「中盤の攻撃参加からのミドルシュート」を攻撃の形として持っていて実際にゴールできたチームが多かったから自ずとミドルシュートからのゴールが生まれたと個人的には思ってたりしてます。まぁイングランドのランパードやドイツのバラックみたいにミドルシュートの名手が「不発」に終わってしまったのは残念でしたが、そういう不調な選手に代わってキチンと決めたマニシェはすばらしかったと思う次第です。チェコのロシツキのゴールもビューティフルでしたが、チームが決勝トーナメントに進めなかったのでマニシェのほうをプッシュしたいですね。

■結果的には「ポゼッションからの崩し」よりも「引いたプレッシング守備」の大会であったのかもしれませんが…

以上、ドイツW杯で印象に残ったゴールシーンからドイツW杯を総括してみましたが、まぁ結果的には決勝トーナメント以降は「ポゼッションからの崩し」よりも「引いたプレッシング守備」がモノをいったわけで。でイタリア優勝という結果から考えても、攻撃よりも守備の大会であったと言えるのかもしれませんね。

ちなみに、ここで書いた「ポゼッションからの崩し」「ボランチの攻撃参加」って、残念な結果に終わってしまったジーコ日本代表でも行われていた攻撃方法だったんですよね。ブラジル戦の玉田のゴールは見事なポゼッションからの崩しのゴールであったと思いますし、ゴールにはなりませんでしたがクロアチア戦で見せた「ポゼッションからの加地の崩し」はよいプレイであったと思ってます。同様にゴールにはなりませんでしたが、クロアチア戦で見せた「中田英のミドルシュート」もいい攻撃の形であったと言えるのではないでしょうか。まぁミドルシュートで言えば「攻撃の形」はよかったけど、実際には中田英や中村といった日本が誇る中盤がゴールできなかったのが日本代表のグループリーグ敗退の1つの理由であると思いますし、ビエラやマニシェがゴールしてベスト4以上まで勝ちあがったフランスやポルトガルとの「大きな差」であったと言えるのかも知れません。もちろんそれ以外にも理由はあると思いますが、何度も言うように「中田英と福西のボランチの組み合わせ」自体はポゼッションサッカーを実践する上では間違いではなかったと言いたいですね。まぁ結果が出せなかったので、その組み合わせはダメと言われればその通りなんですがね。

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